うちは昔からいじめられとった。
原因はこの変な声。
うちだって嫌やねん。
初めは陰口だけやった。
(ねぇ、菜々ちゃんってなんか声変じゃない?)
(声おっきいわ、聞こえちゃうで)
だけど次第に
「あれ....うちの靴がない...」
(ははっ、困ってるw)
「なんやこれ...」
自分のノートに悪口が書かれていたり。
少しずつだけど、いじめがひどくなってきてん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーやけど、幼なじみのさやかだけは違ってん。
うちがいじめられてる時、いつも何も言ってないのに助けてくれんねん。やけど、さやかに頼ってばっかなんも嫌やし、今日からは何があっても1人でいじめて来る子たちに対応するって決めてん。
やっとのことで放課後になって、バイトに行くために急いで荷物を準備する。
「よし、準備終わったしバイト行こっと」
「なぁなぁ山田さん」
はぁ。またこの人らか。
「なに?」
「ちょっと話があるんやけど。」
「ごめん、バイトあって急いでてん。」
「ちょっとくらいええやん」
「遅刻したら怒られんねん。店長怖いから。」
「....そんなん知らんわ。あんた、ちょっと調子乗りすぎちゃう?」
「なんでよ」
「うちらがいじめるとすぐ山本さんに助けてもらってるやん。」
あぁ、そうやった。さやかはこの学校で1番もてもてなんやっけ....
「幼なじみやし...」
「それが気に食わんねん。山本さんと話してるんはうちらの方が絶対多いのに、なんであんたばっかり助けられんねや。」
何この人....
「うちをいじめるのにさやかは関係あらへんやろ。」
「やからそれやねん!!!」
バンッ
「痛った....」
「うちらのほうが山本さんの事好きやねんか、やのになんであんたみたいな変な声のやつの方が位高いねん!!」
ドンッ
「そんなん....知らへんわ.....っ」
「うざいねんあんた!!」
痛いよ....さやか.....
やけどさやかは巻き込まれへん....
「何してんねん、あんたら。」
「山本さん....」
「さや..か...あんたは関係ない...ねん..」
「あほ。好きな人が殴られてるの見て普通におれるやつなんかいいひんやろ。」
さやかが......私の事が好き??
「そんなん..いうんも.私をたすける..ためやろ...」
「あんたのこと好きやなかったらここにいいひんって。」
さやか...
「山田のこと傷つけるやつは許さへんで。」
「.......っ!!!!」
ドタドタドタ
あ...いいひんくなった...
「さやか...ごめんなぁ....」
「あんたは大人しく寝ておき。」
「う...ん」
さやかに頭撫でられてたら眠くなってきた...