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ノープラン突発文外伝

2009年8月後半から掲載を開始していた「ノープラン突発文」の前にあたるサイドストーリー(もはや前なのかサイドなのか……)です。
ネウヤコ色弱めですが……ネウヤコと言い張る!
色々迷走していて申し訳ありません……。

--------------*

「決行は明晩……ターゲットは17時間後に帰国する予定だ……」

天井の高い空間に、ボゥ、という汽笛にも似た音が響く。

暗がりには、3人の男がペンライトだけを光源にして存在していた。

「失敗は赦されない……我々はこの襲撃を成功させ、犯行声明を出さなければならない」

名探偵・桂木弥子……世界各国のテロやクーデターを未遂で終わらせる忌々しき存在。

彼女によって説得され、改心させられたかつての同士達を、ここにいる男達は許すことができなかったが、それ以上に。

仲間達の志を、半ばで手折る、桂木弥子を、憎悪していた。

「桂木弥子を殺害し、説得され収監されている同士達の目を覚まさせるのだ!」

一人の男が興奮気味にそう告げた時、その声は聞こえた。

「成程な……事務所に仕掛けられたトリックはそのためか……」

「誰だっ?!」三人が三様、手近な武器を取る。

サイレンサーが装着されたトカレフの銃口をさ迷わせながら、慎重に周囲を見回して、声の出所を探っている。

「なかなかの『謎』ではあったが……残念、熟成させてやることはできんな」

高い天井が災いして、低い声は空間一杯に響いていた。

だから、男達は気付かない。

不敵な笑みを浮かべる男の所在に。

「市街戦用のトラップを応用した、なかなかの出来映えだったぞ」

男の出で立ちは全く馬鹿気ていて、この緊迫した空気にそぐわなかった。

黒いパーカーのフードは重力に従って黒のニット帽に被さり、その襟元からはシルバーのアクセサリがこれまた重力に従って垂れ下がっている。

伸びると評判の多段に切り替えが入った某デザイナーズジーンズの『上』には、革製の黒のコンバース。

その様相はまるで街中にいるただの若者だった。

ただし。

『天井からぶら下がっている』という突拍子もない状態を黙殺すれば。

若者じみた男は、地面を蹴るように天井を蹴り、真下……彼からしたら真上、なのかもしれない……にいる三人組目掛けて落ちていく。

男の黒手袋の手がそれぞれ、二人の男の頭を捕らえると、その手を基点に鞍馬競技の如く振り子運動で両足を降り下ろし、もう一人の男の背中を蹴り飛ばした。

「ガッ……!?」

蹴り飛ばされた男は、遥か前方にあった筈の壁に頭から突っ込んで、崩れ落ちた。

「野郎ッッ……!」

鞍馬にされた男の一人が、トカレフの戟鉄を引きながら男を振り向くが、振り向いた方向から顔面に蹴りを入れられ壁へと吹っ飛び、一人目と同じ運命を辿る。

もうひとり残った男は……抵抗できるはずがなかった。

握り潰されるかの如く軋む頭蓋骨、視界一杯に鈍く黒光りするスカルが飛び込んでくる。

しばらくして、それが男の来ているパーカーのエナメルプリントの柄だと気付く頃には、掴まれた頭蓋ごと身体を持ち上げられ、にっこり笑った目と目が合っていた。

「事務所のトラップの原理は……アナタが仕掛けましたね、……鷲尾さん、でしたっけ?」

「て……テメェは……桂木弥子の……!」

「あそこは貴方の古巣ですからねぇ」

仕掛けやすかったでしょう、と柔らかい声が追い詰める。

「そうですみなさん、実は、悲しいお知らせがあるんです!」

それまで鋭い攻撃の数々を繰り出していた人物に似つかわしくない、優男風の柔らかい、朗々とした物言いで演説を始める。

