いつもと、違う声。



「230ちゃ〜ん(^^)」


って、聞こえた。

確かに。

私を呼ぶ声。


何年も、何年も聞いてなかった。
顔を思い浮かべるだけで、聞こえるなんて。

記憶の中の声を探した時の、頭の中のリプレイじゃない。

耳を通さず、脳に直接届くような、柔らかい呼び声。



知ってる。

会うのが嬉しそうに、いつも呼んでくれた。
もらったたくさんのお洋服も、
触ると少しひんやりする骨ばった手も、
人さし指にはめてた華奢なパールの指輪も。

大好きで、でも距離を詰められなかった。

おばあちゃん。

あの頃と同じように
呼んでくれてありがとう。

私の気のせいでも、すごく嬉しかった。
でも、同時に沢山後悔してる。

今更遅いかもしれないけど、
今からすぐに、会いにいくから。