死にたい。
消えたい。

そんな風に
思いながら、
考えながら、
悩みながら。

それでも僕たちは
生きていくしかない、と知った。

何があったわけじゃないし、
また病むことなんか
数え切れない程
あるのだろうけど。

それでも
時間が進む限りは
生きている限りは
やり過ごしていくしかないのだ。

桜の君が、
今日…もう昨日か。

リングを
送ってくれたらしい。

婚約指輪とか、
恋人の証とか。

そんな
意味のあるものではなくて。

僕への“感謝”をこめて
送ってくれたものらしい。

僕が贈ったリングに
合うものを選んだのだと。

重ね付けが
できそうなものを
考えてくれたんだと思う。

彼女のセンスは
僕も好きだから、
きっと僕も好きな
デザインなんだろう。

それだけで
十分な気がした。

例え、
彼女に別の居場所が
在ったとしても。

僕のことを思って、
時間を割いてくれて、
選んでくれた。

それ以上に…
他に何を望むというんだろう。

離れた土地にいるからこそ。
会えない場所にいるからこそ。

彼女の持っている「時間」は
僕がもらえる唯一のものだ。

距離なども関係なく。



そうか、と思った。

どれだけ
心が死のうと。

どれだけ
世界に嫌気が差そうと。

そこに
「存在」している以上は
存在し続けなければいけない。

終焉-おわり-は、
誰にでも訪れるものなのだから。

やり過ごしていくしかない。

僕は今。


此 処 に い る ん だ 。