俳優の成田凌が主演で、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹が共演し、アラサー男子6人の物語を描いた映画『くれなずめ』が、来年のGWに公開されることが、発表された。劇団[ゴジゲン]を主宰し、映画[アズミ・ハルコは行方不明]や、ドラマ[バイプレイヤーズ]シリーズの演出でも知られる松居大悟監督のオリジナル舞台劇を映画化した。あわせてビジュアル2点が解禁となった。
本作は、メガホンをとった松居大悟監督の実体験をモチーフにした完全オリジナルの舞台劇を映画化したもの。主人公・吉尾和希役を成田凌、舞台演出家として活動する藤田欽一役を高良健吾、欽一の劇団に所属する舞台役者・明石哲也役を若葉竜也、仲間内の後輩で唯一家庭を持つサラリーマンの曽川拓(ソース)役を浜野謙太、学生時代の後輩で会社員の田島大成役を藤原季節、仲間内で唯一地元に残ってネジ工場で働く水島勇作(ネジ)役を、舞台版でも同役を演じた目次立樹が演じる。この6人でしか成し得ない、男くさいけど愛おしい、笑いにあふれた物語を織り成していく。
今年に入ってから撮影を行い、成田君は「すごいのできました」と自信を見せている。予想外の展開もあることから、意味深に「彼らの選択を笑ってやってください」とも話している。とらえどころがない主人公に成田君がぴったりだと松居監督が考え、オファーしたという。
友人の結婚式で余興を披露するために久々に集まった高校時代の旧友たちが歩く、結婚式の“披露宴から二次会までの狭間”を描いている。タイトルの『くれなずめ』は、「暮れなずむ」を変化させ、命令形にした造語。日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態、転じて、前へ進もうとしても障害があってうまく進めないでいる状態を形容している。松居監督ならではの「仕掛け」も用意されている。
◎映画『くれなずめ』あらすじ
高校時代、帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、5年ぶりに友人の結婚披露宴で余興をやるべく集まった。披露するのは…赤フンダンス!?
「しかし吉尾、おまえほんとに変わんねぇよな。なんでそんなに変わんねぇの? まあいいか、そんなのどうでも」。披露宴と二次会の間の妙に良い時間を持て余しながら、昔の思い出に思いをはせる。
6人は今までも友達で、これからもずっとずっと友達でい続けるのだろうと思う。
そう、たった1人を除いては…。この微妙な“狭間”の時間に起こること、それは見るものの予想を超えていく。
■登場人物
成田凌/吉尾。高校時代、清掃委員から明石に誘われて演劇に挑戦
高良健吾/欽一。東京で劇団を主宰している。今回皆を招集
若葉竜也/明石。欽一が主宰する劇団で役者をやっている
浜野謙太/ソース。高校時代お調子者だった後輩。6人の中で唯一結婚している
藤原季節/大成(ひろなり)。東京で会社員をやっている後輩キャラ
目次立樹/ネジ。地元のネジ工場勤務。吉尾と仲が良い
▽成田凌コメント
暮れなずまない時間、暮れなずんでくれない時間、暮れなずまさない時間。
彼らの選択を笑ってやってください。
すごいのできました。
▽高良健吾コメント
今でもこの現場で過ごした日々はたまらなく愛しくて、大切なものです。
クランクアップの日はなにかが溢れ出しそうで、皆んなと目を合わせたくなかったです。
この現場が好きでした。
現場の皆んなでバカしながら、褌一丁になりながら精一杯やりました。
1人でも多くの方々に観てほしいです。
▽若葉竜也コメント
松居大悟監督の映画は全て観てますが、一番好きです。
自分が出演しているからではなく、観客として、一番好きです。
「どうすっか?このあと」
そんな映画です。
▽浜野謙太コメント
マネージャーから話が来る前に高良くんから電話があって「はまけんさん、映画の台本読みました? めっっちゃ面白いです!マジ楽しみです!」高良くんてホント最高だなと共に、これは成功させるしかないと興奮で始まりました。松居監督の映画はほぼ観ていて、念願叶ってご一緒の現場は彼に翻弄され尽くし、悩み、笑い、泣かされ、あっという間の稽古&撮影期間でした。
つまり、きっと良い作品なので観てください。
▽藤原季節コメント
映画の撮影がこんなにも楽しかったのは初めてです。
また、自分の出演作を観てこんなに楽しめたのも初めてです。こんなに楽しくて良いんだろうか。
「ハッキリさせようとすんなよ」
そんな台詞に心が救われた気がしました。僕も、沈まない夕日の中にいつまでも暮れなずんでいたいです。
映画の中でくらい、そうしていたいです。
▽目次立樹コメント
舞台版から同じ役で続投させていただきました。この作品が小劇場から全国の映画館へと広がるなんて思ってもみませんでした。改めて不思議な魅力に溢れた作品だと実感してます。
忘れてはならないのは、この作品は舞台版の役者やスタッフ、お客様の協力なくして生まれていなかったです。深く感謝を申し上げます。
最後に両親へ。作業着の似合う男に産んでくれてありがとう▽
※▽は白抜きハートマーク
▽松居大悟監督コメント
ポケットの奥でクチャクチャになった映画の半券みたいに、意気込みなんて奥の奥にしまってしまった。パリパリになった紙を丁寧に開くと、印字された文字がかすれていて、結局何を見たんだっけと思い出せなくなっている。思い出そうとしても、帰りに食べたラーメンとか、階段で寄り添うカップルが邪魔だったとか、どうでもいいことしか思い出せなくて。だけどこの半券を駅のゴミ箱に捨てなかったということは、当時の自分の中で留めたかった記憶なんだろうなという事実だけが情けなく残っている。そしてその半券はやっぱり捨てられずに、元あったポケットの奥にそっと戻してしまう。なかったことにしようとしてるのではなくて、その過去を大切にとっておきたいのかもしれない。こうして作品を届けられる、という不確かだけど確実な未来が、今はとても嬉しいです。
しょうもない友だちに向けて作った物語です。
オリジナルにこだわってきたわけではないけれど何よりオリジナルで、そんな汚い字の手紙を、変な役者陣と面白いスタッフによって、ポケットの中に突っ込んだ手ごと抱きしめるような作品になった気がしています。
昼と夜の狭間の、形容できない時間が好きで。曖昧にこそ真実が宿ると信じていて。またこんな小さな世界を描いてって言われても、この小さな感覚に救われてきたし、そんな些細なことで世界なんて変えられるんじゃないかと思っています。
話が大きくなってしまいましたが、友だちみたいな映画です。コイツに会いに来てください。なんてことない夕暮れの下で、一緒にへらへら笑いましょう。遠慮はいらないぜ!