「最近頻繁する、国際警察によるアナタたちのヤサのガサ入れですが……」

ふにゃっ、という擬音が似合いそうな程に目尻を下げて笑顔を作り、頭蓋を握りしめたまま左手を二人の男達へと突き出す。

「手引きしたのは、この鷲尾さんなんです!」

「「!!!!!!!」」

吹っ飛ばされ、壁にぶつけられながらもよろめき立ち上がりかけていた男二人が振り向き様に驚愕の表情を向ける。

「……し、しかしあれらの拠点の壊滅は……!」

「そうですね、確か……すでにそれぞれの件で、内通者が組織内で処罰されていましたね……」

役者じみた所作で悲しげに顔を俯かせながら呟く。

「お……おい……こんなヤツの……ぐぁアっ!?」

若者じみた男の容赦ない締め上げに頭蓋骨が軋みを上げ、激痛が走り、ただただ悲鳴を上げる男。

「……それでは、これより内通者をでっち上げたそのトリックをご覧にいれましょう。何故なら……」

若者じみた男は、今度こそ友好的な……それはどこか、レストランで注文のためにウェイターを呼ぶのに似た……動作で右手を掲げて、パチンと指を鳴らした。

「ここでも、『あなたたち』が、内通者としてでっち上げられる予定ですから!」

コクン、と小首を傾げて、善良を装った若者じみた男が宣告した。


先ほどまであった三人の男達の連帯感は、脆くも瓦解する様相を呈していた。



-----------------

「ふぅむ、これが『受験生』が食べるという『夜食』というところか……」

倉庫を背に男は、闇夜の中サングラスを掛けながら歩みを進めていた。

もはやあの倉庫の中で何が起こっていようが彼には興味のないことだった。

「全く……ヤコの生殺与奪の全権は我が輩だけが握るものだというのに」

彼は心の底から「困ったものだ」と呟いた。

今のところ彼には『ヤコ』を傷付ける気も、死なせる気も……総じて言えば失う気自体、更々ないのだった。

ならば強権を発動させるタイミングは何時なのか、と考え、彼は『ヤコ』にまとわりつく男達を思い出す。

もし……もし『ヤコ』が、あの中の一匹と交わろうものなら……。

彼の背後にあった闇が蠢き、風のないままに彼の髪がざわめき、舞い上がる。

「ふむ……また余計な虫を引き寄せてなければよいがな……」

立ち止まり、眉間に皺を寄せながら思案するそぶりを気取るが、すぐに何かを思い付いてニヤリと口の端を上げる。

「……マスコミに、少しは我々のプライベートを覗き見させてやるか……」

彼は、『ヤコ』の帰国の度に空港に張り付いているカメラマンを思い出していた。

「なに……虫除けスプレーのようなものだ」

サングラスの奥、見開かれた両眼が一瞬、禍々しい緑に輝き、途端に足取りの軽くなった若者じみた男は、ふっと闇に掻き消えた。

飛ぶものの影が月光を遮り。


深夜の静寂は爆音で破られ、倉庫からは激しい炎が立ち上った。

ど・すらんぷ。(旧BMアニメ感想加筆・修正済)


だめです!
脳内の想像力が枯渇していて、一文字も書けないです。
申し訳ありません、ごめんなさい、、すみません。。。
……充電が必要なようです。

そんな中、最近ネウロサイト様が増えてきたという情報をキャッチしまして。
供給が増えてきたぞー!よっしゃよっしゃ、と思っている次第です。


兎にも角にも、パラレル続き、お待たせしてしまっている皆様、申し訳ありません……。



引っ込もってぶつぶつやってきます。

↓ぶつぶつの過程(非ネウロさんネタ)
続きを読む

拍手・コメントお返事 〜10/15


♪〜このコーぉナーぁでーはみーんなーのぉっ
こめんとへとおかーえしーしてーいます
おこたえするのはごぞーんじア・ナぁぁ・タのー
脳噛ネウロ♪

あ、ポるの●ラふぃ●ィさんの、「みゅうじっくあわー」のメロディーでお願いしますね!


