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RIDE ON TIME


10年ぶりのサーキット
心配した天気も これでもかって位に晴れて 最高の走行会日和になった



僕が初めてサーキットを走ったのも 今回と同じサーキット

初めてのバイクを手に入れてから 3週間後の事だった



練習と称して 毎日帰宅後に 最低30キロ街乗りをして挑んだサーキットは あまりにも広く快適で安全

対向車や歩行者 不意の飛び出し一切なし
車も含めて それまで走りに来なかった事を後悔し
それからしばらくは サーキット走行に目覚めた

走行会や模擬レースの話を聞きつけては 参加した



一番印象に残って居るのは 富士だ
これは車だったのだが 改修後の富士スピードウェイを走り あのホームストレートに感動した



それほど僕はサーキットに惚れ込んだ


とは言え そんなに通える程 現実は甘くなかった

ライセンスを取得して 一年かけて練習したら 来年はサーキット主催の草レースに出るぞ
と決めた矢先 奥多摩帰りにバイクを全損させた

次のバイクを買う目処がたたないまま 気付けば 仕事ばかりしていた


そして 10年が経った


やっと この場所に帰って来た




なんて感傷に浸る暇は無い

受付時間に遅れ
始まっていたライダースミーティングに滑り込み
トランポからバイクを下ろした途端に 僕の走る走行枠のコースインのアナウンスがされた


前日までに バイクは走行会仕様にしてあったので問題ない
とりあえずエンジンを掛けて 暖機をする

1本目は先導付の慣熟走行
隊列が整うのに多少時間がかかると予想し 急いでライディングギアを身に着ける


一度試しに家で着てみていたので スーツは驚く程すんなり着れた

ブーツを履き
メットの顎ひもを締める頃 隊列が動き出したのが見えた


マズい…


すぐにグローブをはめ ゼッケンを着けるとバイクに飛び乗った


ふぅ

なんとか隊列の最後尾に着けた




コースインすると もう楽しくて仕方なかった


もっと ドキドキするかと思ったのだけど
直前のドタバタの所為が 全く緊張しない


先導車は遥か前方

サーキット走行にしてはゆったりのペースだが 隊列が伸びてライン取りは参考にならない


昔の記憶を頼りに ラインを決めた




1本目があっという間に終了

コーナーでのふらふら感が気になって 出展していたミシュランの方にエア圧を相談した
リアの圧力が高いと言われ
下げると 2本目はピタリと安定した



2本目からはフリー走行

自分とペースの似ている人に付いて行くいつものスタイルだが ここはサーキット


抜けると思えば 積極的にいく


コーナーで抜いた相手に 直線であっさり抜き返され…

そんなのも含めて 楽しい



正直 何周したかは分からない


3本目も 終わり
心地よい疲れが 僕を支配する

バイクも悲鳴を上げている
ストレートを全開加速する時に 少しクラッチが滑った感触があった



さて 後1本
僕の体力か クラッチ…
はたまた タイヤが終わるか



水分補給して 行ってきます

UNDO

走行会の申込みを躊躇っていると Kumが僕にこう言った

「キャンセルの時はお金取られるの?」

「8日前までならキャンセル料無しだよ」

「じゃとりあえず申込みしなよ」



キャンセルを前提とした申込みをするのは嫌いだ


たぶん そんな僕の事を見越したKumは

申込みしたら よほどの事じゃないとキャンセルしない

そう思ったのだろう



その夜 僕は走行会の申込みを完了した



いざ申込みを済ませると 僕はもう完全に頭の中が走行会モードになった

バイクの準備は特に無い

先日オイル交換をしたし
ブレーキも問題なし
タイヤはたぶん この走行会で終わる


本人の体力は心配だが まぁ気合いでなんとか



メットは普段のを使うとして
その他のライディングギア…

そう グローブにブーツ スーツの準備をしなければならない



クローゼットの奥からスーツを引っ張り出す


ぐへっ と思う程重い


こんなに重かったっけか
約10年ぶりに手に取った最初の感想



いやいや それよりこれ
着れるのか?
多少スレや痛みはあるものの スーツ自体は問題なし


もしスーツが着れなかった時は
急いで買うか レンタルする事になる


僕自身も この10年 あまり体重変化が無いから 何とかなるはず



恐る恐る 片足を突っ込む


ライディング用のスーツ
いわゆる革つなぎは 転倒の時の安全性を考慮して かなりタイトな作りになっている
しかも バイクに乗って居る時に適した形に立体裁断されているので
スルスルとズボンを履いたり ジャケットを羽織る様にはいかない


