ジョカエリ
「やっと会えたね…
エリオット」
エリオットの首につながれている鎖がジャラっと鳴る。
「今更…何しにきやがった」
「つれないなぁ。せっかく愛しい人に会いにきたっていうのに」
「俺は会いたいなんてこれっぽっちも思ってねー!!」
手や足に鎖はつながれていないから自由に動く。
それでも、首の鎖をはずすことはできない。
「君の意志なんて関係ないよ。俺が会いたいって思ったんだから」
「お前の考えなんて聞いてねーよ
ジョーカー」
エリオットが名前を呼ぶとジョーカーはにっこり笑った。
「やっと俺の名前を呼んだね。やっぱり君も同じ気持ちなんだろう?」
「んなわけねーだろう!俺はただお前の名前を呼んだだけだ!」
「だからだよ。君も俺を求めている…そうだろう?エリオット・マーチ?」
ジョーカーの指がエリオットの頬を撫でる。
眼帯の奥の瞳にすべてを見透かされているような錯覚に陥る。
「嫌なら拒否しないと。このまま続けちゃうよ?」
「…くっ…」
逃れたくても身体が動こうとしない。
身体は正直だから。
「ほら、やっぱり君も望んでいたんだね。帽子屋のボスじゃあ満足できなかったんじゃないかい?」
「…そんな…ことっ…」
「へぇー、彼とそういうことしてたんだね。ブラッドと…」
ジョーカーの指は服の上からエリオットの鎖骨をなぞる。
「さぁ。ショーの始まりだよ」
END