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あの頃君と出会って

数年前

僕の愛する子が 逝ってしまった


17才だった


何冊も 何冊も雑誌を読んで

たくさん悩んで
勉強して

ホントに育てていけるのか
とても不安だった



ブリーダーさんに電話をかけると

「見にくるだけでもどうぞ」

って


その言葉に甘えて 出かけて行った




昼過ぎに着いたブリーダーさんの家で会った 6匹の子猫の中に


あなたがいた


元気いっぱいの子
イタズラ好きの子
おしゃまな子

「みんな それぞれ性格が違うんですよ」

そう言って紹介されたあなたは

人見知り


床に座って

1時間以上も楽しく猫の話をしながら

入れ替わり立ち替わりやって来る子猫や親猫と接してるうちに

もう すっかり譲ってもらう気になってた



この子は?
あの子は?



ハンサムさんや
美人さんはもう 里親が決まっていた




どうしよう


もう 気持ちは決まっているのに…




「その子ならまだ決まって無いですよ」

そう言って
ブリーダーさんが指指したのは



僕の膝の上だった



そういえば

だいぶ前から 僕の膝の上で すやすや寝てる子が居る

起こさないように
気をつけてたっけ


人見知りのあなたが
僕の膝の上

とても気持ち良さそうに


寝ている





「この子にします」

迷いは無かった





帰り道で見た
夕焼けは

とってもキレイで

僕たちの出逢いを祝福してくれているみたいだった



ブリーダーさんが彼につけていた名前は



夕焼け空にちなんだ名前







「名前 変えても良いんですよ」

って言われてたけど
そんな気はまったく無かった


いつもは
ぜんぜん神様とか信じないけど

運命とか

縁とか


そんなものを感じた


きっと あなたとは巡り逢うことに なってたんだ


話題:猫

気ままな朝帰り

別居して 独り暮らしになると
古い友人と会う機会が増えた

「暇だろ〜 色々話きかせろよ」

Hirから電話が来た

「お盆に 姉貴が帰って来るから 集まろうぜ」



正直 別居やら何やらと 話をするのが面倒くさいくて
パスしようと思っていたのだけど

『姉貴に会える』

この魅力に僕は負けた



結婚して名古屋に行ったきりの姉貴とは
姉貴の結婚直前に会って以来


その後 離婚したらしいって事以外 僕は姉貴の近況を何も知らなかった





都内で
Hirや姉貴を含めて5人で会った


久しぶりに会った姉貴は
昔のまま 綺麗だった

再婚して 仕事も順調
自信に溢れて輝いていた



学生時代からの友人が集まっての飲み会なんて 話題は決まってる

まずは 近況報告

そして僕の事実上の離婚話
Hirの結婚出来ない理由探し

仕事やら 遊びやら…
気づけば 昔の思い出話



店が閉まると
独り暮らしの友人宅に みんなでお邪魔してそのまま雑魚寝した




翌朝

それぞれに解散すると
予定の無い僕と姉貴だけが残った


「何時頃帰るの?」

今日名古屋に帰ると言っていた 姉貴に聞くと

「今日中(笑)
あんたは?仕事は?」

「あのメンバーじゃ朝までだと思って 休みにした」

「じゃぁ どっか行こっか」


特に企画も無い


あれこれ模索して
結局 懐かしい記憶をたどって
学校に行ってみた

正門や校舎は昔のまま
姉貴と初めて会った 園芸地では あの日なぜ僕とHirが『付き合って下さいじゃなくて お姉さんになって』だったのか

なんて 懐かしい話を暫くして笑った





夕方
名古屋に帰る姉貴を


新宿まで送って行くつもりだったけど

姉貴が淋しそうな顔をするので
つい東京駅まで行き

新幹線が発車するまで 見送った

願いは叶う?

