天秤にかけてみた。

けんちゃんと今日限りでスパッと終わるのと、
いつまでも『友達』でいること。


『友達だったら、
メールしてもいいの?』


『はい』



『わかった…

けんちゃん、
ギュッてしていい?』



けんちゃんは、
いつもとまったく同じように抱きしめてくれた。

『しばらく、こうしてていい?』

『はい。』



けんちゃんの首筋に唇を当てて、
彼の香りを嗅いだ。
私の癒しだったこの香り。

これも今日限りなのね…


唇をスライドさせて頬にkissした。

(拒否されるかな。)


さらに少しずつ唇を寄せて


何の抵抗もなく重なった。


(よかった…
kissしてもらえて。
この感触、絶対忘れない。)


二人の間に別れ話なんてなかったように、
熱い熱いkissをくれた。


私は
唇を塞がれたまま、

けんちゃんの右手を取って 自分の胸に当てた。


けんちゃんの右手は激しく動き出した。


何だか、
熱い物がこみ上げてきた。



(最後でいいから、抱いてほしい…)