寒くなると恋しくなるのは

貴方と繋いだ、手の温もり


warmth of hand in hand
-繋いだ手の温もり-


11月も半ばに差し掛かかり
寒さがグッと増す今の時期
一気に寒気が入ってくる。

寒さが苦手な貴方は毎年毎年
温もりを共有したがりますね。

「寒い寒い寒いーっ!」

「それだけ厚着して炬燵に入ってて寒いとは…。 独眼竜らしくない」

「今は現代であって戦国じゃねぇ。過去の俺と比べんな!」

「すまん…。そうだ、政宗」

「…何だよ」

「買いたい物があるんだ。少し付き合ってくれないか?」

「別に良いけど」

そう言うと政宗は炬燵から出て、のそのそと準備を始めた。
2人は家を出て歩きだした。

そして5分後…目的の場所に到着した。


「買いたい物があるって…コンビニで何買うんだよ」

「内緒だ。買い物終わるまで自由に店内を見ていろ」


小十郎はそう言い残し、籠を手に店内を周り出した。


一方、残された政宗はと言うと…?


「これと言って買う物も見る物も無いし、入口で待つかな」


そして小十郎はー…

「買う物はこれ位か」

籠の中身を見て計算していると、横から声が聞こえてきた。

「あれ、片倉さんじゃん」

「…長宗我部。何故此処に居る?」

「見て分からない?バイト中だよ(笑)
政宗も待ってるし、会計済ませる?」

「ああ、頼む」

2人はレジに向かい、会計をしていると…

「長宗我部、すまないか          を2個くれ」

「了解。今の時期美味いよな、これ!」

会計を済ませて元親に別れを告げ、急いで政宗の元に向かう。

「待たせたな、政宗」

「別に。もう買い物は済んだのか?」

「ああ、家に帰ろうか」

店を出て歩き出し、小十郎は袋の中からとある物を政宗に渡した。

「わ、肉まんだ!」

「温かいミルクティーもあるぞ」

「ありがとう、小十郎」

はふはふしながら、肉まんを頬張る政宗。
それを嬉しそうに見つめる小十郎。

あっという間に食べ終えた政宗は、小十郎の右手を強く握った。

「政宗?」

「肉まん食べてミルクティー飲んでも、手は寒いままだからな…////」

「じゃあ、今日は手を繋いで帰るか」

「…うん」


寒いのは嫌い。でも、貴方と
手を繋ぎたいから平気なの。

warmth of hand in hand

大嫌いな冬の中で唯一好きなのは
貴方と繋いだ手の温もりだけー…


END