私には友達がいる
中学からの付き合いの
彼女はとても可愛らしく、社交的で友達だってかなり多かった。学校のいじられキャラ。いわゆる人気ものだ。
高級住宅街に住んでいて、なにもかもが満ち足りた生活を送っている、そう見えた。そんな彼女はみんなから【お嬢】そう呼ばれていた。
対照的に私は都会の学校へ出てきた、引っ込み思案で田舎者のただの冴えない中学生で。友達なんか全然できない、作り方なんてしらない、下ばかり向いていた。
私の目に彼女は
キラキラして見えた
全てが羨ましかった
彼女はなぜかそんな私に事あるごとによく話しかけてきた。とりとめのない話ではあったけれど。
腑におちない
そう私は思った
もしかしたらこれは自分を不憫に思っての行動で、同情心から話しかけてくれたのではないか、彼女からすれば自分はその大勢いる友達のうち底辺にすぎないとのではないか、しだいにそう思うようになった。
でも一緒に居てくれる、それだけで嬉しかった。同じ部活に入ろうと誘われたとき、断るなんて選択肢は私の中に無かったのかも知れない。
彼女の隣に居ると自然に友達も増えた。少しずつではあったけれど、自分のことが話せるくらいにはなっていた。
同じクラスになったのは一年生のときだけだったけれど、彼女は休み時間になるごとに私に会いに来てくれたし、部活が同じこともあってよく一緒に過ごした。これはどういうことだろうか。
ある日彼女は言った
【親友だよ】そう言った
そう言われたときの気持ちを私はよく覚えていない。何て答えたのかも思い出せない。でもきっと嬉しかったんだと思う。
私達の関係が明確になってからは今まで以上によく一緒に遊んだ。学校だけじゃなく何度2人きりで映画やカラオケに行ったかなんて、もう数えられないくらいに。
彼女は俗にいう
甘え上手の寂しがり屋だ
私に対してだっていつも甘ったるい声を出しながら腕にしがみついてきて、小さな背でその黒目がちな大きな瞳を潤ませながら相手の顔を上目使いで見上げる。
自分の最大の武器を誰よりも熟知している。そんなところは恐ろしいほど、したたかだとよく思った。
そんな彼女は当たり前だがよくモテた。私達の通うのは女子校だったため、近くの男子校の生徒とよく遊びに行っていたようだった。
言い寄ってくる男の話は何度となく聞いたが、彼女にその気はないらしく彼氏は作らなかった。
しかしそんな彼女の行動は耳の早い同級生には、とっくに知れ渡っていた。あんなに人気者だった彼女の状況が、高校に上がるころには変わってしまっていたのだ。
よく友達にいわれた
そんな自慢ばかり聞かされたり、ベタベタとくっつかれて、嫌になることはないのかと。
私は答える
【親友だから】と。
私達は進学した。通う大学は違う。しかしたまに彼女が電話をかけてきてくれるのでお互いの近況を話し合うくらいはできた。
話すネタのない私はなにかといつも聞き役で、彼女はサークルでできた気になる先輩の話をよくしてくれた。
蛍が舞う季節、彼女はその先輩と付き合うことになった。少し寂しかった。けれどわたしは心から祝福をした。
それから彼女からかかる電話の回数は減った。別にそのことは対して気にはならなかった。手を差しのべてもらったころの私とは違う。もうひとりでも大丈夫なのだから。
彼女がうまくやっているならそれでいいと思ったし、何より自分も大学や始めたバイトが忙しかったからだ。
ある日また頻繁に彼女から電話がかかってくるようになる。最近彼氏と上手くいっていないらしい。
他に気になる人がいるという話すら飛び出した。相変わらず彼女はサークルでもモテモテな様子で、言い寄ってくる後輩が大勢いるみたいだった。
満足に恋なんかしたこともないのを知っている人間に、そんなことを話して何になるのか。語られるのは恋の悩みという建前のただの自慢。そんな風に思えて、話を聞くうちに私の中によく分からない感情がふつふつ込み上げてきた。
あの高校時代、友達の同級生たちが私に言った言葉がよみがえる。
嫌に、なった。
それから私は
電話をとるのをやめた
彼氏と別れてもいいと思った。どうせモテる彼女のことだから、すぐに新しいのができるに決まっているのだから。
だだの、やっかみ
そんなことは自分でも嫌ってほどに分かっている。自分が卑屈なことも、醜い感情だってことも全部。でも今はそんな話さえ聞きたくなかった。
クリスマスの朝
久々に彼女から電話が鳴る
【別れた】簡潔に
ただ、そう伝えられた
しかしそれだけでない。そのあと語られたのは、予想だにしなかったことだったのだ。
寂しさのあまり、間違いを犯したのだと彼女はいう。次元の違いすぎる話に私は言葉も出ない。
怒り、虚無感
そんな感情が突然に私を襲い、ガラにもなく朝から電話ごしに怒鳴り付けた。きつい言葉を言い放ち叱った。対等な関係として。親友として。
こんなことで逆ギレして怒ってしまうような親友ならもう要らない。嫌われたって構わない。汚い言葉でこれでもかと啖呵を切る。
電話ごしに泣く彼女
泣いてないって言ってるけど、隠したって無駄だ。私にはわかる。
誰からも愛されていた、あのころの彼女はどこへ行ってしまったのか。どうして変わってしまったのか。もっと自分を大事にしてほしかったのに。悲しいのか、腹立たしいのかももう分からない。
怒りが鎮まって気がつく。彼女が寂しく思い助けを求めているとき
私は何をしていた?
分かってたはずだった。彼女が誰より寂しがり屋で、誰かが隣に居なければ立っていられないと言うこと。
分かっていたはずだった。あのとき彼女が私を選んだのは、自分に依存してくれる存在が欲しかっただけなんだと。
彼女は変わった
私の気づかないうちに
彼女は変わってしまった
私が拒絶する間に
私には親友がいる
とても寂しがり屋の親友
私には親友がいる
明るく社交的な親友
私には親友がいる
変わってしまった親友
こんなクリスマスは
どうすればいい?
いつもにも増してやさぐれてます…何故なら、朝から友達がいろいろどうしようもなくて苛々したからです。
メリークリスマス!!
みなさん如何お過ごしですか?
みんながmixiで雪降ってる!!ホワイトクリスマスだ素敵!!とか呟いてたけど、ただ寒いだけの楽しくもないクリスマスだよ?
卑屈女とはわたしのこと
こんにちはあっきーです。
だって今日もバイトだし。
昨日ほどは忙しくないにしても、死ぬほどお客さん来るもの。マネージャーは懐ほっこりするけど、あっきー時給変わんないから。手当とか出ないから。ずっと750円だから。←
こんなんでクリスマスなんか楽しいわけないじゃないですか。晩ごはんが豪華だから気持ちちょっとテンション上がるくらいのもんですからね。
朝はイラッイラして仕方なかったけど、今は割と冷静に物事をみれるようになってきました。ちょっと落ち着いたみたい。
あっきーが悪いのかな
しかし一緒にいるわけじゃないんだから、いっつも支えてあげるなんてことできるわけないし。
あの子には宇宙くらいの包容力のある大人な男の人しか手におえないんじゃないだろうかと思えてきた。
友達も変わってしまう。
そして自分自身も。
クリスマスって楽しい?