またも皆様から頂いたコメントをため込んだ管理人のエーコとかいうのを釘バットでボクサツしといたんですけど、そのせいか、パラレル文の更新が止まってますね……すみません。
三度殺っときますので、復活まで、もうしばらくお待ちくださいね!(にっこり)


以前、僕からコメント返信をさせていただいたところ、なんだか人気があるとのことで、管理人ったら今回も、僕に長の音信不通を謝らせる算段をしたようです。
本当に、、、温かいコメントをいただいていた皆様、申し訳ありませんでした。
そして、熱い拍手をお送りいただいた皆様、本当にありがとうございました!


では、ここで音声生中継を一本……ラジオネーム「恋するドM先生」さんからです!

『ざっっけんなァァァァァ!ネウロの馬鹿ぁぁぁぁぁ!なにこの高度3000mからの紐なしバンj』

ブツッ

フハハハハハハハハ!貴様の断末魔は心地よいぞ、ヤコ!
……いやぁ、重力加速度9.8Gが気に入らない人なんて、初めてお目にかかりました!
生中継中になかなか果敢な提言でしたねー。
僕ごときの能力(と書いて"ちから" と読む)では、地球の重力加速度を変えることはできませんが、「恋するドM先生」さんのためなら、魔界の重力加速度を適用してさしあげることもやぶさかではないのにっ(はぁと)

あ、では、お返事を開始いたしますね!(にこにこ)



09/08 柳沢サマ
拍手文へのコメント、ありがとうございました!あぁ……ラベンダーの香り、柳沢サマに届きましたか?先生があんなに僕を思ってくださるなら、僕、タイムリープくらい、余裕で身につけちゃいます!鈍間な管理人の愚鈍な更新、これからもお待ちいただけますと幸いです!待ちきれなくなったときには、僕が釘バットを貸出いたしますので、お気軽にお申し付けくださいね!(はぁと)



09/08 七世サマ
はい、ぶちゅぅぅぅぅぅ、は、わざとでした!(ニッコリ)なんせ、先生は色気の欠片もないくせに、男を侍らすことに関しては天性のものがありますので、少しはご自分が「女性」であることを自覚していただいて僕の苦労を減らしていただきたくて、マスコミの皆さんを利用させていただきました!「夏色の」「ナンシー」は1セットだと思っていたのですが……違いましたか?……違うか?(中指口元、おめめきゅるりん)



09/10 柳沢サマ
パラレル書いた管理人を思いやってくださりありがとうございました!コメントと拍手をたくさんいただいたことで、気が向きまくったらしい管理人が、ずるずると連載にしてしまいました。
アラビアンナイトの情景を思い浮かべていただけたなんて、本当にありがたいです!



09/10 七世サマ
アラビアンな僕らを「よかった」とおっしゃっていただいただけでなく、涙も添えていただけるなんて……。先生の貧相な身体を心配してくださったのでしょうか?管理人は不可能だらけのゴクツブシですので、是非、七世サマも、僕と一緒に管理人を詰りましょう!



09/11 柳沢サマ
あぁ……続きを気にさせてしまい……管理人の文才のなさに、僕、落涙を禁じ得ません。しかも、想像力も欠如しているらしく。さっさと僕らをハッピーにしてほしいものです、えぇ。



09/12 めぇサマ
愚鈍な管理人が差し出がましいことを……とまれ、めぇサマのネット環境が復活されましたこと、心よりお喜びいたします!めぇサマにも僕と先生の蜜月を描いていただけるようになって、僕、一安心です!あの管理人のことなど愛さず、是非、このボ・ク・をっ、先生ともども愛し続けていただけると幸いです!そして僕は、時空を超えて先生を愛する、と。あぁっ!ハズカシイですぅ!(ニヤリ……)



9/16 柳沢サマ
パラレル文、応援してくださって本当にうれしいです!先生の貧相さでは、アラビアンナイトの踊り子のイメージもぶち壊してしまいそうです。悲しいですが、先生の体にない凹凸をねだっても、出てきませんものね……。あ、でも、ここだけの話ですが。僕にとっての先生は、シャーリアールにとってのシェヘラザードなのですよ。あらゆる意味で。……解っていただけると幸いです。(はぁと)



