ここは都心から少し外れた街の
更に端の方にある、小さなパン屋さん
名前は"visage souriant"

少し前まで人のよさそうなおじいさんが
パンを作っていた。

食べる人の事を考えて
丁寧に丁寧に作られたパンはどれも絶品で
近所で評判のパン屋さん。

そんなパン屋のおじいさんが
亡くなったのはつい3ヶ月前の事。

残されたのはお店と、おじいさんの孫娘。
それにおじいさんと一緒にパンを作っていた幼馴染の遥。

孫娘の彩陽ちゃんは悩みました。
いくら遥がいるとはいっても、前みたいにお店をやっていく事は出来ないかもしれない。
彩陽ちゃんは、店を畳むか悩んでいる事を遥に話しました。

すると彼女は、近所に住む幼馴染を2人連れてきたのです。
1人は少し気の強そうな彩陽ちゃんと同じ歳ぐらいの女の子。
もう1人はふんわりと優しそうな雰囲気が伝わってくる女の子。

女の子は美菜子、もう一人は愛生
2人とも幼馴染で、最近まで隣町のパン屋で
働いていたのですが、不況によりそのパン屋が潰れてしまい
ちょうど新しい仕事先を探している。
と遥は彩陽に教えてくれました。

 

このお店を失いたくない。
その気持ちは遥も同じでした。
4人の幼馴染は毎日毎日遅くまで話し合い
ようやくお店を再スタートさせたのでした。