スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

やさしい気持ち

「ランチをしよう」と 駅で待ち合わせをして娘とデートをした


「久しぶり」

そう言われて振り返ると
黒のライダース プリントTシャツに黒のデニムと モノトーンにまとめた美しい娘が 目の前に居た

ブルーのフレームの眼鏡が 良いアクセントになっている

「あれ?眼鏡…」

そういう僕に
へへへっと可愛く笑った

くそぅ 文句の付けようが無い
既にデレデレ親父の出来上がりだ


今日は口数を減らして 渋みを効かせようと思っていたのに

ぐずぐずだ


「お腹の空き具合は?
それ次第で候補を3つ用意したよ」

「それなり 減ってる」

「よし じゃ一番近い所にしよう
約束のバイキングじゃないけどね」

そう言って 車で15分ほどの オープンモールへ向かった



「ここ 来た事ある?」

「無いかも」

「そっか 良かった
って僕も5年振りかな」

そんな事で 案内板を頼りに店を決めた


想像していた量より 少な目だったが 美味しかった
お腹いっぱいになったのかな?

次は 遠慮なく食べてもらえる様に バイキングにしよう


話はつらつらと 近況報告やら 旦那の話

「この前 Kumと喧嘩したんだよ
結構な大ゲンカ」

そんな話をしたら 少し驚いた顔をしていた



幾つになっても ケンカは起こる
所詮は他人同士だから 折り合いがつかない事や 不満が蓄積される
ただの他人ならスルー出来る事が見過ごせない
されど 縁あって一緒に居る他人
四苦八苦しながらも なんとか やるしか無い

なんて 説教じみた事は言えなかった



だってそれが正しいかなんて 僕には判らないのだから



ただ 旦那と少しギクシャクしている娘の気持ちが 楽になってくれたらなぁ と思う


ランチの後のコーヒーも終わり 夕暮れ迫る頃

「そろそろ行こっか」

とモールを後にした



「近所まで送るよ」

と 車を出すと

「ゆうさんって 絶対娘に甘いよね」

と言われた



自慢じゃ無いけど
娘が居たら あれこれ服を買ったり お小遣い上げたり
母親に「甘やかすな」と言われても
「ママには内緒だぞ」と 甘やかすだろう

そして娘が

「今度の休み 会って欲しい人が居るんだけど」

なんて言われたら

「あー その日はツーリングだ」

とか言って逃げるだろう


更に 例えどしゃ降りの大雨でも

「ツーリングに行く」
って 困らせ


やっと会っても

「娘さんを下さい」
なんて言われたら

「ダメだ」って言う


大体 娘と言えども僕の所有物じゃない
どんなに彼女を想い どんな決意で一緒になりたいのか
そんな話をして欲しい


そして僕は

「君ならきっと 娘を幸せにする努力をしてくれるだろう
よろしく頼む」

って言いたい




言いたいんだけど…


その機会は う〜む






娘のアパート近くのスーパーで
車を止めようとバックしていると

「やっぱり上手いな」

と娘が小さく言った


聞こえないフリをしたけれど
内心 ガッツポーズ


嬉しかった




スーパーでさよならをしたけれど
既に暗くなった時間だし もう少し家の近くまで送れば良かったと
帰りの車で気付いた



時既に遅し



後で 無事に帰り着いたとメールを見て
安心した

1992 Mar 21



すべてを解き放て
パンドラの箱を開けて
すべてを解き放て
パンドラの箱を開けて
憎しみも  嫌悪も  罪悪も
SEXも  フェミニズムも  ナルシズムも
今  ここに  解き放たれん
パンドラの箱
そして   そこに
希望を見出す

                              1992 Mar 21


話題:散文

 

1992 Mar 31

まんじりともしない夜を数え
まんじりともしない昼を過ごし
まんじりともしない朝を迎え

                何を数え
                何時も過ごし
                何処に向かう

    僕らの砂の船は
    大海に漕ぎ出された



とめどもなく感覚を憶え
とめどもなく感情を抱き
とめどもなく感激を想う

                彼を憶え
                彼女を抱き
                誰を想う

    僕らの鉄の船は
    河の中で座礁している

                 1992 Mar 31


 話題:散文

きみがぼくを見つけた日


話題:最近観た映画

原題:「The Time Traveler's Wife」


原作は2006年にアメリカで大ベストセラーになった作品で
ググれば沢山の関連情報が手に入る



見所は
時間旅行する主人公が 何をするとか どうしたこうしたといった事では無い

実際 そんな場面はあまり描かれていない


では何か


それは 邦題よりも原題の方が より端的に表現している

時空間を彷徨う男を 一つの時間軸の中で待ち続ける女性がもう一人の主人公だ




この作品 いわゆるSF的解釈や科学的考察が好きな人には向かない


突然変異の力が遺伝したり
しかも遺伝率が100%

何時何処に飛ぶかも解らないのに 大事な時は乗り切ったり

世界観が小さめで ご都合主義な場面も多い


以前ある漫画家が 読者に
「あなたのストーリーはご都合主義だ」
と指摘され

「ご都合主義じゃないフィクションがあったら教えてくれ」
とレスポンスしていた


正にその通りだと思う


多少ご都合主義が気になっても それを上回るストーリー展開で 観る側を飽きさせなければ良いのだ




この映画で語られる「待つ」心情は
これからの時代 女性だけの物では無いと 僕は思う


そして 不条理にも必ずやって来る「運命」を ただ待ってやり過ごすのか
それとも 積極的に対応して行くのか


どちらも苦しく また幸せは儚いと感じさせられた作品だった



救いは この主人公の女性には
失っても尚 儚いが希望がある所だろう

地下鉄(メトロ)に乗って



話題:最近観た映画


浅田次郎原作の同名小説を映画化したものらしい


丁度TVを点けたら やっていた

題名は以前から知っていて 観たいようなどうでもよいような・・・
そんな程度だった

とは言え 始まって15分位の地点だったことと
他に観たい番組も無いので そもまま一気に観てしまった




んー そうそう なるほど

この手の昭和回顧録的映画が流行した時期があったなぁ


とちょっとググってみた

「ALWAYS三丁目の夕日」がこの映画の前年公開

その事を考えると 正に流行の真っただ中に公開された作品 だと言うことになる


だが

原作がしっかりしている点と
流行に乗って 昭和回顧録を前面に押し出そうとしなかった制作側の頑張りで
今となってはやりつくされた感のある設定も
古さを感じなかった

また タイムスリップ物にありがちなSF的発想を排しているのも良かった

タイムパラドックスがどうとか 時間軸の自然修正力とか
そんな事はどうでもよい



全くこの物語には そぐわない
そこは所詮 添え物
物語の主眼は そこでは無い





この作品

今の僕には
親視点からの子供に対する想いや 普段口にする事のない愛情を
解りやすく体現している
と感じた


ただ 少し残念なのは
その想いが 少々押しつけがましい所だろう


これは 浅田氏の原作がそうなのか
それとも映画版の演出なのかは
原作を読んでいないので判らない

機会があったら 読んでみたい



たぶん この親が子供に対して抱く想いは
自分が子供の内は 理解できなかっただろう



見どころは そこだけでは無い

そこだけでは無いのだが
どうしても
理解してもらえない親の「切ない叫び」が僕の一番印象に残ったところだ


ただ この親の想いは
子供になんて 理解されなくて良いのだ

理解して欲しいと望むのは 親のエゴだ


他にも 観る人の立場や状況
そしてどの登場人物に共感するのか
そういった事で印象が大きく変化する映画だろう

観る度に 着地点が変わる

そんな映画だと思う
前の記事へ 次の記事へ