9/16 & 24 七世サマ
パラレルに力いっぱいの咆哮、ありがとうございます!僕、そんなに妖しいですか?でも、その七世サマの印象、おそらくあんまり間違ってないです。あぁ、あのくされ管理人脳ミソカスから搾りだした文から、そこまで感じてくださるなんてッッ!七世サマに足むけて眠れないですね、あの管理人。なので、あとで天井から吊るして寝かせておきます。永眠という名の眠りと共に。……クックックックッ……。あ、その前に、七世サマをこれ以上心配させないように、パラレル文を最後まで書かせないといけないですね!拍手の調子の悪さも相まって、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。失踪癖のある土竜管理人ですが、どうぞこれからも、生暖かく眺めていただけると幸いです。



9/27 お名前なしのお嬢サマ
はじめまして、今晩は!本日は管理人に代わりまして僕からお返事をさせていただきますね。パラレルを面白いと言ってくださってありがとうございます!管理人はもとより、僕が嬉しいです!更新を楽しみにしてくださっているのに、あのアホ管理人がことあるごとに失踪してしまい、申し訳ありません……。どうかお嬢サマも、末永く、僕らを好きでいてくださると嬉しいです!管理人のことは棘鞭で百叩きしておきますので、今後ともよろしくお願いいたしますねッ!!



9/28 柳沢サマ
あの人でなし管理人に温かいお見送りをありがとうございます!あの人、飛行機墜ちても死ななそうともっぱらの噂でしたが……本人、何事もなく(そして謎のひとつも持ってこず)、帰ってきてしまいました……チッ……。



9/28 七世サマ
あの管理人はウチの先生ほど冒険心も好奇心も持ち合わせていなかったせいか、身ぐるみ剥がれることもなく(笑)帰ってきました。ほんと、いきなりニッポン脱出する癖があるんで、困ったもんです、あの管理人。なんか知りませんが、今また、友人の仕事のサポートにかこつけて西の方への海外出張を企てているとの情報が入ってきました。まったく、ケツの始末してから旅立ってほしいものです!(はぁと)空を眺めながら待っていてくださる七世サマにきちんと恩返しをさせるため、いざとなったら僕が管理人の出国を阻止するんで、僕の働きに期待していてくださいね!



10/07 ひかるサマ
あぁぁぁぁっ!ひかるサマ!本当に本当に申し訳ありません!あのバ管理人が!!!ひかるさま宅のキリバンを、半踏み逃げ状態にしているのですね!!伸身宙返り土下座最中添えでそのままドブ川に頭から着地させますので、どうかお許しください!!!そして……諸々落ち着かれたとのこと、本当によかったです!管理人は、ひかるサマの日記などでお忙しいご様子をお伺いしていたらしく、(そして更新をがっつり楽しませていただいた挙句、無言拍手を連発していたらしくで、)長くご無沙汰をしてしまっているのですね。……あとで刃物突き付けておきます!(指先変形)そして……あぁぁっ!優しいお言葉を!!お申し出くださった件に関しては、後ほど直接ひかるサマにご連絡をさしあげるようにキツーーーーく管理人に言い含めておきます!
御来訪いただいて、ありがとうございました!(にっこり)



10/09 お名前なしのお嬢サマ
もしかして、以前もコメントをくださった方でしょうか?違ったらすみません、僕、人 間じゃない 物に関する考察能力は先生の足元にも及びませんで……。とまれ、御来訪ありがとうございます!(「ただいまです〜!」by 管理人)僕から管理人を鞭打って、更新をがんばらせます!(にこにこ)たくさんの応援、ありがとうございます!!



