ＸＸＸ

浩と距離置いた

また歩み寄るのかな
僕はそんなこと
ないのだろうなと思う


ああ 痩せよ

また浩に当たってしまった
もう嫌だ
兄さんの言ってくれた言葉を
何度も反芻してみるけど
全然だめで


さっき気がついた
どうして僕が
ワガママを押しつけるのか

それは甘えられないから
子供がぐずるのと一緒で
なんて精神年齢が低いのかと
自己嫌悪に陥った


満たされないから
満たしてとぐずる

例えば飴玉をもらえない
子供みたいなもので
はっきりいわないけれど
分かってとぐずって

言葉にしないのは
それが正当でないと
知っているから
でも満たされたくて
ぐずってみせる

仕方ないな、と
大人が微笑んでくれることを
期待して

自分は本当に愚かで
浅はかだ

分かっているのに
正せないのがつらい

素直になって
甘えられれば
八つ当たりしなくて済むのに

嗚呼

本当はこんなこと
したくないんだ

本当に

兄さんに電話した
病んで病んで
いろんな人に
あたり散らして
結局頼るのは
いつも兄さん


兄さんが電話にでて
「どうしてそんなに
しょぼんしてんの？」
って言われて
病んでて、Ｍさんとかに
あたってしまって
ワガママばかり目立って
自分が嫌なんだ、と言ったら
兄さんは

だれしも
あたりあたられはあるし
お前は自分が思ってるより
全然ワガママじゃないよ、
お前は良い子に育てられてるからな、
良い子すぎに育てられてるからな
大丈夫だよ

って言ってくれた
すごくうれしかった
どうして兄さんは
誰にも埋められないのを
埋めてくれるんだろう
たった五分の電話
それだけで

良い子で居ようとしなくても
兄さんの前だと
自然に　素直に
ありのままで居られて
兄さんの前では
自分の嫌なところが
全部消えてしまって
ただ　ありのままで
受け入れてもらえて

これが幸せなのかな


今までずっと
もっと素直になれって
言われ続けた
でもそんなの無理で
結局みんな
つくろった僕を愛してて
都合良いように
つくろわなければ
そうするように強要した

親でさえも　そう

ありのままの自分なんて
受け入れてもらえないから
打算を覚えていく

でも兄さんは違って
愛されたくてした
馬鹿な計算も
微笑んでくれて
認めてくれて
ただ自然にそうやって
愛されたい振る舞いを
気づいたらしてる
計算なんかじゃなくて
自然にしてて
それを兄さんは笑ってくれて
幸せで


あーあ

そんな人と
これから出会えるのかな

悲しい

馬鹿みたいに
寂しい
落ち着かない
誰かに触れていたい

誰かに興味を
示されたい

未熟すぎる

最近
子供がえりしてる
驚くほど
子供じみて
ワガママが目立つ

Ｍさんや
申ちゃんに
ぶつけてる

どうしよう
こんなんじゃ
愛されないよ
誰にも

なんでこんなに
寂しいの

誰か助けて

Ｍさんと
ご飯に行ってきた
超レトロなところで
久々に酔った

ひとしきり食べてから
久々にホテルに行く
しばらく会ってなかったから
お互い求めてる

二回したけど
やっぱり良い
僕はＭさんの
カタチになっている

Ｍさん
Ｍさん

でも
Ｍさんは
今日言ってた
十代の一番
楽しい時期に
付き合わせて
良いのかと思うと

なら 最初から
そんなの

今日 聞いた
いつか誰かに会って
別れてしまうのが
平気なのか
寂しくないのか
嫌じゃないのか
だからそうやって
一 大人の意見ばかり
言うのかと







浩と毎日
一緒にいるのに
性的スキンシップが
つらい

拒否してしまう

僕からしたら
珍しいことで
相当なことだと思う

申し訳ないと思う
でも 嫌なんだ

Ｍさんとするとき
兄さんとするとき
浩を思うと悲しい



Ｍさんの
そばに居たい

どうして僕が
求めるもののそばには
何か隔たりが
あるのだろう

隔たりを
愛しているのだろうか