お互いの淋しさから 始まった付き合いも

1年を過ぎようとした頃に
親の薦めで Satさんに見合い話が持ち上がった


まだ 結婚なんてする気の無かった僕は

「見合いかぁ 行ってみたら


行って嫌なら断れば良いじゃん

そうすれば 親の顔もたつしさ」

と 呑気に言っていた


どこかで Satさんには 僕は相応しく無いと思っていたからだ



それでも 彼女から出た言葉は

「やっぱり嫌だ
向こうは真剣に考えてるみたいだし」

彼女は困っていた

「なら 最初から『見合いはしない』って 断れば良いじゃん」

僕の反応は 多分 彼女には冷たく感じただろう

「親は私に早く結婚して欲しいみたいで 断るには 何か大義名分がいるし…」



結局 彼女の態度に僕が根負けした


後日 Satさんとお付き合いさせてもらってますと
Satさんのご両親に挨拶をする事になった



まぁ 挨拶だけだから

かなり 軽く考えていたが 周りの友達から
「お見合い中止させて 親に挨拶して…
それって事実上 婚約だよな?」

と言われると


僕も次第にその気になっていった

まぁ いずれは誰かと結婚はする訳だし
Satさんなら 嫌じゃない

なんとなく想い描いていた 結婚へのアプローチじゃないけど


ま いっか






そして
そんな 気分のまま

話と時間が過ぎて行った




気づけば 一緒に住み
結婚式をあげ


子供が産まれ
堕胎があり
子供が産まれ


浮気を疑われ
家庭内別居になり


離婚して欲しいと言われ



関係回復を試み





完全別居をし


離婚した





やってもいない 浮気を疑われ
意味なく責められて

僕は本気で

「浮気しとけば良かった」
と思い



完全別居中に

僕が憧れていた 結婚とそれにまつわる事柄で


バツイチに憧れていた事を思い出し





離婚届を Satさんに委ねた

「おはよう」の代わりにキスをする


朝 僕が起きてリビングに行くと

先に起きていた妻が
やたらと神妙な顔をしている



何か具合でも悪いねではないかと心配して尋ねると




「ゆうちゃん 浮気した」


と言われた




瞬間

鼓動が早くなる
自分で判る程 瞳孔が開く



寝ている間に 携帯を見たのか?

それとも…




頭の中は フル回転





先日 内緒で行った病院の領収書を見つかってしまった時以上に 動揺している


見つかった領収書

これは後天性無精子症の手術費用


「内緒」にした所為で
浮気を疑われかねない

保険適用外の検査費用だと 嘘をついた





さて 何にしても
事が浮気だけに この後は修羅場だ


朝から 気が滅入る



「なんで どうしてそんな事…」

暗い顔の妻に聞くと

「だって ゆうちゃん
『もう 嫌だ』って言って 女の人とどっか行ったもん」


確かに 色々嫌だと思っている事はある

そして 昨日はNorと逢っていた



これはほぼ間違いなく
携帯を見たな


でも 履歴やメールは削除してる…



何にしても
もうこれは 言い逃れ出来ないな



そう思った時

妻が話はじめた

「まだ ゆうちゃんが起きて来るには早いから ソファーで少し寝たのね

そしたら ゆうちゃんが女の人とどっか行こうとしてるから 止めようとしたら
『もう嫌だ 浮気する』って言って どっか行っちゃった」




そう 妻は夢を見たらしい




僕が大好きで
時々 そんな不安でいっぱいになってしまう彼女

とても切なそうな彼女を
思い切り抱きしめて


「どこにも行かないよ
浮気なんてしない


大好きだよ」

とキスをした


妻の腕が
ギュッと 僕を抱きしめて
お互いに 笑顔でキスを繰り返した

想い

久しぶりに会ったMikは 元気が無かった



そして 静かに時間だけが流れていった






「何か在ったんだよな?
ちゃんと話してくれなきゃ 何もしてやれないよ」

ジレた僕が Mikを責める






「あの日 学校の友達所に行ってた」

意を決して Mikが重い口を開く


「学校終わって その後みんなで遊びに行って
帰りに彼を車で送った時に 家に上がって そのまま泊まった」


名前の挙がった彼は スクーリングが始まった時から よく名前を聞き
一番の仲良しだと 話していた



彼の名前が出る度に
僕は心配していたが 忙しさを理由に何もして来なかった



Mikの淋しさや 苦悩

そしてすぐ傍で優しくMikに接する彼


結果は判り切っていた




「彼はちゃんと Mikの事大事にしてくれるのか?」

僕がMikにしてやれてない事だ

「うん」

Mikは小さく頷く

「そっか




Mikありがと

淋しい想いをさせてゴメンな」




そうして Mikと僕は別れた


別れても 友達に戻れると思っていたけど

Mikはもう僕を頼る事もなく
時々 時間があるとお茶をした程度だった





それからしばらくして Mikが結婚したと聞いた

相手はまた 別の人だった



そして更に数年後

仕事帰りに熱海で新幹線を待って居ると
偶然 Mikと旦那さんに会った


以前と変わらず 記憶の中のMikのままだったのが 嬉しかった




Mikが出産した頃

僕は結婚して



Mikが引越をしたのを最後に 音信不通になってしまった









僕は間違いなく


Mikの事がやっぱり 好きだ




今でも
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