話題:ひとりごと
爺の手術の日以降、調子が悪くなった
体は平気なんだけどね、精神がイカれたよ
『あの病院には行きたくない病』にかかったのだ
高速に乗って東京の端まで行き、そこからさらに山を駆け上がらなければ着かない所に病院はある
そして駐車場が狭いときたもんだ
だからね、その駐車場の中で車に傷をつける人がいるんだな
乗り降りする時に隣の車にドアを当てるのは当たり前
ひどい人は、置いてある知らない人の車にぶつけちゃうんだから
金属が擦り合うギギギって音が聞こえる時がある
下手糞しかいない感じ
それでまあ遠いし、時間はかかるし、乗って行く車も選ばなきゃならないんだな
その駐車場からは物凄い傾斜の坂を登り下りしないと病棟に辿り着けないのよね
具合の悪い人には優しくない立地
病棟に着くまででだいぶ疲れる
そしてもっと疲れるのは、病棟ナースの溜まり場から毎日のように電話が掛かってくるんだよ
やれアレを持ってこい、コレを持ってこいとうるさくね
まとめて言えよ!と強く言ってやりたい気持ちをぐぐっと抑えてる
まあ多分、お迎えが来てもおかしくないような高齢者の面倒をみたことがない奴らが多いんじゃないかと
入院させた時に、爺の年齢を言ったらビックリしてたもん無能そうなナースが
だから経験が浅いせいで、世話するのに必要な便利グッズのような物が欲しくなるのだろう
だが、もう寿命が近い人に必要な物はさ、消耗品ならいいよまだ
だけど特殊な肌着を持ってこい、なんて言われても、そういうのは介護専用グッズになっちゃうから、結構お高いのだな
それにもうすぐこの世からいなくなるようなやつの物は増やしたくないじゃないのさ
どうしてそういうことがわからないかね
頭にきたもんで、ある物でやって下さいよ、なんて言っちゃったよ俺
そしたら今度は知らないお医者から電話が掛かってきたよ
無視したけどね
あとは手術の腕だけど、どうなのかな
一応写真は見たけど、その写真をくれって言ったら断られた
そんな難しい手術じゃないのに、ケチな野郎に当たっちまったぜ
憂鬱だのう
今日も行かなきゃならないんだよ
前回はB子に行かせたんだけど、歩く距離が長いからなるべくなら行きたくないと言いやがった
俺に口答えするなんて…
ああ、俺も行きたくねえ
(>_<)