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腐女子向けブログ。日常からちょっとしたtextまで。 うっかり間違えてきちゃったよ、って方はブラウザバック!スマホとパソコンのみで動作確認しています。 ガラケーで見ておかしな処があれば、ご報告お願いします。誤字脱字報告歓迎。
元気だよ!もう完治したんだけど、暇すぎるんよ…!ってな訳で記憶喪失ディーノさんと拾ったロマーリオのお話。大分ブランクがあります…!
パチパチ感謝です!連載してる途中ですが、嬉しいです!まだまだ文才というものがありませんが、皆様の萌えセンサーに少しでも触れていたら、幸いです!連載物だよ〜!
拾われたディーノさんとロマーリオの話!連載です!
【ばか、そんなんじゃねえよ】
俺とディーノの話になる。
それは出会った頃の話だ。
憂鬱な雲が、雨を降らせる。
十一月の冬の足音が、聞こえてきた。
金曜日の夜、俺は仕事を終え、帰宅する。
独り身で、仕事一筋に生きてきた俺に、周囲にお見合いを進められたものの、どれも上手くいかなかった。
理想が高いとか、そんなんじゃなく。
折りたたみ傘を常備しといて、良かった。
で、しょうがなく、悪戯な雨雲に顰めっ面しては、マンションに帰る。
不機嫌な風が、折り畳み傘の骨を折る。
仕方なく、マンションまで、走って帰る。
寒い…!
そのマンションの玄関ホールに、見慣れない、金髪の驚くような美青年が寝ていた。
俺は、ホームレスにしては綺麗すぎるし、なんだと思う。
昔から、良く云えばお人好し、悪く云えば世話やきしすぎる癖があった。
どうにかしようと思ったものの、どうやら管理人もいないらしく、その青年は少し濡れていた。
大丈夫、だろうか?
厄介事だけは、やめたいのに。
だが、その青年は、起きると、その眼に俺を映す。
蜂蜜の様な、綺麗な瞳があくと、とても格好いい(今どき風に云えば、イケメンというのか?)。
「ん…此処、何処?」
「え、何も記憶が無いのか?」
「忘れた。名前しか思い出せない…」
「記憶喪失か?」
「それだ!」
いや、納得するな!其処で!
困ったもんだ。
髪を、グシャグシャしつつ、その青年は、悩んでいる。
「名前は?」
「ディーノ」
「そうか。俺は、ロマーリオだ。…外は雨だし、ウチにくるか?」
自己紹介しつつも、どうしたもんかな、これは…俺が悪いのか?
困ったが、とりあえず、こんな雨の中、いつまでも玄関ホールにいるのは、駄目だ、と思い、聲を掛ける。
「いいのか?俺は実は強盗かもしれねぇぞ」
「其れにしては、目立ちすぎるさ」
「うん、えっと、世話になってもいい?」
「ああ、どうぞ」
と云い、部屋に招く。
温かいシャワーを浴びさせ、昔の寝間着を取り出す。
お腹空いてるだろうと、丁度、昨日の残りのおでんがあるので、其れを食べさせてやる。
「いただきます!」
「どうぞ。ディーノ…だったか?記憶は取り戻せそうか?」
「う〜ん、分かんねぇ」
おでんをつつきながら、ディーノは、悩みに悩んで、そう答えるので、俺は心底、困った青年を拾ったもんだ、と思う。
それでも、懐かしい感じがする。
ずっと前から、一緒にいたような気分。
「何か、ロマーリオって他人とは思えないな〜。ずっと前から、傍にいた様な気がするぜ。ごちそうさま!」
「偶然だな、俺もそう思ってた」
ズバリ、言い当てられ、内心、ドキドキしたもんだった。
部屋は、シンプルにしてあり、ディーノをどうしたものか、悩む。
生憎、どの部屋も開いていないし、俺がソファで寝ればいいか、と思う。
「悪いしさ、俺、その…帰るよ」
「待て、帰る場所分かるのか?」
「分かんないけど、駄目だよな…見ず知らずの他人に此処までしてくれただけで、ありがたいぜ」
「いい、いろ。此処にいてもいい」
後片付けをしつつも、俺は若干、命令口調でそう告げる。
記憶を無くして、不安だろうに、帰るアテもないのだから。
「俺はソファで寝る」
「え、いや、其処までは、悪いって!俺がソファで寝るよ…!あ、今、良い事考えた」
「嫌な予感しか、しないのは気のせいか?」
「え、やだなぁ、ロマーリオ、会って数分の俺に、嫌な予感するの?」
「ま、いい。云ってみろ」
テーブルを、布巾で拭いて、俺はどうしたものか、考える。
「一緒に寝ればいい!ベッドに」
「…ほらな!嫌な予感したんだ!」
ディーノ…お前なぁ…。
俺は、飲み物を口に含んで無くって良かったと、思う。
歯磨きの予備はあったし、ベッドは、幸い、セミダブルだ。
二人で寝ようと思えば、寝れなくもない。
ただ、成人した男同士が、同衾してもいいものか、悩んだ。
「何もしないから。あ、あと、俺、本当に強盗じゃないから…それだけは信じてくれる?」
「ああ、信じるさ」
「ロマーリオって、良い人止まりになりそうだよな」
「う、うるさいな…!」
「当たり?」
ケタケタ笑うディーノの、頬を抓ってやりつつ、何故か、懐かしい記憶の扉が開きそうで、なんだろうか、と思う。
「ロマーリオの部屋、無印良品って感じがする」
「ああ、良く行くからな…。で、どうする?俺は…」
「一緒に寝よう」
「分かった」
俺も風呂に入り、二人で寝支度をして(まるで、荒海の中に放り出された難破船のような、夜だと思う、実際、ディーノは…)二人で毛布の奪い合いをしながら眠る。
恥ずかしいので、向かいあって寝るのが、気恥ずかしかった。
ディーノは、俺の瞳を覗きこんでくるので、俺は何してんだろう、と思う。
まるで、向日葵のような、瞳に俺は、少し見惚れてしまう。
初対面なのに、懐かしく、ずっと前から、一緒にいたような?
「ロマーリオ、俺に惚れた?」
「ばか、そんなんじゃねーよ」
「可愛い〜。目覚まし時計多くね?朝、弱いの?」
「ああ、朝は弱い。どうにか、起きてるけどな」
「うん、そっか。じゃあ、おやすみ〜」
「おやすみ」
寝息をたてるディーノに、心底、とても格好いいな、と思ってしまう。
翌朝、目覚まし時計をものの三十秒で止め、ディーノに呆れられたのは、また次の話になる。
続く!
久々の更新が結婚式で何か、申し訳無い…!留守中も拍手ありがとうございます!アクセスがあって、感謝してもしたりないです!
唐突に始まる!そして、今回で最終回!