前サイトより再録


▽同棲お題10▽[無限ノート]









「ねーねー歯ブラシって発明した人すごいと思わない?」

「…(シャカシャカシャカ)」

「清掃するっていう意味ではブラシは必要不可欠だとは思うんだけど、口に突っ込むなんて野蛮な事普通は考えられないよね。」

「…(シャカシャカシャカ)

「柄の先に数十本ごとに束ねられた繊維が複数植え付けられていて擦る度に汚れを削ぎ落としていく。いやぁ、画期的な発明だよねー。」

「…(ガラガラペッ)」

「ね!官兵衛殿!」

「騒がずとも聞こえている。」

「官兵衛殿さー、前から思ってたんだけど歯磨き粉なんで苺味なの?」

「…特に意義はないが何か問題でも?」

「いや、別に全然いいんだけど、うっかり俺の中の萌えポイントにクリーンヒットしちゃって大変だなぁと思って。」

「…卿の言語は理解に苦しむ」

「や、官兵衛殿も中々の物だと思うよ。」

「卿に言われるとは世も末だな。」

「ところで官兵衛殿その歯ブラシすごく気に入ってるみたいだね(その水色のやつ)」

「特にこれといって執着している訳ではない。」

「そ?だってこないだ買った電動歯ブラシ全然使ってないじゃん。(気になってたみたいだから買って来てあげたのに。)」

「あれは口内を傷付ける恐れがある為やむを得ず、使用を中断したまでだ。あんな野蛮な物を口に入れる現代人の気がしれぬ。」

「何度も開発と検品を繰り返してようやく商品として実用化してるんだから危なくなんかないよ。そんな一方的に決め付けるのは関わった方々に失礼なんじゃない?」

「…私は一意見として率直に申しただけだ。」

「大体さ、官兵衛殿も最初は[現代の科学の力とはこれ程までに発達しているのか]って喜んでたじゃん。」

「…私の記憶には微塵も覚えがないようだ。」

「…ふーん。あっそう。なら家にあった事も忘れてたってわけ?」

「…そのようだな」

「じゃあ、今からまた使えば?」

「用いた物を途中で放棄するなど、人間として恥じるべき行為だ」

「別にあげた本人がいいって言ってるんだから、別にいいじゃん。」

「十分に活用してからであろう。私とて人の子、それくらいの道理はわきまえている」

「ふーん。そういうもん?」

「ああ」

「ならいいけどさ。」

「…話している暇があるなら卿も早く支度をしろ」

「……はーい。
(素直におそろいの歯ブラシが気に入ってるんだって言えばいいのになー。)」







半兵衛様→オレンジ
官兵衛→ブルー
の歯ブラシが可愛いです

ていうか歯ブラシで話広げらんない…!