幼なじみの山本彩は、この学校で1番モテる。
家も近所だから彩が部活ない日は一緒に登下校する。
だけど最近、一緒に帰れない日が増えた。
それだけやのに。
一人で帰る30分は、さやかと帰る30分よりほんまに長く感じた。
「さやか、うちのこと嫌いになったんかな...」
もやもやするこの気持ちはなんだろう?



sayaka_side
最近山田と帰れてへん。
隣のクラスの渡辺ってやつが一緒にかえろって話しかけてくんねん。
ほんまは知らんやつやし山田と帰りたかってんけど、ここで断って気まずくなるのも嫌やから断れへんかってん。
山田怒ってるかな...


nana_side

その日もさやかに断られて1人で帰ってた。
そしたら見ちゃってん。
さやかと隣のクラスの渡辺さんが一緒に帰ってるのを。
付き合ってるんかな.....
はぁ。2人が帰ってるだけやのにすごいもやもやすんねん....なんやねんほんま...あーもう!!!


sayaka_side

渡辺と帰ってたら、山田が1人で歩いてた。
うちと渡辺が歩いてるん見て走ってどっか行きよった...
「なにしてんねん....」
「さやかちゃんどうしたん?」
山田、待っててや..
「急用思い出してん。ごめん、今日はもう帰るな?」
「うん!ばいばい、さやかちゃん!」

nana_side
やっぱりあの2人は付き合ってるんかな
なんでやろ、なんか泣けてきた
「うちもう1人なんかな....」
「山田!!」
....幻聴まで聞こえるようになったんか、うち...
「山田!!!」
....「へ?」
「山田、ごめんな、1人で帰らせて」
「あー...ええよ...渡辺さんと付き合ってるんやろ?彼女置いてきたらあかんやん」
「付き合ってないで」
「うそ...」
「うちが好きなのは....山田だけ....やで」
「わたし......?」
「ほんまは渡辺となんかじゃなくて、山田と帰りたかってん、けど渡辺に誘われて断れへんかってん。」
「私さやかと幼なじみやんか。生きも帰りも一緒に帰ってるやん、やけど1人で帰るようになってからさみしいねん...」
「これからは毎日一緒やで」
「ううっ..」
「泣くなや」
「だって...嬉しいねんもん....」
「山田、私と付き合ってくれますか?」
「もちろん....ですっ.....グスッ」
「あーもう...」
「さやかのばかっ....」
幼なじみやからずっと一緒に居れると思ってたけど、これからは恋人としてずっと一緒に居らせてもらうで、さやか