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Who

 
緑がなくなっていくこの国。
僕はぼんやりと丘から遠くを眺めた。
見えるのは緑ではなく、白や赤の……人工の色。
僕はため息をつくと、唯一緑が綺麗な森へ入っていった。
その時、バンっと凄い音がした。
また狩人が狩りをしてるのだろう。
あいつは大丈夫かな?
のらうさぎのあいつ。
どんどん歩いていくと、またバンっと音がした。
今度は近い。
よく目をこらして遠くを見てみると、狩人がいた。
そいつが持っているのは


うさぎ?


真っ白な体に、額には星のような黒い模様が入った、珍しいうさぎ。


あぁ。あの子だ。


狩られたのはあの子。


僕はその場に崩れ落ちた。


どんどん奪われていく緑、生き物。
奪うのは人間。


僕は汚い人間になるものか。


そうだ。


僕はあんなモノにはならない。


僕は違うモノになる。


まだ見ぬモノ


それは
 

脱落者、多し

 
前にいる仲間が、どんどん倒れていく。


後ろで戦っている私は、なんとかもちこたえていた。


気がつくと今までは私を囲むようにして戦っていた仲間たちは、無情にも倒れていて、私の姿は敵のボスからすっかりさらされてしまっている。


どんなに対抗しても、逃げようとしても、伏兵が邪魔をする。


あぁ、もうダメかも。


私は伏兵に背中を押された。


ゆっくり闇に落ちていく。


ボスの姿がもうハッキリ見えない。


まぶたがとじる。


そして


オチタ。


コレハ


キョウシツでオキタ


サンゲキ。
 
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カレ

 
一人寂しく眠る私を、優しくつつみこんでくれる


あたたかくて、心地好くて


貴方の腕から抜け出すのは、なかなか難しいわ


そんな私の


大好きで離したくない


自慢のカレ
 
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Where

 
タッタッタッ


「おい!逃がすなよ!」


たすけてたすけて


「そっちへいったぞ!」


こわいにんげんに、ころされちゃう


「すばしっこいやつめ」


ぼくたちのいばしょや、たべものをうばったわるいにんげん!


「撃て!」


バンっとすごいおとがして、ぼくのあしにあたった


「ちっ!かすっただけか」


イタいよイタいよ
たすけて、マオ。


ぼくはやさしいにんげんのなまえをよんだ

でも


「撃て!」


バンっ


こんどはぼくのからだにあたった


ぼくはそのばにくずれおちた


「よし、いい毛皮が手に入ったぞ」


きたないにんげんがぼくをもちあげた


にんげんはぼくのいのちまでうばった


マオはそんなにんげんじゃなかったのに


マオはドコ?


ぼくのいばしょは?


たべものは?


ねぇ……
 

Which

 
「くはっ」


勇者の剣が、僕の体を貫いた。
もう僕はダメみたいだ。


「やった!魔王を倒したぞ!」


「これで平和になるんだ!」


勇者たちは僕が倒れたのをみて、舞い上がっている。
あぁ。そうだ。
僕はアイツらにとって悪党で、殺せたことがうれしいんだ。
邪魔をし、モノを破壊していった僕がいなくなれば。
楽に、平和に暮らしていけるに違いない。


でもな。
アイツらは自分のことしか考えていない


あのたくさんの機械。
建てられていく家。


楽だろう。
ただ「ツクル」のは。


でもそのためになくなっていくのは。


あぁ


正義は……
 
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