静臨

※キスシーンがあります











「ハッピバースデイ トゥーユー、ハッピバースデイ トゥーユー」












1月28日。

今日は俺にとって、

池袋にとって、

世界にとって、

きっと大切な日。

きっと…?

いや、確実に大切な日。

大嫌いで、大嫌いで、どうしようもなく愛しい

彼の生まれた日。











「ハッピバースデイ ディア 静ちゃーん」











ヒトがやってるみたいにプレゼント買いに行った。

ヒトがやってるみたいにケーキを買いに行った。

歌を歌いながら池袋へ行った。

プレゼントはよくわからなかったから右手にはケーキ。

左手には真っ赤なリボン。










「ハッピバースデイ トゥーユー」












なんか楽しくてニヤニヤ。

「あ、静ちゃーん!!」

見知った姿に声をかける。

「いーざーやー!」

聴きなれた声に口が緩む。

「またこりもせずここにきやがって…いいかげんにしねぇーか」

静ちゃんがかまってくれるのは凄く嬉しくて

「ねぇ、静ちゃん。これあげるから今日は休戦」

右手に持っていたケーキを差し出す。

「一緒に食べようよ」

サングラスの奥の瞳が驚いているのが分かる。

「…だ、騙されねぇーぞ!今度は何を企んでやがる!」

「いやだなぁ。静ちゃんの誕生日を祝いたいだけなのに」

ケーキのはいった袋を静ちゃんの右手に持たせる。

「でね、静ちゃん。プレゼントなんだけど、モノじゃなくてもいいよね」

「…は?」

怒ってない静ちゃんを見るのは凄く久しぶりで

なんか、楽しい。

「はい。プレゼント」

左手に持っていた真っ赤なリボンを静ちゃんの首にかける。

「プレゼントは…












オ・レ」











静ちゃんの唇にキスをすれば

静ちゃんの瞳の色が変わった。

分かりやすい静ちゃんが

大嫌いで、大切。

「覚悟はできてんだろうなぁ、臨也」

返事の代わりにもう1度キス。

すぐに静ちゃんの舌が俺の口内に入ってきて、暴れる。

生き甲斐できない気もするけど、気にしない。

お互いが離れれば銀の糸が2人をつなぐ。

「ほら、静ちゃん」











ハッピバースデイトゥーユー

ハッピバースデイトゥーユー

ハッピバースデイディア

静ちゃん











「俺をもらって?めちゃくちゃにして?」











ハッピバースデイトゥーユー…