10/09 柳沢サマ
ただいまです!……と管理人が言っています。お土産話になるかどうか怪しいですが、管理人は、スマトラ地震が起こった日にインドネシアにいたクセに、震源地から500kmほど離れていたため地震に気付かず、オンタイムで海に浮かんでいたそうです。……我が輩の餌場が廃墟となり……あまりにも大勢の人間達を死に追いやる力を持った自然災害……画面に映し出されたその光景は凄惨極まりなかった……。……復興支援にでも参加してくればよかったのに、ほんと人類にとってもゴクツブシな管理人ですね。とまれ、直撃を避けられたのは不幸中の幸いだったのかもしれません……。



10/10 めぇサマ
ただいまです!……と、管理人がはしゃいでいます。御来訪、ありがとうございます!シミター持った笹塚刑事、めぇサマの頭の片隅に住みつきましたか?もうこれでめぇサマも、シミター笹塚の虜ですねっ!(はぁと)笹塚刑事が無断で住み着いてしまったお詫びに、僕から精一杯の謝罪を……。めぇサマっ!ほんとうに……無気力なシミター笹塚でゴメンナサイッッ!!!(笹「……ネウロ……アンタ、そんなキャラだったっけ……?(そして謝られてしまう俺って一体……?)」←無気力)
ウルヴァリン、お好きですか?あの管理人は、隠れた「マッチョ好き属性」があるらしくて、わりと身体のつくりにはうるさいみたいです、自分の寸胴棚に上げてっ。(にこにこ)


さて、それでは、お返事がおわりましたところで、再び中継をつなげてみたいと思います!
ラジオネーム「恋するドM先生」さん、そちらの状況はいかがですかぁー?

『バくぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!ぎぃ……ヤぁぁぁぁぁァァァ!!!』

どうしましたー?音声が途切れているようですがぁ?

『ざぁけんッ……あァッ!』

ほらほら、興奮しないで、おちついて!

『なんでわたッ!ジュウジくァっっ!かけらっれっっ!!!』

「恋するドM先生」さん?これ、生放送ですよー?もっとはっきりしゃべってください!

『デカイ蛾っぽいのッッ!なんか虫ィッッ!!!』

あぁ、それ、魔帝7ツ兵器の虫干しです!

『ムシを虫干しするなぁぁぁぁ!そしてこんなもんに括り付けて音速で飛ばすn』

ぶつっ。


あはっ!「恋するドM先生」さん、とってもお元気そうですね!
これからも世界各地でカラダを張った生放送、期待しています!


♪兵器(どうぐ)につーいた十字架がーけしてーはーなーれーなけれーばー
このなつーはー れいねんいじょーにー いきてることーわかるはーずーサー♪

ということで、このコーナーは、僕こと脳噛ネウロがお届けいたしましたぁー!
それではまた(はぁと)


『冬が来る前に死んじゃ……うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!』

【ガンパレード的リプレイSS】熊本、軍隊、ジョセフィーヌ←不潔です! ※ネウロ要素ナシです!※

「行きましょうか、みなさん。
 総員配置、1、2、3。
 幻獣の数と規模を、算定してください。
 出撃まで180秒」

という善行忠孝さん(5121司令)のセリフをスイッチに、PSソフト「高機動幻想 ガンパレードマーチ」プレイ中の実話をSSとして掲載。
セトミブが足りないと数年前から言っていた(のに、ずっと放置していた私の馬鹿)、幼馴染のTちゃんへ。
ほんと、このゲームのAIって、『悶えさせる』という意味で、優秀すぎてどうかしてるよね……。

アール・ハンドゥー・ガンパレード!!
(↑リタガンで善行さんがこう言ってた気がするんだけど……)

------------------*


夕日が地平線めがけて落下していく熊本、PM4:30。

「あぁ、こうしてデートの約束もしないまま週末が来るんですね……」

夜が更ける前にもう一度陳情しなければ、と、思いながら小隊隊長室へ向かう壬生屋未央。

明日はもう土曜日だというのに、なぜか朝から誰にも会わず、ハンガーに篭って仕事仕事。

自分の士魂号の調子はいい、というか非の打ち所もなく、手のつけようもないくらい完全無欠だ。

何しろ尊敬する上司にして大親友の原主任が、その美貌をくたびれさせてまで大幅に性能アップをしてくれたから。

じゃぁ、授業をサボってまでなにをしているのか。

その原因は、ふらりと二番機パイロットになった新井木にあった。

体力も気力も、運動力までもがどうにかなりそうな状態なのに、無謀にも最前線に立候補した。

あのままの状態で戦線に出たら……彼女は明らかに死ぬ。そりゃもう間違いなく。

「……誰も死なせたくありませんからね」

壬生屋未央、過ぎるほどの心配性。

その心配性が滅私奉公ともいえるほどに彼女を仕事に駆り立てていた……主に「二番機整備士」(注:実務レベル)として。

壬生屋未央(職業:士魂号一番機パイロット)、友(だと勝手に思っている。どうやら向こうはこちらを「政敵」だと思っているフシがあるが)の為なら慣れない仕事にも手を染めるほどの堅物。

