道場での稽古のあと、仲間たちに誘われ居酒屋に赴く輝馬‥10人近くの顔ぶれで、殆どが輝馬より年上だった。
(やっぱこれに限るね)(全くだ)
(今日は先生、来なかったな)
(こないだいらっしゃったばかりだし)
(それもそうだな)
‥一同のやりとり、ネオンの輝く夜の町を…胴着携えた一団が歩くのだから、ある種のシュールさを醸し出していた、もっとも誰も‥大して気にしていないが。
(見えたぞ)(あー喉が乾いた)
(ビール!ビール!)(つまみもだな)
大手のチェーン店の前にたどり着いた一同、ここが目的地であるらしく‥わいわいと騒ぎ始めた、輝馬も同様である。
(それじゃ、行くぞ)
(((((おう!!!)))))
リーダーとおぼしき男の声かけに、威勢良く応える面々‥颯爽と店の中に入っていく、輝馬もまた、慣れた足取りで皆に続く次第であった。
(こういうのが、本当に大切だな)
心の中、一人ごちる輝馬‥どうやら極意であるらしかった、彼なりの‥ものではあるけれども。