翌日、大学を終えて道場に通う輝馬‥どうやら大学の空手部とは違う流派の道場であるらしかった。
(お願いします、先生)
(おお輝馬、良く来た‥まああがれあがれ)道場主とおぼしき初老の男性と輝馬のやりとり、気さくな老人という印象である。
どうでもいいがこの老人、武術の世界では割りと高名な人物のようである‥まこと余談であるが。
さておき。
早速空手胴着に着替えた輝馬、道場の片隅で柔軟体操などを開始した‥かなり入念に支度している次第である。
そんな輝馬に一人の男が話しかけてきた、輝馬より10歳くらいは目上に見えるが‥。
(輝馬!親父さんは元気かい!)
(隆俊先輩‥父ならいつも通りです)
(そうかそうか、よろしく言っといてくれ)この隆俊なる男性、輝彦と輝馬の共通の友人の様子だった‥ひとかどの空手選手の様子であるが。
明るい好印象を与える男である…。