それでも、その仕事づくめの毎日に、多少の疑問は抱いていた。


空から聞こえた、戯れの声に導かれるままに、若宮に告白したのが三月末。

二つ返事でOKされてみた。

しかしその日から、壬生屋未央の受難は始まった。

恋人であるところの『彼』と同じ空間にいようとすると、発言力が減っていく。

……『争奪戦』。

覚えていたくもないような台詞(時に行動)で、次から次へと若宮にケンカを吹っかける男達。

曰く、「…あー、不純異性交遊はいけませんね」

曰く、「…」(言ってない。)

『どっち!?』と詰め寄られるたびに吹き荒れる情念のブリザード。

仕方ないじゃないですか!と壬生屋は思う。

……提案、欲しいんですもの。


特に。


特によくケンカをふっかけているのはアノ人。

自称、お耳の恋人にして愛の狩人、メンター瀬戸口、その人だった。

「瀬戸口さん、私が告白をお断りしたことを根に持っていらっしゃるのかしら……」

壬生屋未央、仕事熱心なあまり、色恋沙汰に疎い部分がある。

瀬戸口の猛烈なアタックを、『必殺!鈍感』でやり過ごした挙句、二度にわたる告白を立て続けに断っていた。

でも、壬生屋だって瀬戸口を憎からず思っていた。

彼の真摯な部分をちゃんと判っていたし、彼が誠実であろうと『努力』している様子も知っていた。

朝に、昼に、壬生屋を見つけて駆け寄る瀬戸口。

少し照れたような顔で一生懸命自分だけを追いかけてくれた瀬戸口。

愛しい、と、思った。

でも、今は、駄目だ。

時代を考えて、自分の立場を考えて……。

Yesを口にした結果、戦うのが、死ぬのが怖くなることを恐れた。

なのに……先日、何故か、自分は若宮に告白していた。

なぜそんなことをしたのか、まったく、ちっとも判らない。

確かに若宮のことは嫌いではなかった。

むしろ、単純明快で素朴なところは好意的にも思っていた。

けれど……。

「……なんで若宮さんに告白しちゃったんでしょーねぇ?」

あの時。

ハンガー二階に何故か若宮が現れて、妖しげなサックスの音色とともにピンク色の雰囲気が漂い始めたのが悪かった。

それと同時に頭の中に響く声……あの声が「告白しろー」と脳髄直撃電波を送ってきていた。

「原因はアレ、ですよねぇ、やっぱり……」

すっかり落ち込んだ壬生屋未央。

気が付くと、隊長室裏の『同調の木』の前にがっくりと膝を付き、幹に頭から突っ込みながら愚痴をこぼしていた。


「あ、壬生屋じゃねーか」

『あきらめモード、ときどき泣き笑い』状態の壬生屋に無防備に近づいてきたのは滝川だった。

さすがは雰囲気の読めない男、滝川。

ほてほてと壬生屋に歩み寄り、衝撃情報をもたらした。

「なーなー、知ってる?最近瀬戸口師匠が、東原に告白したんだって!」

ぴしぃっ。

薄いガラスに、ヒビが入ったような音が、アタマの芯のあたりに響いた。

「いーよなぁ、せーしゅんだよなー、師匠といい壬生屋といい。オレもやっぱしこう、びしぃっ!と告白しなくちゃだよなー、うん!」

張子の虎の如く、首をカクカクと縦に振りながらひとり納得して歩み去って行く滝川。

「……そう、ですよね……」

後に残された壬生屋、超彗星級の喪失感が滲んでくる。



判っていた、若宮に告白したあの日から。

次の日には自分が告白したことは噂で広まっていて、それは瀬戸口の耳にも届いていただろう。

彼を振って。

それでも想っていて欲しいだなんて、なんて恥知らずなんだろう。

他の男性とお付き合いを始めて、それでも瀬戸口が気になるなんて、自分はなんてふしだらな女なんだろう。

