行列同じような顔が並ぶ
馴染みの深い黄色の中

杏飴の味は恋のようね
あなたは照れくさそうに笑う

上気した顔がとても愛しくて
思わず涙がこぼれました、夜半のこと

嘘ばかりいったね
愛していました

二人あの頃よりずっと大人になった
モノクロームの黄色の中
甘酸っぱい香りだけが
色褪せないでいる、夜半のこと


――「夏」