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春待ち

母の手術は成功…らしい。


術後は弱ってて当然なんだけど、
あんなに悲しそうな顔をしてる母を見るのは初めてだ。


ただ痛みに耐えてるとか、
そんな表情ではない。



手術したことを、
後悔してるかのような…




『よかったね、
全部取れたって!』




話を
少しでもプラスに持って行くしか出来ない。




すべて取り除いたとしても、
それはまたすぐに襲ってくるだろう。


命を少し延ばしたに過ぎないのか…


手術が無意味だとは思わないが、
『意味はあったのか?』

と母に聞かれたら、
私は答えられない。


いっぱい切り刻まれた体が、
闘いの後を物語っている。


何が正解なんだろ?



もう母に『頑張れ!』 は言えない。


むしろ、頑張るのをやめてもいいと思ってる。
母の笑顔はいつ戻るだろうか。




でも、お母さん
少なくとも現時点 悪いものは体から取り除かれたのよ。


回復はゆっくりでいい。



そのうち、
春はやってくるからね。
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