ブーケ-花束-

背筋をしゃんと伸ばしてﾊﾟｽﾞﾙをしよう
不恰好なくらいが丁度いいから

あの枕の様にﾌﾜﾌﾜになろう
羽布団を静かにかけて夢が誘ってくる

粘膜が弱い癖にｵｸﾗが嫌いなんて
あなたは何処へ何処へ行ったの

真下に落ちる飴玉
あれも数秒後は
地面に叩きつけられて粉々になる
たとえばありさんが
見つけなかったｶｹﾗがあたしだよ
とびきり甘く味付けされてるのに
見つからない

ぐんと背伸びして縮もう
不恰好なくらいが丁度いいから

こんな感じで生きよう

行列同じような顔が並ぶ
馴染みの深い黄色の中

杏飴の味は恋のようね
あなたは照れくさそうに笑う

上気した顔がとても愛しくて
思わず涙がこぼれました、夜半のこと

嘘ばかりいったね
愛していました

二人あの頃よりずっと大人になった
ﾓﾉｸﾛｰﾑの黄色の中
甘酸っぱい香りだけが
色褪せないでいる、夜半のこと


――｢夏｣

何もない方がいい
私の為に、あなたの為に
煮え切らない思考
あなたを想うと涙が出るよ
でもさようなら
私の為に、あなたの為に

歩調や歩幅は合うけど
上手くやっていく自信あるけど
私達少し遅すぎたのよ
今は離れがたいけれど
いつかは幸せになれるから
束の間のさようなら

遠ざかる背中
追いつくことは簡単なことだよ
でもさようなら
私の為に、あなたの為に


――｢それが私たちの全て｣――

いたわるように優しく
むさぼるように激しく
時折淋しく笑う｢僕を許して｣と…

そんなふうに愛されたら
私はどうすればいいの

愛の深さにおびえ、逃げ出し
叫んでしまいそうになる

捧げるなどの言葉では足らず
壊れてしまいそうな程の…愛…愛

あなたのキスはいつでも
珈琲と煙草の匂いがしたね

恋する私は誰よりも潔く美しかった

背中を刺す冷たい風も
ふたりなら幸せに変えた

愛の末には何があるの
ずっと盲目でいたいのに

愛の末には何があるの
涼しい顔して通り過ぎる