・イタリアちゃん、会う。


「ふふふーん、ロマーノとラブラブランデブー。楽しすぎるぜー」〜♪
「あっ、プロイセンだー。やっほー」ひょこ
「イタリアちゃん!こんな所で会うとは奇遇だなー!」
「そうだね〜」
「『偶然イタリアちゃんに会ったぜ』と…」カタカタ
「あっ!待ってダメ!呟かないで!」
「ふぇ?」ツイートが更新されました
「プロイセン早すぎ…。ごめん!それ消してくれない?」
「何で?」
「もしも兄ちゃんが見たら、俺が怒られるかもしれないんだもん。兄ちゃん、嫉妬深いからさ〜」
「そっか。なら削除すっか」ピコピコ
「ほっ…良かった…」

「イタリアちゃんはどうしてここに?」
「女の子ナンパしようと思ってさ〜。でも、プロイセンが一番可愛いかもね〜」
「ははは。イタリアちゃんの方が超〜絶可愛いって!俺様のお墨付き!」
「あはは、ありがと〜。プロイセンはデートでしょ?何時に待ち合わせしてるの?」
「15時だけど…大分過ぎてんのに、まだ来ねーなぁ…」
「じゃあ、兄ちゃんが来るまで一緒にいてもいい?」
「もちろん!その辺ブラつこうぜ。その方が沢山の女とすれ違えるだろ?」ケセセ
「そうだね〜楽しみ〜(俺はプロイセンが傍にいれば、それだけでいいんだけど…)」



・イタリアちゃん、見る。


「ロマーノ来ねぇなぁ…電話繋がんねぇし…」
「兄ちゃんのことだから、まだ寝てるんじゃない?それより、俺オススメのジェラートショップ行こうよ!とっても美味しいよ〜」
「おー行く行く!ストロベリー食う!」
「そしたら、この道を……あれ?」ピタッ
「どうした?」
「え…?う、嘘でしょ…」
「ふぁ?何なに?」
「プ、プロイセン…とりあえず隠れて!」
「おいおい、どうしたんだよ。そんなに可愛い…子…で、も………」

プロイセンの視線の先には、なんとなんと黒髪の小柄な女性と共にホテルから出てくるロマーノの姿があったそうじゃ。

「う…そ……」
「兄ちゃんが…」
「マジ…で…?」
「あ、あのさ…気持ちは分かるけど、ここで待っててくれる?今、本物かどうかこっそり確認してくるから」
「いや……アレは…ロマーノだ……。アイツ…俺とのデートの前にあんな……」
「………ね、どうする?行ってみる?」
「俺…心の整理が…」
「でも、目撃しちゃった以上、事情を訊いた方がいいんじゃない?俺も付き合うから」
「そ…そうだな…。たまたま気分悪くなった女の子を休ませてだけかもしんねーし…」
「そうだね。いつから浮気してたのか、どれくらいの頻度だったのかとかも含めて」
「………おう」ずーん



・イタリアちゃん、嵌める。


「けほけほっ…すみません…」
「大丈夫か?」
「ええ…わざわざホテルの前で倒れてロビーまで連れて行けと騒いだ割にすぐにホテルから一緒に出てもらい恐れ入りますスミマセーン…」
「お、おう。困った女性に手を差し伸べるのが男の仕事だからな。気にしなくていいぞ」
「男の時と態度違いすぎでしょう…」ぼそり
「どうした?痛むのか?」
「けほけほっ…お腹が…」
「さすってやろうか?あ、嫌だったら断われよ。セクハラじゃねーから」
「ありが…ありがと……ぷふっ、お腹痛くなってきた…」
「なぁ、本当に大丈夫か?」
「おい。そこの」
「あん?んだよこのや…」