ぐいぐいと引っ張って 膝の位置を合わせ もう片方の足を通そうとしたら 足が上がらない

仕方なく やっと履いた片方を またズリ下ろし
両足いっぺんに突っ込んで ヨタヨタとよろけながら 壁にもたれ スーツを腰まで上げた


次は腕だな


方袖に腕を通して 反対も通そうとしたが 足の時と同じで 通らない


年齢に伴って 身体が硬くなった


仕方ない

これも両袖同時に通す事にした が
重く堅いスーツに なかなか肩が収まらない

しばらくジタバタしてやっと肩がスーツに納まると じっとり汗をかいていた


よし じゃチャックを閉めるぞ


体の正面 股間付近にある
YKKの文字の刻まれた 少しゴツいタブをつまみ一気に引き上げる


ぐぐっ…


一瞬 腹の辺りでつかえたが 何とか閉まった


走行会までもう時間が無い

腹筋をして 腹を引っ込めなきゃ
でも装備が問題なくて良かった





それからまた ジタバタ ヨロヨロ とスーツを脱ぐのに四苦八苦したていると

その物音で起きてきたKumが


「へぇ 着れたんだ
凄いじゃん」

と 少し棒読みで言った

So Young

今月
ある雑誌社主催でバイクの走行会がある


平日開催
僕の仕事が休みになりやすい曜日だ

しかも開催日まで もうあまり期間が無いのだが
定員割れしているのだろう 参加者募集中


これはチャンス


「ねぇKum 行きたい」

「いいんじゃない」

「うん…
まぁ もうちょっと悩む」

「好きになさい(笑)」



最後にサーキット走行をしてから もう10年


正直 体力が心配だ

今の感じだと 走行会の前後日共 仕事になりそうだ


それに 今年はまだ走りに行ってない
バイクを振り回す感覚を取り戻さないと

よし とりあえず走りに行こう




そんな理由で奥多摩へ行った

身体を慣らす目的で あまりムキにならず 桜を眺めながら のんびり

数馬辺りまでは 道も綺麗だったが
その先は 路肩がかなりダスティだ


奥多摩周遊は まだ路外に雪がある

そういえば つい先日まで2月の雪の影響で通行止めだったのだ



都民の森をスルーして
そのまま浅間尾根の駐車場まで足を延ばす

通称「小僧区間」浅間尾根駐車場と都民の森臨時駐車場 それぞれの間 片道約750メートルには 6,7個のコーナーと ほんの短いストレートが1つある
高低差があり 都民側からはずっと登り 当たり前だが 尾根側からはずっと下りになる


そういえば

下のUターン場所を 通称「便所コーナー」の駐車場にする人が居る
この場所 対向車にとってはブラインドの登りで 立ち上がりでラインが交錯する

ここでUターンするのは止めた方が良いと 僕は思う



閑話休題



小僧区間を登っていると ホンダのSS系とすれ違った

元気いいな

そう思って 尾根から下っていくと またすれ違った

これは走ってるな


近年 小僧を走る人をあまり見ない
まぁ 僕が平日にしか行かない所為かも知れないが

ちょっと嬉しくなった


数往復する内に トラフィックに捕まったホンダに追いついた

駐車場でターンすると 勢いよくホンダがスタート
追って僕も走る

じりじり離されては Uターンの駐車場で追い付くの繰り返し
道のりが短いおかげで 上手い人のライディングをじっくりと見れる


めちゃめちゃ楽しい


ふと気付けば ヤマハのSS系も加わって3台で連む

1往復は耐えたが ヤマハは明らか速い
先に行ってもらい 後ろから2台の観察…

いやはや ホンダもペースを上げると もう僕には追い付けない
ムキになって追えば ラインが乱れて 余計に離され
意地のワイドオープンでついに 車体がズッと流れた


うん ムリ


ヨタヨタと尾根の駐車場に着くと
ホンダは バイクを止め休憩するようだ
ヤマハが尾根から下って行く

僕はペースを落として リスタート


その後ヤマハにはもう会わなかった



ほんの10分程度だったけれど
連んで走る楽しさを 思い出せた






そして

家に帰ると 走行会の宣誓書をプリントアウトしてサインをした

よし 後はWebサイトで申し込みするだけだ



申し込み…

どうしよ



あんなちょっとだけ走っただけなのに

両ももが筋肉痛になった

歳だなぁ

街の灯



話題:最近観た映画

実は今までに チャップリンの映画をちゃんと観た事が無い

まぁ チャップリンだけでなく
いわゆる名画と言われる類をそんなに観ていないのだが


チャップリンというと ドタバタ喜劇のイメージがあり
それが敬遠している原因だった



ただただドタバタだけの物は 嫌いだ
若い時は まぁ観た事もあったけれど やっぱり好きじゃ無かった



それがちょうど 観たい番組が無く 時間潰しにと見始めたのが「街の灯」だった


冒頭の10分ほどは見逃した


まぁ ドタバタと これでもかと笑いを追求する感じが 若手の芸人に通じる



寸評するならば

大筋のあるドラマを ドタバタコントで繋いで一作品にした映画だ


一回で弱い笑いは 繰り返す事でより滑稽さを出して 笑いに繋げる

今も テレビを点ければ
どのチャンネルのバラエティーでも行われている「笑いをとる」王道


喜劇とは かくも不変で普遍なのか
はたまた 新しい物が無いのか


なんにしても
1930年代の手法が今もまだ 変わらない事に驚く

実際には もっと昔から 変わっていないのだろうが



それにしても

そんなドタバタコントを吹き飛ばす ストーリーの良さが際立つ


ただそんなストーリーも 普通にストーリー映画にしたらきっと詰まらないだろう



コントとストーリー
このバランスが 観る側に笑いとハラハラドキドキを与えて
遂には 人生の機微にまで触れさせる



あぁ もっと早くに観ておけば良かった

そんな作品だった

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