(嘘の恋人でもいいの
今夜あなたといたいよ)

そう思ってた。
でも本当はちゃんと、貴方の彼女にして欲しかった

千明さんにはもうそんなこと思えない
そろそろ明るい未来でいいよ
いままでだって暗かった訳でもない
どれも自分で選んだ先だ。

話題:幸せ


『どこで生きていきたい?』

唐突に聞かれた言葉に
どこでも、と返したけれどそんな返事をする人にあたしはなりたい訳じゃない。
自分の未来をすぐに千明さんに押し付けようとする。悪いくせだなー

ついておいでと言われたなら、結婚しようとこのタイミングで言われたなら、と。
今の現状から逃げ出してしまいたいだけに千明さんを使おうとして。

仕事のときだってそうじゃないときだって、全部大切な自分の時間なはずなのに。
そうでなくしているのは自分自身で。

千明さんとの未来が非現実な訳でもなくて、ただ甘えてたいだけなの。ぬるま湯は心地いいけど、いつかは湯冷めする。そんな瞬間欲しくないよ。そんなものに浸かっていたくはない。


「どこに行くの」

『いかないよ。あおと会えないのは寂しすぎるから』

何処にでも行ってしまえそうな千明さんは何処か自分に似ていて、そわそわとするし、どきどきもする。

『こっちでいるつもりだよ。
あおといたいから』

それに不眠症になっても困るからね、って。
千明さんがいないと安心して眠れなくなったあたしに、優しく笑う。

「すきよ」って抱きしめた貴方は今はまだ遠い場所にいるから。
時間が経つのが遅すぎる

はやくはやく
抱きあってキスをしたい