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ぬくもりロイエドアニメ4話派生文

そう











俺達は人間だ











禁忌を犯しても











身体が金属でも











俺達は生きていて











俺達は
















「人間なんだよぉ!!」

















「悪い、アル。先に戻っててくれ」

「兄さん…」

アルの肩に手をおく。

「大丈夫だからさ」

「…うん。分かった。早く帰ってきてよね」

「あぁ」

小さくなっていくアルの背中を見続ける。

見えなくなるまで見て再び石の階段に座る。

「俺も…」








『君達も同じじゃないか!』







「同じ…?」











『君の手足と鎧の弟。命をもてあそんだ結果だろう!』











「同じなら…











いちゃいけないんだ…」











降り続く雨はさらに強くなる。

「俺はっ…」

血のかよわない右手を見つめれば自分のところだけ雨がやむ。











「風邪をひく。鋼の」











「たい…さ…っ」

それが意外な人物によるもので俺は驚いた。





「帰ったんじゃなかったのかよ」

「……からかいにきた」

「なっ…」

とんでもない返答に言葉を失う。

「まぁ、冗談はこれくらいにしよう」

隣に座る大佐。

カサはコートと同じ黒で大佐の髪や瞳の色と同じで











護られているような感覚になる。











「で、なんで座るんだ」

「……立ち話もあれだろうからな。ほら、少しもちたまえ」

「えっ…!?」

無理矢理カサをもたされる。

すると大佐は手袋を外す。










大切な手袋を











「何やってんだよ大佐」

「今は必要ないだろう。…エド…」

柄を持つ手は大佐の大きな手で包まれ、後頭部を固定させる。

「んっ…」

ふれるだけのキスに身体中が緊張する。





「君も弟も…人間だ」











「私は人間でなければ好きにならん」











顔中にキスがおとされる。

「君は人間だ…エド」

「にん…げん…」

「そうだ」

ギュッと抱きしめられる。

「大佐…」

大佐から伝わる温かさに安心し手の力を抜けば重力に従うカサ。

降り続けている雨はさっきと同じなのに何か違う。

「あったかい…」

「そうか」

さらに抱きしめられると感じる大佐の優しさ。

「ありがとう…大佐」

「かまわん。これくらい」











また1歩











踏み出せた気がする。





END




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遠く、近く、


第1〜2話 派生文











   コン コン

部屋に響くノック音。

「入れ」

トビラまで行って確認する必要はない。

「いいのかよ。こんな簡単に人を入れて」

声だけで分かる。

「君がここに来ることは予測していたよ。鋼の」

バタンとトビラが閉まる。

「まぁ、座りたまえ」

「どーも」

指を絡め自分の前で彼を見る。

「で、行くのか?」

「あぁ。アイザックの件は終わったんだろ?だったら俺達は次へ向かう」

「そうか」

手がかりがなければ次の町へ。

それが彼のスタイル。











取り戻すための。











私はイスから立ち上がりソファに近づく。

「…大佐?」

隣に座れば不思議そうに首を傾げる。

「ケガはもういいのか?」

「当たり前だろ!こんなところでグズグズしてられないしな」

私の前で左肩をまわしてみせる。

その肩に触れてみる。

「あまり無茶をするな。鋼の」

「え…あ…お、おう」

彼の頬が紅く染まる。











それが愛おしい。











「鋼の」

「なんだよたい…っ!!」

肩に触れていた手を頬にあて反対側の頬に口づける。

「なっ!!何すんだっ!!」

初々しい反応がまた愛おしい。

「次はどここへ行くんだ?」

「つ、次はリオール…ってそーじゃなくて!」

「リオールか…」

頬に手をあてたまま親指で唇をなぞる。

「今のは餞別だ。ありがたく持って行くがいい」

「な!…はぁ?」

立ち上がり彼を見れば唖然とした表情。

「どうした?」

笑みを見せればさらに紅くなる。

「顔が紅いが?」

「…!!も、もう行くからな。大佐!」

「あぁ」

私は机へ、彼はトビラへ向かう。

「鋼の」

呼べば背を向けたまま止まる。

「な、なんだよ」

「…次に会うときは返事を待っている…エド」

ここからでも彼の体がピクッとしたのが分かる。

「な、何言ってんだよ。バカ大佐!」

    バタン

入ってきたよりも少し乱暴にトビラが閉まる。

さっきまで彼に触れていた手は自分の体温より温かい。











「待っている…か」




END

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クギミカ












「1ーAミカゲ君。旧視聴覚室に来なさい。1ーAミカゲ君。新幹線のように旧視聴覚室に来なさい」











いつもの呼び出し











今日はいったい何だ?




「失礼します。授業で作ったマフィンです。いつもお疲れ「バシンッ」」

「そんなことより」

いつもどおりの反応。

僕はもう慣れた。

「これを見なさい」

指されたのはいつものスクリーン。

「…今回も僕の責任ですか?」

「当たり前です」











いつも通り進行中











「今回はとある学校の教師が生徒に好意をもってしまった。もちろん2人は相思相愛。しかし!」

バシッと指示棒が向けられる。

「生徒は明るくて気さくな少年。当たり前だがクラスの友達と話もする。それが原因なんです」

「あの…いつもみたいな感じになってないんですけど…」

原因も問題も分からない。

「分かりませんか?」

ズイッと近づき僕の顎を持ち上げる。











「嫉妬ですよ」











「え…」

どこの世界にも存在するんだと思った。

「じゃあこっちの世界でその2人をより親密に、信頼できる関係にしたらいいんですね」

いつもみたいにややこしいことじゃない。

「そう簡単にいきますかね?」

先生の口元は怪しい笑み。

「だっていつもみたいに異常なことじゃないですよね、嫉妬なんて」

誰もが抱くもの。

だから簡単だと思ってた。

「それに異性とのことは前にもあっ「誰が異性間だと言いましたか?」」

「へっ?」











「同性愛ですよ。この2人は」











スクリーンに写る人達が同性愛。

と言うことは











「こっちの世界も…同じ?」

「そうですね」

困った。

非常に困った。

「だ、誰なんですか!」

相手が分からないとどうにもできない。

「制限時間は24時間。間に合わなければ教師は生徒を監禁、拘束し自由を完全に奪うことになります」

「そんな…」

僕が失敗すれば生徒の人生が狂わされてしまう。

生き地獄が待っている。

「…やります。で、さっきから言ってるんですけど今回は誰ですか?」

クギウチ先生は教えてくれていない。

いつもなら教えてくれるのに。

「こっちでは教師はその生徒に興味をもち大切に大切に面倒みています」

そんな先生はいたかな?

「でも当の生徒はあまり教師に会おうとしません。生徒は自分の気持ちと教師が向ける愛情に気づいていない」

…クラスメイトに心当たりはない。

じゃあ誰?

首を傾げるとクギウチ先生はニヤッと笑う。

「分かりませんか?」

「…はい」

冗談でもなんでもなく本当に分からない。

「今回は教えることはできません」

少しずつクギウチ先生がが近づいてくるから反射的に後ろに下がってしまう。

「せん…せい?」

壁まで追いやられてクギウチ先生に挟まれる。











「あなた自身が気づかなくては意味がない」











耳元で囁かれると耳が熱い。

「僕…自身?」

「えぇ。あなたしか知り得ないこと」

頬を撫でられれば顔が熱い。











「さぁ、今から24時間ですよ。ミカゲ君」











気づかされた











僕の…気持ち…




 END



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