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うぬぼれ*



放課後人気のない教室。窓の向こうから響く楽器の音や掛け声が風の様に私の耳をすり抜けていく。

「...」

携帯を握り空を見た。
外はまだ明るい、開け放つ窓から冷たい風が流れ込みカーテンと戯れる。

どうして、どうして私はこんなにもダメなんだろう。

いくら考えても分からない。むしろ考えれば考える程頭の中がぐちゃぐちゃ。

「はぁ」

出てくるため息を止める気にもなれず無表情の私はまたため息をついて、自分に当てられた席にた折れ込むように座った。その時だった。

「何してんの??」
「...」
「なあってば」

顔をふせていて確認する事は出来ないけど、その声の正体が誰なのか分かる。

「別に、眠くて寝そうになってたの」
「そうなの?」
「うん、だからそっとしておいてくれたら嬉しいなぁ」
「ごめん、でもこんな寒い所で寝てたら風邪ひかない?」
「大丈夫」
「根拠は?」
「馬鹿は風邪ひかない」
「お前」

そう言って開き直った私の返事にクラスの一部男子に鋭い目付きで睨まれ女子に人気の彼が笑う。

何処がそんなに面白いのか。

「笑いすぎ...」
「わ、わり、お前の答えが想像以上でつい」
「結構真面目に答えたのに」
「えっ?さっきの真面目なの!?」
「...うん」

私が返事し終わるとまたクラスの一部男子に鋭い目付きで睨まれて、一部男子に鋭い目付きで睨まれ女子に人気の彼が笑う。
悔しいので二回言ってみた。

「ごめんごめん、お前からかうの楽しくてつい」
「いい加減私に絡んでくるの止めて下さい」
「んー、どして?」
「どうしてもです!!」
「ふーん、でもさ、今日は絡んでほしそうに見えたんだけど」
「...」
「なんかあった?」

どうして分かるんだろう。本心をみすがされてるみたい。いつもからかってくるだけの意地悪な奴だけに悔しい。

「何にもないです」
「ほぉ」
「なっ、何!?用がないなら早く帰ればいいです」
「鞄取りに戻ってきただけだったけど、用事見つかったから帰れない」
「そう、ならその用事頑張って下さい」
「言われなくてこそうする」

いつもの奴らしくない奴に見つめられてどう返事していいのか分からない。正直居心地悪い。

「じゃあ、私帰ります。戸締まりしたいから早急に出ていって下さい」
「無理」
「?」
「お前、そんな表情して帰るつもり?」
「そんな表情って...普段通りの可愛くない顔ですが何か?」
「そういう事じゃねーんだけど」
「じゃあどういう意味ですか。早くして下さい。早く帰りたいんで」
「あほ」

誰があほだ。あはって言った方があはなんですよ。

「むくれてんぞー」
「むくれてません」
「まぁ、うん。むくれてない事にしといてやろう」
「そうですか」
「そうです。んーじゃ、俺帰るわ」
「用事は?」
「済んでねーけど、やっぱ今日はいいや」
「適当なのですね」
「まぁ、ね。じゃあな」

そう言うと奴は早急という言葉の如く教室から出ていった。あんな奴、どうして人気がそんなにあるのか全く訳が分からない。けど、不思議と心が楽になっている。





もしかして用事って私を元気付ける事だったりして...まさか。ね。







Last*


続き書きたい。
続き書くなら彼女の悩みの内容と"彼"を...文章力下さい。
そして曲間に合わないorz


恋愛

甘い香りをまとわせて*



街を歩けば甘い香りが鼻をくすぐり、店に入れば夢に満ちた声が耳に響く。そう今年もこの季節がやってきたのだ。

「このチョコ、デザイン可愛い!!あ、でも予算オーバーかぁ。ねえねぇ、凛はどれがいいと思う?


色とりどりのチョコレートを手に取り話し掛けてくるこの子は私の友達。彼女は同じクラスの"人気者"と付き合っている。この話は結構有名だが彼女持ちだからと諦める人は少ないらしく沢山いるライバルに闘志を燃やしている。

「好きな子からなら何でも嬉しいと思う。だからこれでいいんじゃないか?」

そう言って私が指を指したのは完璧にネタに走った本当に心の広い人に渡さなくてはいけない様なチョコレート。

「あー...」
「私のチョイスに感動して言葉も出ないだろう」
「せ、せやなー...」
「同意したな?」
「う、うん」
「よし」

そう言ってそのチョコを彼女の買い物かごに気付かれない様に入れたった。いやぁ、後が楽しみだ。

「これ、いいと思う」
「おぉっ、確かにこれいいねぇ」
「そうだろうそうだろう」
「んっ、じゃあ私これにするよ」
「えらく簡単に決めたな...」
「だってこのチョコレートにインスピレーション感じたんだもん」

相変わらずの電波ぶりだ。
でもそこがまた可愛いんだろうが、私と違って彼女も意外と人気があるし。

「でも手作りの方がいいと思う」
「手作りかぁー、でも私お料理苦手だから」
「む、ならせめて手紙は付けるように」
「はーい!!」


そんなこんなで数時間もの長いショッピングが終わりお気に入りの喫茶店でお茶を楽しむ事になった。

「私はバナナと胡桃のチーズケーキとシナモンホットミルクを」
「それじゃあ私は苺と桃のタルトとアーモンドシュガートースト、キャラメルマキアート、モンブラン、とりあえずこれでお願いします」