なんだかもう、思い切り泣きたくなってきた。

すぐにでも、恋人に泣きついてしまいたい。

争奪戦さえなければ、若宮を探し出して、きっと縋り泣いただろう。

色恋沙汰に不器用な彼はきっと理由も聞かずに、ただただ困りながらも私を慰めてくれる……。

壬生屋未央、自暴自棄になりかけて、誠実さをどこかに放り投げかけていた。

「……陳情、済ませてしまわないと……」

過去最高に落ち込みながら、壬生屋は隊長室へと向かった。



隊長室の中には、めずらしく善行がいなかった。

あの人は一時間に一回、必ず厠に立つ。

そう、かならず、一時間に一回、なのだ。

その善行が厠に立ったのを見計らってか否か。

隊長室には、今最も会いたくない男性、瀬戸口がいた。

心が切なさに悲鳴を上げる。

しかし反面、もしかしたら断られたのでは、などと少し期待してしまう自分に、嫌気がさし始める壬生屋。

恐る恐る瀬戸口を見つめて……やっぱり、そこには『あって』しまった。

『ののみの手作り弁当』

やっぱり、二人は付き合い始めたのだ。

狂ったように笑い出したい衝動を必死に抑えて、瀬戸口を見ないようする。

そのまま一直線に通信機へと向かおうとしたその時。

「ああ、あのさ……」

話し掛けられた!

壬生屋の心臓が跳ね上がる。そのまま振り向くことも出来ない。

「あ……改まって……何のお話ですか…っっ……!」

受け答えも自然に固くなる。

今はまだ、笑えない。

おめでとうございます、なんて、口が裂けたって言えやしない。

もう、ダメだ。

今にも逃げ出したくなったその時。

「日曜日、どこかに遊びに行かない?」

「…………………………は?」

瀬戸口の、あんまりといえばあんまりの誘いに、壬生屋は呆れて開いた口を閉じることを忘れた。

恋人ができて、初めての日曜日だろうに。

東原さんは、きっとあなたとの始めての日曜日を楽しみにしているでしょうに!

なのに…なのに瀬戸口さん……!!

そんな壬生屋の心中を察したか、瀬戸口はニヤリと笑って壬生屋の耳元へ口を寄せた。

「これで、イーブンだろ?」

「!!!!」

瞬時に壬生屋の顔が真っ赤に染まる。

つまり、だ。

お互いに、立場は一緒だろう、と。

若宮に告白した壬生屋。

東原に告白した瀬戸口。

そう、同じ条件、同じリスク。

そのうえで、その禁忌を犯せ、と囁きかけているのだ、瀬戸口は。

「……なんて…破廉恥な…っ!!」

「そう?でもその破廉恥なこと、おまえさんだって望んでただろう?」

「!!!」

あんまりにも……あんまりだ!

瀬戸口のあまりにもストレートすぎる欲望に、壬生屋は怒りとも怯えともつかない震えが全身を支配しつつあることを自覚した。

……もしかしたらそれは、喜びだったのかもしれないが。


「俺の耳はおまえさんからの『Yes』をキャッチしてるんだが……勘違いかな?」

既に、勝敗はついていた。

瀬戸口の顔は「勝ち」を確信していた。

そして、壬生屋は自分の「負け」を悟っていた。

「……それじゃあ、日曜日9時に……」



差し出された小指に、ためらいがちに伸ばした自分の小指は、思いがけない力強さで絡めとられた。




-------------------*

せっとみぶっっ♪せっとみぶっっ♪
これで日曜日に校門のとこにいても、
瀬 戸 口 来 な か っ た り す る ん だ よ ね 。
好感度を下げにかかるなんて、それなんて切ないAI?
若宮に告白するように壬生屋さんの頭の中で囁いたのは、ダメっこOVERS=私の声。
ほんとごめんなさい、このころ若宮熱が最高潮で。(隠れまっちょ好き)

