そわそわ


話題:これからの予定


「おい神田、最近毎日飛んでるぞ。その日ラーメン食べたいです」とC-HR乗りからメールが来た神田です

忘れていた訳ではないが、あまり考えないように努めていたことを一通のメールでぶっ壊された

そう、来週の金曜は入間基地の航空祭なのよね

近隣地域では練習飛行の音が響いているそうな

神田、その日は休みをとってある

何ヵ月も前から、シフト表に休みマークを付けてあるのだ

ただちょいと心配なことがあって、糞爺がまだ入院中なんだよね

そろそろ退院するんじゃないかと思うのだが、退院の前には担当医から話があるだろうし、いざ退院となると退院手続きをしなくてはならない

そのために休みをまたとらなきゃならないかも知れないわけさ

すると、誰かとシフトを代わってもらうことになるので、航空祭の日は休めなくなる可能性があるのだな

あまり考えないようにしていたのは、こういうちょいと難しい問題を抱えてるからなんだよね

ただ、当日誰と見に行くかは決まってよかった

C-HRはあの辺の地理に詳しいし、車を出してくれるから近くまで電車で行くことが可能

自分の運転で行くと、裏道を知らないがために混雑した道を通るから、時間に遅れてしまう恐れがあるからね

それにラーメン食いたいよ俺も

夏に大勝軒に行って以来、まともなラーメンは食ってないんだよ

M美様はラーメンのラの字を出しただけで不機嫌になる女だからな

俺にもなるべく食べないようにしつけようとしやがる

男からラーメンを奪ったら逆上するということがわかってない辺りが駄目でございますよね

ま、それはまあいいか




爺関連の心配事をC-HRに話すと、飛行機が描く線が見られて、なおかつ、ラーメン屋も近くにある場所を探しておく、と頼もしい返事が来た

これで、行くことさえ出来れば充実した日を過ごせそう

やっぱり現地人は強いやね

航空祭そのものは珍しくも何ともないだろうが、遊びに来る友達をもてなしてやろうという気持ちが嬉しい

行けることがわかれば御曹司も誘ってやろう

最近遊んでやってないので、また引きこもってるみたいだし



航空祭の日のことを考えると楽しくなっちまって、さっき廊下ですれ違ったお局様に笑顔で挨拶してしまった

可愛がっていた小鳥が今朝逃げてしまったという話を聞いて、それは心配ですね〜と同情したフリをしたのにもかかわらず

ちょっと怪訝そうな顔をしていたが、もうどうでもいいや

鳥は羽ばたきたい生き物なんだよ

俺も羽ばたきたい!

ニヤニヤが止まらなくなってきた神田でした



ちくわぶ


話題:夜ごはん


日曜のこと

台風が翌朝の通勤の足に影響を及ぼす可能性があったので、前日から寮に泊まった神田です

いや、俺だけじゃなくて寅吉班全員が寮に泊まったのですよ

寮には空き部屋がいくつもあるし、簡易ベッドの上に敷く布団だけ手配すれば問題なく皆が居られるんだけど、飯に困るんだよね

コンビニに弁当類を買いに行ったら全部と言っていいほど売り切れてたし

店屋物も寿司以外は無いしさ

そこで牛丼を買いに行って、取りあえず昼飯は何とかなった

だが問題は晩飯

その日は雨風が酷くなければM美とファミレスにでも行こうかってな約束をしてたから、食材を全く用意してなくてね

上の階に住む班の女は、そんな大人数の材料は無いと言うし

仕方がないので、M美ちゃまに謝って、スーパーに一緒に買い出しに行き、晩飯の支度を手伝ってくれと頼んだ

食べたい物も決めていいからさ〜、とね

するとM美嬢、「おでんがいい」とのたまった

おでんか…

おでんは、神田としてはおやつなんですよね

ごはんのおかずとしては物足りないのよ

玉子はあるけど肉はないし、野菜だって大根くらいしかなくて、あとはさつま揚げやコンニャクで構成されてて、とてもじゃないが腹には溜まらんじゃないの

だけど、短時間で大勢のおかずを作れるから最適じゃないかというM美様の意見が強かった

そこで材料を買ったんだけど、M美っぺがなんと『ちくわぶ』をカゴに入れたよ

ちくわぶって何だよ

存在は知ってはいたし、ガキの頃に食べたこともあるにはあるが、あまり好きな食材じゃないんだよ

好きな人には申し訳ない言い方をすると、ネチャネチャしてて歯触りが気持ち悪い物体

味が染みてないと食べられない

だからと言って長く煮込むと表面がドロドロと溶けてきて、汁を濁らせるような気がするし

それでも、おでんにはちくわぶは欠かせないと言い張るから、仕方なく4本買った




帰ってから上の階の女の部屋のキッチンを借りておでんを作った

おでんだけでは足りないから、唐揚げも作った

ほとんどの作業は俺が担当したが、ちくわぶの管理だけはM美殿にやってもらった

作っている最中「みんな、ちくわぶ食べるかな」とM美が言うから、誰も食べないんじゃないの?と答えると「じゃ独り占めできるわウフフ」とほくそ笑む女

そんなに好きなのかよ…なんて思ったよね

好きな人には本当に美味しい物なんだね

そして晩飯の時間が来た

全員が集まっていた部屋に料理を運ぶと、仕事の前日は酒飲まないんじゃなかったのかよ…と裏切られた気がするほど、皆さん缶ビールを傾けておった

そしておでんをつまむ面々

ちくわぶに注目すると、最初は誰も器に取っていないようだった

ところがM美が「ちくわぶおいしーい」と言うと、どれどれと皆さん器に取っていた

最後は見事に完食

俺の分は無かった

器が無かったから

だが、唐揚げがあったから問題ない

白米もたっぷり食べられたし


解散し、自室に戻ってまったりしている時、「今度ちくわぶの煮物作ってあげるね」とアルコール臭を漂わせながらM美が発する言葉に、力弱く返事をした

今回ちくわぶは食べなくて済んだのだが、今後トライしなくちゃいけない時が来るのかな

若干恐怖を感じる

その前に色々作ってみて、食材としての在り方みたいなものを研究しようと思う神田でした


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