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良い女

雌の匂いを撒き散らすことを覚えたばかりの弱い個体は本能的に私を嫌悪する。その目に怯えを滲ませて、私を排除しようと躍起になっている。彼女たちは私を恐れている。雌としての能力が自分より高いことを悟り、滑稽なほどに慌てている。

そのことに、ようやく気がついた。学生時代、あんなに傷付く必要はなかったのだ。
どうしてみんなと仲良くやれないのか、いつもわからなかった。どうすれば彼女たちと楽しい時間を過ごせるのかわからなかった。
わかるはずがない。相手にとって私は敵でしかなかったのだから。自分たちの狩り場を漁りにきた優秀なハンター。もしくは強烈な雌。

今、私は彼女たちを哀れみの目で見る。圧倒的有利を手に入れて、私は彼女たちを優しく見つめる。微笑みさえ浮かべて。

私はまだまだ良い女になる。

残暑

気がつくと八月も過ぎ、なんだか知らない間に夏の終わりの声を聞く。ここ数日はしばらくぶりにひどく暑い。名残を惜しむようなその暑さが私を苛立たせることはない。もう、今は声を荒げることもないのだ。

そうは言っても、やはり今日のまとわりつくような暑さは格別で、部屋の中に居ても洋服一枚の布切れが堪え難く思える。月のものが始まるのかもしれない。前回分が飛んでいる。

暑くて、少し残虐な気持ちだ。私は自分の顔を褒めてくれた男たちを思い出す。それは私にとって最高の賛美。顔を上げると男と目が合う快感を知っている女だ。

もう九月が終わるような気がしている。時間の感覚があまりない。私は幸せなんだ。あのことを考えるとどうしても罪悪感を感じる。ごめんなさい、と何度口にすれば満足するんだろう。残酷な話だ。私には自分のどこがおかしいのかわからない。
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プロフィール
kさんのプロフィール
性 別 女性
系 統 アキバ系
血液型 O型