相変わらずの食欲だ。注文を聞いてくれたウエイトレスが驚いていたのは触れないでおこう。
そしてこの店はオーダーをとってから商品がテーブルにつくまでの時間がとても早い。五分もしないうちにテーブルが皿で一杯になった。

「えへへ、ここのケーキ美味しいんだよねぇ」
「そうだな、私もこの店はよく利用させてもらっている」

次々とお皿を綺麗にしていく目の前に座る女の子を横目にケーキの甘さに酔いしれる。いや、実に美味しい。

「そういえばさー」
「どうかしたか?」
「いやさぁ、凛は誰かにチョコレートあげないの?」

フォークをはむはむした彼女からの質問に一瞬固まる。

「わぁっ、ど、どうしたの凛ちゃん!?」
「どうもしてない。心配かけてすまなかったな」
「大丈夫そうなら別にいいの。それであげるの?あげないの?」
「渡したい相手はいるが、その日は渡せないんだ」
「........」
「あっ、いや!実はもうフライングで渡してあるんだ。だからそんな顔をするな」
「ごめんね」
「どうして誤る?私は何もされてないぞ」
「だって。だって凛ちゃん、とっても寂しそうな表情してたから」
「はっ、私は寂しそうな顔なんてしてない」
「これ」

そう言って差し出された鏡に写る私は今にも雨が振りだしそうな、とまではいかないがどことなく寂しげな表情を浮かべているのがわかった。

「あ...」
「凛ちゃんは遠距離恋愛だもんね」
「うん........」
「やっぱり寂しかったり不安になったりするよね」
「そうだな。会いたくなっても簡単には会えないし、こういうささいなイベントですらなかなか参加出来ない」
「うん」
「だけど、それでもあいつの事を大好きでいれる事が幸せだからいいんだ」
「凛は強いね」
「なっ!?」

にこにこしながら私の頭を撫でてくる。反抗してやろうと言い返そうとするも時すでに遅し。彼女は新たな美味しいものを求めにウエイトレス元へ行っていた。
オーダーはそこのベルを鳴らせばいいのだと最初に説明があったというのに、まったく。

「ありがとう」

そう小さな小さな声で食いしん坊な背中に呟いてみた。


「ご馳走さまでした」
「ごちそうさまでしたっ」
「じゃあまた明日」
「うんっ、また明日ね。ばいばーいっ」

私がもう一軒寄りたいお店があるとの事で今日は店の前で別れた。



「さて、と。行くとするか」




帰宅した私はきっと甘い香りをまとっているのだろうな。





バレンタイン

キライになる前に*



僕は冬がスキじゃない。
寒いと君のぬくもりをいつも以上に求めてしまうから。

「さむ....」

かじかむ手に息を吹きかけ、二人分の見えない足跡を辿る。
周りを見渡せば幸せそうに寄り添う恋人達の姿が映り込む。
その度、君が頭を過っていとおしい気持ちが僕に襲いかかる。

「ほら、手」

そう言っていつもなかば強引に繋いできては悪戯に手をほどいてしまう。行き場の分からない
ままぼーっとしていると僕の顔を覗きこんでくる。

「ん、どーしたの??」
「別に何でもない」

少し落ち込んでしまった自分が恥ずかしくて素っ気ない態度をとってしまう。なのに君はいつもより優しい笑顔を向け、手を繋いできた。
動揺しつつも正直嬉しいもので、不覚にも顔にそれが出ていたのだろう。君はさっきより優しい表情を僕に剥けてギュッと力を込めた。その姿に思わず僕も握り返して素直になる。

「今すっごく幸せ」
「急にどうした?」
「んー、今冬で寒いよね?」
「うん」
「でも僕は寒くない」
「?」
「どうしてか分かる?」

クエスチョンマークを出して首を傾げる君に僕は続ける。

「それはね」
「う、うん」
「こうして君のぬくもりを感じれてるから」
「!!」

それを聞いて驚いたのか握っていた手の力が一瞬緩む。そして今までにない位、大きな手で優しく包んでくれた。

「そうだね、普段はどんなに求めても感じれない」
「...うん」
「頭撫でてもやれない」
「う、うん」
「キスも出来ないし」

意地悪っぽく笑うから恥ずかしくなって包んでくれていたものを振りほどいた。

「ばか」
「はいはい、ごめんね」
「ばかぁああああ」
「ごめんね」
「..........ばか」
「....................」

同じ言葉を繰り返してると背中からふわっとぬくもりが伝わってきて、耳元で聞き慣れた声が話し掛けてきた。

「ごめん」
「........」
「俺がもっと近くにいてやれたらこんな思いさせずにすむのに」
「ううん、君のせいじゃない。確かになかなか会えないのはつらいよ」
「うん」
「でもこうしてたまに会えるし、たまにしか会えないからこそ、感じれる、気持ちもあるだろうし、将来一緒になれた時、倍嬉しいと思うから...」
「バカ」
「バカじゃないもん!!」
「お前、バカだよ。そん位かわいい」
「なっ...」
「待ってて、ぜってー迎えに行くから、だからその時は俺の嫁さんになってずっと側に居て?」
「ば、ばか」
「あぁ、俺はばかだよ。ばかな位お前の事愛してる」



その言葉、ずっと忘れないから。だから僕が冬をキライになる前に早く迎えにきて下さいね。


Last*

遠距離恋愛
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