かれこれ二年近く、職場でカツ丼を食べさせられている。


ちょっと大げさな表現をしたが、職場で定期的に開かれる会議などで支給される弁当が ほぼ毎回カツ丼なのである。
最初にカツ丼が支給されたときはちょっとテンションが上がった。
だって、カツ丼だ。カツ丼は好きだ。
お腹がすいている時間に、がっつりと腹を満たすことができる。幸せだ。
だが、毎月カツ丼が出されていてはいい加減げんなりしてくるのだ。


カツ丼になる前は、お弁当屋さんのお弁当だった。
野菜はほとんど入って無かったけれど、お弁当というのは漬物なり唐揚なりポテトサラダなり何種類かおかずがある。きっとお弁当も毎月同じ内容のものが出されていたのだろうが、ただ漠然と“野菜の少ないごく普通の弁当”としか認識していなかった。
しかし、カツ丼というのはどうだろう。

カツ丼は、どこをどう食べてもカツ丼なのだ。

おかずも何もない。
はっきりと、毎回同じものを食べさせられていることが分かる。
しかも、職場の会議というさほど嬉しくない環境で。

決してカツ丼を嫌いになったりはしない。何やかんやでおいしく食べている。
しかし、会議室に入ってカツ丼の山を見ると「うげ、またカツ丼かよ」と思ってしまうし なんなら前日から「どうせ明日もカツ丼だろうな」と気が重い。
カツ丼こわい。
決して、まんじゅうこわいという意味ではなく。

いい加減、カツ丼はやめてくれ、嫌いになりそうだ

せめてもの抗議活動として、カツ丼を食べる前にトマトジュースを一気飲みする
おい、やさい、たりてないぞ 別のもの出せ と
小心者なので、さっさと飲み干して鞄に仕舞うのだけれど