ごめんなさい、ごめんなさい、出来損ないでごめんなさい。私なんかを生んでしまったお母さんが可哀想。私なんかに期待を託したお母さんが可哀想。私みたいな娘をもったお母さんが可哀想。真っ直ぐに生きれなくてごめんなさい。つらい、つらい。
今隣を小さな女の子がお母さんに手を引かれて歩いて行った。「あっちゃん疲れてない?大丈夫?」お母さんの声。“あっちゃん”は元気に大丈夫!と答える。
私にも同じ頃はあった筈なのに。こんな私でもあの頃はまだお母さんを喜ばせてあげられていたのに。期待に応えて生きていた筈なのに。
『あきらは良い子ね』
お母さん、最近の夢には若い頃のあなたが出てきます。あの頃のあなたは今みたいに疲れた顔なんてしていなかった。
現実と虚構を混ぜて騙る口。こうやって私は自分の記憶を、脳を、欺く。
話題:秘密