三谷幸喜の最新映画『記憶にございません!』より、特報映像と予告編が公開された。あわせて、田中圭、ROLLY、後藤淳平(ジャルジャル)、有働由美子らが出演することが明らかになった。

[THE 有頂天ホテル][ザ・マジックアワー]などのヒット作を手がけた三谷氏の映画監督作品8作目となる本作の舞台は“政界”。国民から嫌われ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介は、ある日、一般市民の投げた石が頭に当たり、記憶喪失になってしまう。金と権力に目がない悪徳政治家から、一夜にして善良で純朴な普通の“おじさん”に変貌してしまった啓介。国政の混乱を避けるため、国民はもちろん、大臣たち、家族にさえ、記憶を失ったことを隠し、直近の秘書官たちに助けられながら、ギリギリなんとか日々の公務をこなしていく。やがて、あらゆるしがらみから解放され、真摯に政治と向き合うようになった黒田は、本気でこの国を変えたいと思い始めるー。

本作は、中井貴一演じる国民から嫌われ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介が主人公。一般市民の投げた石が頭に当たり記憶喪失になってしまったことから起こる騒動が描かれる。

主人公の総理大臣・黒田啓介には、三谷作品に多数出演する中井貴一が扮する。黒田総理を支える首相秘書官・井坂役には、三谷作品初参加となるディーン・フジオカ、総理の妻・聡子役には三谷映画初出演の石田ゆり子、さらに、政界を牛耳る官房長官・鶴丸大悟役に、三谷監督が脚本を担当したNHK大河ドラマ[真田丸]に出演した草刈正雄が名を連ねた。そして、総理をゆするタブロイド紙のフリーライター・古郡役で佐藤浩市、首相秘書官・井坂と共に総理を支える熱い事務秘書官・番場のぞみ役で小池栄子、総理官邸で黒田一家に仕えるマイペースな官邸料理人・寿賀さん役で斉藤由貴、記憶を失った総理の元にやってくるアメリカ初の日系女性大統領スーザン・セントジェームス・ナリカワ役で木村佳乃、黒田総理と敵対する白いスーツの野党第二党首・山西あかね役で吉田羊が出演する。

さらに新キャストとして、黒田総理の恩師で生真面目な元小学校教師・柳友一郎役に山口崇、記憶を失った黒田を保護する職務熱心な警官・大関平太郎役に田中圭、黒田総理と旧知の仲であるあこぎな建設会社社長・小野田役に梶原善、石を投げるのが得意な大工・南条実役に寺島進、やる気のないSP・古賀役に藤本隆宏、黒田総理の中身のない秘書官補・野々宮万作役に迫田孝也、ギターが上手い衆議院議員・鱒淵影虎役にROLLY、草刈正雄演じる鶴丸官房長官のオーラのない秘書官・八代役にジャルジャルの後藤淳平、木村演じる大統領の有能な通訳ジェット・和田役に宮澤エマ、黒田総理の反抗期の息子・黒田篤彦役に濱田龍臣、そして夜のニュースキャスター役にイメージチェンジがスゴすぎて誰だか分からない有働由美子が決まった。

三谷監督がいつか警官役をやらせたかったという圭君、漫才を見てその“普通ぽさ”に惚れ込んだジャルジャルの後藤サン、ガラリとイメージチェンジをして臨んだROLLYサンと有働サンなど、三谷映画初出演陣から、実力派の常連組まで様々なキャストが集められた。

公開された特報映像には、投石が直撃した黒田が倒れ込む姿をはじめ、額に包帯を巻いた黒田が戸惑いの表情を浮かべる様子、「あなたが国民から嫌われる理由、それは……」という言葉と共に再生された映像で、「この男に任せて大丈夫か?」というコピーなどが映し出されている。次いで、記憶を失い戸惑う黒田と、その秘密を知る秘書官3人をはじめとする周囲の人々の姿が、人間臭さたっぷりに面白おかしく描かれていく。

また予告編では、まわりは“全員、敵”とも言える政界の中で秘密を知るのは秘書官3人のみという、記憶を失った総理を襲う大混乱と、個性豊かな政治家たち、それを取り巻く人々の姿が描かれている。国会で暴言を発する強気な黒田が、記憶を失って別人のように弱気になっている姿が映し出される。ほかにもスーツ姿でコミカルにポーズを決めている黒田の妻・聡子(石田ゆり子)をはじめ、不敵な笑みを浮かべる首相秘書官・井坂(ディーン・フジオカ)や、水鉄砲ではしゃぐ官房長官・鶴丸(草刈正雄)など、ディーン・フジオカ演じる首相秘書官の井坂が「トップシークレット」と宣言する姿や、吉田羊演じる野党第二党首・山西あかねの「国民の怒りはもうそこまで来ているんです」という言葉、草刈正雄演じる官房長官・鶴丸大悟が黒田に「責任取ってもらうぞ」と耳打ちする様子、佐藤浩市演じるタブロイド紙のフリーライター・古郡が「俺は金で動く人間だ。ばらまかれてもいいってんだ、あれが?」と黒田をゆするシーン、田中圭演じる大関平太郎が「よく言うよ、約束なんか守ったことねえじゃねえかよ!」と吐き捨てる場面などが確認できる。

記憶を失った黒田を襲う大混乱、いずれ真実がバレてしまうのではないかという恐怖を映し出す。さらに、黒田が“史上最悪の総理大臣”と称される理由も明らかに。投石が当たる前、聴衆に向かって「このクソ野郎が!クソー!」と罵るだけでなく、国会審議の場でも悪態をつきまくっていた黒田。「金銭の授受はあったんですか?」と問い詰められると「だから、うるせえな、もう!記憶にねえんだ!記憶にございません!」と威圧的に切り返す様子がとらえられている。

黒田総理は、なぜ演説中に石を投げつけられるほどに人気のない、嫌われ者の総理大臣なのか…解禁された予告編・特報映像に、そのヒントが隠されている。予告編のラストを飾る「記憶にございません!」のタイトルコールは本編の台詞をそのまま引用し、これ以上ないインパクトとなっている。三谷監督らしい期待高まるシーンが盛りだくさんだ。


映画『記憶にございません!』は9/13より全国東宝系より公開。