「テメェ…俺の女に手ェ出すたぁイイ度胸だな…?」

「イギリス…!」ひー
「イギリスさんっ!私、怖かったです!この人に無理矢理連れ込まれて!」ダッ
「はぁ!?お、おい!何言ってんだ!?」
「いやーんこわーい」
「おーよしよし。くっ付くな加齢臭がするだろ。どこまでやられたんだ?」
「眉毛引っこ抜きますよ。それが…最後まで…」くすん
「はぁあ!?ち、ちげーよこのやろー!俺は、この女が倒れたからホテルまで運んだだけで…!」
「あぁ?男女がホテル入ったらヤるこたひとつだろうが馬鹿。分かりやすい嘘付くな」
「そうですよ。どこの世界に、わざわざホテルの前で倒れてロビーまで連れて行けと騒いだ割にすぐにホテルから一緒に出てもらう女がいるんですか?」
「お前だよそこのお前!自分で認めてるじゃねーかちくしょーが!」
「いやーんこわーい。イギリスさん助けてー」
「キモい無理」
「うぅっ…悪口を言われて、気分が悪くなってきました…」バタッ
「おい!その演技さっき見たぞこのやろー!いい加減にしろよてめー!」つかつか
「いやー!見知らぬ男が暴力を振るってくるー!誰か助けてー!」
「は、はぁ!?俺は何も…」
「お助けをー眉毛をー笑いをー」
「ひとりでやってろババァ」
「いやー!イギリスさんが言葉の暴力を振るってくるー!誰かー誰かー!」

「大丈夫か!?」ダダッ

「プロイセン…!?」
「何やってんだよロマーノ!困ってる女性がいるのに手を差し伸べないなんてお前らしくねーぞ!」
「俺も…信じられないよ…」
「ヴェネチアーノまで!?」
「ほら、立て」
「あ…ありがとうございます…」ぽっ
「よぉプロイセン、お前の恋人さんがやらかしてくれたみたいだぜ?」
「イギリス……何をだ?」
「浮気だ。俺の女に手を出しやがった」
「ええ、私を無理やり…」
「マジかよ…」
「ち、違うぞプロイセン!俺は何もしてねー!本当だ!」
「加害者は黙ってろ。何なら、出るとこ出てやってもいいんだぞ。お前に弁護士雇う金なんてあんのか?」
「確実に負けますけどね。こっちが」
「余計なこと言うな」ぽかっ

「ロマーノ…お前…」
「兄ちゃん…」
「違う!ほんっとーに違うんだ!お願いだ、信じてくれ!!」



・イタリアちゃん、黙る。


「プロイセン!俺の無実を信じてくれ!俺は何もしていない!本当だぞこのやろー!」
「じゃあ、何でホテルから出てきたんだっての…」
「それは、この女が頼むからホテルで休ませただけだ!しかもロビーでだぞ!?受付に聞けば分かる!」
「イギリスさん」
「案ずるな。買収済みだ」

「あのよ…ロビーで休ませた人間は誰もいないって受付に言われたんだけど…」しょぼーん
「は、はぁあ!?お、え、な、何で…!ちょ、待て!俺がもう一度確認を…!」
「おい、往生際が悪いぞクソ野郎。惨めったらしく否定してないで白状しろや。俺は浮気をした最低のクズだってな」
「でも、俺は本当に何もやってねー!ホテルに行ったのもコイツが…」
「『気分が悪いのか?ならあそこ行こうぜ』ってニヤニヤしながら言われたんです…。拒否したら、『腐ったトマトぶつけるぞこのやろー』と脅されて…」くすん
「てんめぇ…!よりもよってトマトとは…!何で腐った卵を選ばなかったんだコルァ!いっそのこと醤油にすりゃ良かったんだ!その方がコイツのクリーニング代が嵩むだろうがゴルァ!!」
「醤油でしたら飲み干しちゃいますね。だって塩分だもの。そると」
「見ろ!テメェのせいで自殺願望まで発症してんじゃねーか!どう落とし前付けてくれんだ!?あぁ?今すぐ呪ってやってもいいんだぞ!世界を暗黒の闇に引きずり込んだっていいんだぞ!」
「イギリスさん、ハシャギすぎですよ」
「ああそうさ!俺はリア充が大嫌いだ!全員爆発すればいいと思ってる!真っ暗闇に打ち上げられたリア充花火はさぞかし眺めがいいだろうよ!なぁ日本!たーまやー!!」
「“日本”って誰ですかあなた」つねり
「イデデ…」



