レイトショーで観てきたのでこころが熱いうちに感想ちまちま。
 のっけからネタバレするので未だの人は注意してね!
 なんかソウルジェム濁りきったとか吹き飛ばされたとか噛み砕かれたとか漏れ聞いていたけど私のソウルジェムは色を失いましたー



 以下、感想駄文↓









 アルティメットまどかさんの精神の寿命についてとてもとても心配だったので、ほむらさんの活躍にはGJ!!( ´∀`)bと云わざるをえないとか、そんな所から感想を述べてみる。

 鹿目まどかは鹿目まどかとして生きた日々も記憶も心もそのままに円環の理という一つの概念に成り果てた、絶望に染まった魔法少女を消滅という救済へ誘う存在になった、ということだったけれど。
 それは、ひとのこころを持ったまま果たしうることなのだろうか?
 そう思っていたので。
 両親や弟や友達や先生や、鹿目まどかという存在を形成してきた周囲の全てと永劫離れて忘れ去られて、「魔法少女としての最期」を迎えない限りは再会もかなわないそういうものになって、鹿目まどかの心というのは一体いつまで「鹿目まどか」で在れるのだろうか、ということ。
 泣いちゃうくらいつらいことだよと云った、確かに彼女はそう云ったのだ。
 泣いちゃうくらいつらい思いをしてそれでもたったひとり魔法少女たちを魔女化という最悪の運命から救うために消滅させ続ける、存在で居続けるのは、それはどれほど恐ろしいことだろう。
 何十何百何千回、もしかしたらもっとずっと途方も無い、ガンジスの砂を数えるような途方も無い間鹿目まどかを救うただひとつの手立てを求めて彷徨っていた暁美ほむらでさえ魔女化するほどの絶望を知らぬうちに心に抱えるのだ。
 彼岸花は三倍体で実を付けない。地下茎で密やかに増える。密やかに、心に広がる絶望を、あの花々は象徴していた。花と葉が同時に存在できない、そんなところまで。
 概念としての鹿目まどかに、どうしてそれがないと言い切れるだろう。こころは人のままなのだ。
 美樹さやかと、巴マミと、佐倉杏子と、暁美ほむらと、友人たちと、両親と、弟と、離れて忘れられて直ぐ傍で見守ることは出来ても触れることはかなわなくて、時間の概念に縛られず複数の時間軸に同時に存在するようなそんなものになっていてだからひとつの時間を繰り返し繰り返し観賞して干渉することは出来ても、決して直接関われるわけではなくて感知されなくて関知されなくて。

 そんなものであり続ける、こころに、いつか絶望の根が拡がらないとどうして云えるだろう。

 暁美ほむらは概念と化した「鹿目まどか」から、彼女が鹿目まどかとして生きた記憶を時間をこころをもぎ取って切り離し閉じ込めて傍に置くことで円環の理を完全なものにし安定させ、そして鹿目まどかとしての心だけを護ることを選んだ。

「ならば、キミがそのことに疲れた時、暁美ほむらの人としてのこころが限界を迎えた時、キミを救う存在はあるのかい? 鹿目まどかはもうキミの正体を感知することも出来ないのに」
「そうね、その時は」
 この宇宙すべてを道連れに、もちろん魔法少女なんていう巫山戯た仕組みを生み出したインキュベーター諸共、すべて終わらせて無に帰ることになるんじゃないかしら。

 魔法少女という絶望のシステムそのものを消し去りインキュベーターすらこの宇宙の理から外したとしても、人が存在する限りそのこころには絶望が生まれ続ける。希望と同じ数だけ。
 人を消し去るつもりが、鹿目まどかも美樹さやかも巴マミも佐倉杏子も彼女らの友人知人家族親戚顔見知りからなにひとつ知らなくても同じ街に住む人々同じ国に住む人々同じ星に住む人々そして暁美ほむら自身、すべてを消し去るつもりが無いのだとしたら希望と絶望の根幹を断つつもりがないのならば、彼女が鹿目まどかを救うために打てる手段は概念と心の切り離し多分それだけだったのだろう。

 世界は、宇宙は、たったひとりの魔法少女に因って書き換えられ、たったひとりの「希望(ねがい)」と「絶望(おもい)」に因っていつか終焉をも迎えるのだ。


  銀は聖盾、清浄、無垢なるもの、転じて無知なるもの。君の銀の庭は、ひとりの少女の思い描いた尊く拙い愛の檻。
 黒くくすみ腐食してやがて崩壊するその時までは、世界は完璧に回り続けるだろう。





 前半の五人の変身シーンがひとりひとり曲を作ってあって動きがとても特徴的で、笑ってしまったけど泣きたくもなったなー
 さやかのあのクラウチングスタートから上半身が起き上がるまでの流れが何か息切れを起こしたようにも見えて。
 ほむらちゃんとマミさんの銃撃戦凄かったなーあれ!
 止まった時間の中でふたりだけで動き続けて銃線軌道を掻い潜り合って停止を解除した後に一発も掠りもしないあの演出……!
 マスケット銃の弾丸の繊細な華やかさと拳銃やライフル弾の無骨な直向きさの対比とか、こめかみに拳銃を突き付けた時のほむらちゃんの表情とかたまらん(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
 マミさんとお菓子の魔女がセットとかちょう俺得だったし「キュ?」しか喋らないキュゥべぇとかもう愛しすぎた……終盤の普通に喋りながらなんでもないことのように攻撃を躱し続ける動きの愛くるしさとか殺されても殺されても新しい個体がすぐに動きを引き継いで縦横無尽に駆け回るのとかすいません俺ホント、キュゥべぇ大好き……
 お菓子の魔女のあれは魔女化する前の姿なのかなーすごく……羽入……

 ラストのボロッボロになってるキュゥべぇと艶然と微笑むほむらちゃんの対比ありがとうございますありがとうございます!!!!

 はー面白かった絵とか演出とか曲とか一枚絵のイラストのように静止する決めゴマの扱い方とかもうホント大好き。