スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

オリジナル

連休ですね。
5月5日ですね。
雲雀さんのお誕生日ですね。

雲雀さんお誕生日おめでとうぅぅぅぅ!!!!

残念ながら何かを用意をする時間もなく手ぶらのお祝いです。
くそぅ、臨也さんのも過ぎちゃったよ。


手ぶらながら、連休の予定は特になかったりします。
寂しい人間だって?知ってるよ!!

さて、今日は久しぶりのネタ降下はオリジナルです。

途中まで書いていたんですが、まとまらなくなって放置していたものを掘り出して、消すのも勿体ない気がして降下。

異常を隠して平凡な皮をかぶった主人公の話。






チクタクチクタク。
時計の秒針が時を刻む。

チクタクチクタク。
地球が回り日が巡る。

チクタクチクタク。
日時が変わる。

チクタクチクタク。
だが、日常はそうそう変わらない。


「嗚呼、面倒」


日常が劇的に変わればいいとも期待もしていなければ、望んでもいない。
日常がつまらなく面倒だと思っている。
日常が変わって欲しいとも思っていない。
日常であろうとも、非日常であろうとも生きていること自体が億劫だ、面倒だ、疲労だ、苦痛だ。

チクタクチクタク。
そんな心情など世界が気にもかけることもなく、当たり前に時を刻む。

チクタクチクタク。


「…………めんどう」


時計の秒針が時を刻むのをぼんやりと見つめる。

チクタクチクタク。
いつもと変わらない秒針の音を聞く。

チクタクチクタク。
秒針の音を子守唄に、彼は眠りに落ちた。

++++++++++


彼、時宮鴇都の目から見る世界は、常人よりもスローモーションに見えていた。

体感時間が人とは異なる。

それに気付いたのは、ほんの幼い頃のことである。
最初に気付いたのは聴覚。
大人から子どもまで耳にするのは間延びした言葉であった。
子どもに対する配慮であり、子どもはそれを真似していると思っていたのだが、ある時、幼馴染の少年が言った言葉が最初の疑惑であった。


「ときと君、はやいよ、ききとれないよぅ……」


自分にとっては普通に話しているつもりであった。
可笑しいとは思ったが、そんなものなのかと納得した。

それからは周囲の間延びを見本にしてゆっくりと話すことによって解決した。

それがまた、ゆっくりで疲れるため、鴇都の口数が減った最初の切欠であった。
次は行動であった。
鴇都が普通に動いても、幼馴染の少年は付いて来れなかったのだ。


「まって、まってよ、ときと君!」


全力疾走なんてしてみたら、大人が付いて走れるぐらいだったのだから同年代の子どもならば付いて来れないのが当然であろう。
最初は自分の運動神経が良くて、幼馴染がトロイのだと思っていた。
だが、幼馴染は自分を入れないと園内で一番かけっこが早かった。
可笑しいとは思ったが、非常事態以外では皆は実力を出さないのだろうと納得した。

それからは幼馴染の速さに合わせて走ることによって解決した。

それがまた、ゆっくりで疲れるため、鴇都の行動が減った最初の切欠であった。
全てがゆっくりと、スローモーションに動く自分が面倒に思えて来たのはそれから暫く経ってからのことであった。
合わせることには慣れたが億劫で面倒で疲労で苦痛だったために、鴇都は合わせることを止めた。
自分の思うが侭に行動した、のではない。

止めたのだ。

億劫で面倒で疲労で苦痛だったために、動くことを止めた。
ダラダラダラダラとぼんやりと過ごすようになった。
人に合わせるぐらいなら寝ている方が何よりも幸せであったし、自分の世界にのめり込めて唯一自分のペースで読める本を相手にする方が楽なのだから当然だろう。

人間は誰しも楽な方へと誘惑される。

そして鴇都も楽は方へと誘惑された。

全てを止めた。


++++++++++


鴇都は堕落し尽くした人間である。
人に合わせて合わせすぎて堕落を覚え堕落し尽くした。
だけれど、人間を止めたわけでもなく人間は好きだ。

だからこそ、ソレは起こるべく起こったことだった。

友人と帰宅途中で鴇都の目に入った工事現場から落下する鉄骨。
その下の小学生の女の子。
駆け寄って女の子を庇う同学校の制服を着た少女。
鴇都の目にはスローモーションのように全て見えていた。

だからこそ、鴇都は動いた。

ただ本能のままに、咄嗟に、自分なら間に合うと分かっていたから、鴇都は駆け出した。
二人の少女のもとへたどり着く。
女の子を抱えて、少女も抱えようと手を伸ばす。
まだ鉄骨は落ちない。


「あれ?」


少女が手に持っていた石を投げる。
手のひらサイズの石が、軽く……あくまでも軽く頭上へと飛んでいく。
鉄骨に当たる。
壊れる。

鉄骨が割れる。

なんだそれは。
鴇都は己の目で見た光景を信じられぬまま瞬きする。


「あれ、時宮君?」


「えーっと、その、何?今の」


「うーんと…………見た?」


にへら、と少女は笑う。
生まれもって怪力の少女の笑顔に鴇都は瞠目した。

同じ境遇の仲間がいた。


----------------------------------
本当はトリップものにしたかったオリジナルの話でした。
生まれた世界を間違った子たちです。
というより、神様が能力を付与する人間を間違っただけという設定だったんですが、そこまで書けずに断念。

やる気のない、いざって時にもなぁなぁな主人公が好きなのにどうしてこうなった←
←prev next→