あの時の私はきっと子供だった-----
だからあなたの優しさに甘えすぎたの。




「おはよう」
いつものように迎える朝。
そしていつも聞こえる優しい声。

「優おはよ」

私の名前は"神崎あいり"
県内に通う高校二年生
成績はクラスの中で下から数えた方が早く運動だって得意じゃない。
そんな私がこの学校を受験した理由……


そう。大好きなあいつがいるから。



その大好きなあいつっていうのが
幼馴染の優。
誰にでも優しくて面白くてかっこよくて男女共に愛されてる。

きっと欠点を探す方が難しいんじゃないかなって思っちゃう私はほんとに大好きなんだなって思う。


この遠くて近い彼に恋したのは
10年前のこと…………。


「あいりちゃんだいじょうぶ?」

泣いてる私にふわっとした笑顔で話しかけてくれた。

「あいりちゃんがないてるとおれもかなしいや」

今思えば彼の優しさの一つにしかすぎない言葉もあの時の私にはすごく響いてその瞬間から私の恋は始まってる。

「そんなに長く片想いして辛くないの?」って友達に言われたことあるけど
辛くないって言ったら嘘になるけど、彼を諦めることの方が辛いってことに気づいたの。

だって、彼は私の心を絶対に離してくれないってわかってるから。

"ふにゃって笑う優しい笑顔も"

"すぐに険しくなっちゃう真面目な顔も"

"いたずらっ子みたいに笑う顔も"

"眉毛を下げて心配する顔も"

どんな彼を見ても私の心はうるさくなるってこと私が1番わかってる。

だから私は決めたの。

誰よりも近くで"くしゃって"笑う彼をずっと見てること。







そう。ずっとあなたには私の太陽でいてほしいから………。