部屋の前のお家の赤ちゃん。
朝と夕方になると1時間ほど泣く。

うるさいと思うよりも何故か一緒に泣いてしまいたくなる日がある。


夕暮れは苦手。

小さな頃からだった。
夕暮れになると共働きだった父と母の帰りを祖母の家の出窓に座って待っていた。

少し暗くなってくるとこのまま帰って来なかったらどうしようなんて幼心で思い泣きたいと思う日もあった。

私は小さな頃からママっこ。
お母さんと手を繋いで眠らないと深い眠りにはつけなかったし、母が子宮筋腫で手術の日はこの世の終わりだと思ったくらい私は母が大好きだった。

残念ながら今はでは毒を吐く娘に成長してしまったのだけれど。


千葉に来てからも旅行に行っても誰と過ごしていても今でも夕暮れどきは切なく何故か泣きたい気持ちになる。

それは1日が終わることへの寂しさからなのか、祖母の家の出窓に座っていたことを思い出すからなのか私には解らない。

たぶん赤ちゃんの黄昏泣きと同じなのだと思う。

ただ空の色が悲しいと赤ちゃんはなく。
そして私も空の色が悲しいとなく。

でも大丈夫。
夕暮れが終わるとお月様と一緒に優しい包み込んでくれる夜がやってくる。
騒がしい街並みを飲み込み優しい月が静かな街並みを照らす。

優しい夜。
夕暮れどきを越えたらそこは静かな優しい夜が待っている。

だけど赤ちゃんにはまだわからない。
夕暮れの寂しい時間が終わる頃には優しいお月様が包み込んでくれることを。