主査に連れられるがまま西船橋駅前の飲み屋へ入店する僕でありますが、定時ダッシュしただけあって相手はまだ到着していなかったようでした。


店内では主査と二人。
これは運命なのか、以前トイレで主査がぶちまけたお店にこうして再び席を同じくして居るという状況は、激しくカオスティックだったりします。


さて、黙って時を過ごすわけにもいかないのですかさず二人分のビールを注文して乾杯、適当な漬物をポリポリと食べながら主査のお話を聞くことにしました。


沢山資格を持っていて以前は空港内で働いていた事。
今の職場を辞めても引き取り手はあるだろうという話。
そんな主査の武勇伝を頷きながら30分ほど聞いていました。


僕は自分からガツガツ喋る人間では無いので、こうして相手から話題を提供してくれる人だと凄く話しやすいと感じます。ただ、この日にいらっしゃる方は奥手との事で、その辺は期待してはいけないんだなと感じていました。


時間が経てば経つほど緊張度は増していきます。その度に「グラスが空いていますね」と言いながらどさくさに紛れながらワインを注文して気持ちを落ち着かせていました。


そうしているうちに、相手の女性がお見えになったのです。


凄く小柄なその方は年上とは思わせない清楚な雰囲気を漂わせていました。