Tちゃんお待たせ。ン年越しになってしまいましたが、ぷれぜんつです。
ほんとごめんなさい、元原稿が 紛 失 し て ま し た 。 (切腹)
善行さんって、1時間に一回、必ずトイレにいくよね?
いくよねっっ!?(←1stマーチで善行さんをストーキングしていた奴)



ぱられるぶんでス6



近衛兵の後に続き廊下を進み、一際大きな、豪華な金の蔦の装飾が施された青い扉の前で立ち止まる。

こちらを振り向いた先導の近衛兵は、白のシャルワーの下にマスクをつけて、鋭く粗野な目を私に向けた。

「おう、此処が謁見の間だ、嬢ちゃん、足元に気を付けて入れや」

それまでの喋り方から一変した、そしておおよそ場にそぐわない言葉遣いに、思わず睨み付けてしまう。

「……まぁ気が強えのも結構だが、くれぐれも御前でやらかすなよ……化けモンだからな、ウチのアレは」

主を『化け物』と称したことを悪びれる様子もなく、どこか諦めの混じった調子で宥められる。

後ろのエイシさんが肩を竦める気配がして、「行こうか、ヤコちゃん」と声を掛けてくれた。

その声に頷いて。

私は白のシャルワーの上から、昔ネウロから貰った深い青の布をスカートのように巻き付けた。

幼かった私にネウロが呉れた、そして昨日、私を熱く情熱的に包んでくれたこの色を纏って……死出に赴こうと決めていたから。

腰の横に結び目を合わせて足捌きを確認してから、フウッ、と息を吐く。

促されるように一歩踏み出すと、ゴゴッと重々しい音をたてて扉が開き。

天井の高い大広間。

柱には、扉と同じ豪奢な蔦の彫刻が施されて金色に輝き、床には何れ程の大きさがあるのかわからない、赤を基調にしたペルシア絨毯が敷き詰められている。

その空間の奥。

幾重にも垂れ下がるホワイトシルクの天蓋に囲まれた雛壇に……きっと、居る。

奪い、犯し、殺すことで築いたであろう富に囲まれている仇敵。

この国さえ……いや、この宮殿に巣食う侵略者共さえいなければ……!!

心臓の鳴動が全身の細胞という細胞に響き、まるで胸の芯から凍てついたように躰がガタガタと震えた。

同時に頬がカッと熱くなって、私は思わず目を閉じた。

瞼の裏に浮かぶのは、美しかったあの頃。

父様の目差し、母様の微笑、宮殿の皆の笑顔、街を行き交う人々の活気、吹き抜ける風の爽やかさ。

その記憶のどれもが、浮かぶそばから意識の淵を零れ落ちてゆく。

そしてそれに成り代わって、私の全てを、怒りが侵食し、支配してゆく。

沸々と……瞼の裏が憎悪で紅く染まりはじめて……

不意に。

かつて私を射抜いた美しい深緑の瞳が意識を過った。

(……!!!)

躰の震えがぴたりと止まり、頬の熱さが退く。

無意識に動いた手が、腰の青にそっと触れた。

今も昔も、ネウロが纏っていた青は、澄み渡った深い空の色。

幼かった私を包んでくれたあの青を、今日まで大切に取っておいたものに……包まれたまま逝こうとしたのが間違いなの……?

鼻の奥がジンジンと痺れ始める。

今日、私を『呼ぶ』と言っていたネウロ。

私はそのネウロより、復讐を選んだ筈……。

ああ、お願い……私を……私の目を覚まさせないで……。

ネウロの姿が、目差しが、温もりが……香りが。

私の躰を包んで消えなくて、どうしようもないくらいに切なくなって……。

「オラ、いい加減、御前に進めや、嬢ちゃん」

そう促す近衛兵の声に、自分の瞼を膨らませた涙の気配に、顔を上げられなかった。

そして唐突に思う。

私、貴方に名前で呼びかける機会を永遠に失ってしまうんだね……ネウロ。

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