鼻歌が聞こえる。
ゆっくりとした、曲。
この場には、相応しくない。
男女が死闘を繰り広げている。
そんな2人を眺め。
自分は鼻歌を歌う。
最期の歌だ。
繰り返される世界で。
色々な事をした。
色々な事を試した。
色々な事を知った。
色々な事を考えた。
だから「今回」で最期と決めた。
「今回」は、何もしなかった。
何もしないで、結末を待って。
変わらない終焉を、見届ける。
きっと自分は笑みを浮かべている。
これから世界は終焉を迎える。
全てが、崩れ落ちる。
そしてまた始まるのだ。
くだらない日常が。
くだらない永遠が。
笑みが深くなるのを感じた。
自分の事なのに、他人事だ。
それでいい。
構わない。
死闘の音が止んでいる。
もう終わったのか。
もう終わるのか。
ならばと鼻歌を再開させる。
崩れ落ちていく世界で。
最期の歌を、響かせよう。
「明日」は、きっといい日になる。
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ハザマさんはとても沢山のループを観てきたんだよなぁ、としんみり。
ハザマさんが歌っていたのはどんな曲なのかはご想像にお任せします。