母さんが
仕事を失って…
そろそろ
1ヶ月が経とうとしてる。

保険証は
まだ手続きに
行けていなくて、
僕は断薬を強いられている。

母さんは
前よりも
怒りの沸点が
低くなったらしく、
僕の事を
怒鳴ったり
力で抑えようとしたり、
そんなことが増えた気がする。

…この年齢にもなって、
「虐待」とか「体罰」とか
訴えたところで無駄なんだろうけど。

母さんがしていることは
それと大差なく、
精神的にも
ダメージを与えてくるから
余計にタチが悪いのだ。

幼い頃からの
すり込みの様なもので…。

僕は
母さんの怒鳴り声や
怒気を含んだ声が
ものすごく怖くて。

言うことを聞かなければ、
従わなければ。

自分に害が及ぶことを
知っていた。

いつの頃からだろう。

いつからか
それがもう
「当たり前」で…
気づいたときには
もう修正がきかなくなっていた。

「抗え」と。
「抵抗しろ」と。

何人の人に
言われてきたか
分からないくらいだけど…。

ニュース等でよく聞く、
「逃げられない状態」に
なってしまった僕にとって、
それはまず不可能だった。

その為の経済力も人脈もない。

従兄弟が、
物件を紹介してくれると
前に言っていたのを
思い出したけど、
そうできる程の力が
今の僕にはないのも確かで。

父さんの所に行くという選択肢も
無いわけではないけど…
それは多分
再婚相手の彼女が許さないだろう。

必然的に僕は
この檻の中に
居ることしかできない。


…最近、
自殺願望が強い。

波はあるものの、
常に考えるようになった。

方法も調べて、
致死量が少なく
入手方法も易い。
そんなものも
自然界にはある。

いつ「実行」するのか?

自分でも
よく分かっていない。

衝動的なもののようにも思えるし、
計画が必要なものにも思える。


スマホも
最近はずっと
マナーモードのままで。

誰かから
着信が入ったとしても
気づかない。

気づいたとしても
時間が開いてしまうから
掛けなおすこともしない。

そんなふうに
過ごしていたら、
いつのまにか
連絡の来る人も
減ってしまっていた。

だけど
これでいいのかも、と
思ったりする。

終わりを迎えるとき、
柵は無いほうがいい。

…そうしていると、
よく話していた友人の声も
もう忘れてしまった。

だからって、
思い出そうとも
しないけど。


僕は、どんな道を進んでいくのだろう。