・イタリアちゃん、痛む。


「兄ちゃん…何でイギリスの彼女なんかに…」
「軽蔑の目で見んなこのやろー!この女が言ってることがおかしいんだぞ!いきなり態度変えやがって、俺を嵌めようとしてんだ!」
「ハメられたのは私なのに…」くすっ
「ロマーノお前、他人の彼女を寝取った挙句に嘘付き呼ばわりか?それはちょいと虫が良すぎるんじゃねーか?」
「だから違うって…!」
「あ?」イラっ
「違います…。信じてください、本当に違うんです…」
「そこまで言うなら証拠見せてみろや。俺の女に手を出してないって言う確固たる証拠をよぉ!あんのかコルァ!スコーン食わせて奥歯カタカタ言わせてやろうか!?」
「まんまチンピラですねぇ…」

「ヴェ、ヴェネチアーノ!お前なら知ってるよな!俺がプロイセン以外には一切手を出してない、出すはずが無い程プロイセンを愛してるってことを!」
「でも…ホテルから出てきたのは事実でしょ?俺も目撃したし…」
「これはいわば事故だ!変なヤツに絡まれただけなんだ!」
「どっちが変なヤツでしょうか!そこんとこ詳しく!」
「どっちもに決まってんだろこのやろー!」
「ねぇ兄ちゃん、無実を示す証拠は何か無いの?そうしないと、疑いは晴れないよ」
「おやおや。やけに親身になってきましたね」
「曲がりなりにも兄弟だからな」

「証拠って言われても…何もねーよちくしょう…」
「ロマーノ。ツイッターはどうだ?」
「へ?」
「最近始めたろ。あれ見たら、無実が証明されんじゃねーのか?」
「プロイセン…俺を信じてくれんのか?」
「まぁ……浮気疑惑は後にしてよ。イギリスの怒りを納めないとヤバいだろ。アイツ、マジで怒ってんぞ。やけにノリノリだぞ」
「そうだよ兄ちゃん…あんなの俺の予想以上だよ…」
「……わ、分かった。これ見せりゃ、俺がどれだけプロイセンを愛してるか分かってもらえるはずだよな。えっとケータイケータイ………は?」
「兄ちゃん、どうしたの?」
「おいおい、ケータイが無ェ!どこやった!?まさか落としたか!?」
「ホテルに?」
「ちげーわ!嘘だろ、確かに持ってたはず…」

「『ホテルなう。今から一発やってくる』。ひっでーなこれ。浮気確定じゃねーか」
「うわぁ…私だけに飽き足らず、こんなにたくさんの嫁を……」

「ああーっ!俺のケータイ!」
「隙を見て盗まさせていただきました…」くすん
「何やってんだこのやろー!」
「それはこっちの台詞ですよ……」くすくす
「笑ってんじゃねーか」
「ふぇ?そんなツイートあったっけ?」カタカタ
「えぇ?ど、どういうこと?何の話?」カタカタ
「プロイセン!俺はやってねーぞ!そんな呟きした覚えも無ェ!」
「おう、ロマーノの言う通りだ。該当ツイートが見当たらねぇ」
「そ、そうだよ二人とも…じゃなかった、イギリス!俺、そんなの全然知らないよ!?」
「そりゃそうだろうよ。テメェとは無関係のところで行われたんだから」
「やるなら徹底的に。ということで、少々保険をかけさせていただきました」
「ちょ、ちょっと…!」

「イギリス、どういうことだっての」
「フッ…無知とは哀れなモンだぜ。プロイセン。世の中には、“複数アカウント”っつー技があんだよ」
「略して“複アカ”…用途に応じた使い分けをするためですが……実はこれ、浮気にはもってこいなんですよね」
「ケータイ複数持ちでも良かったんだけどな。せっかくだから、ツイッターで工作できるか実験して……イダッ」
「やだぁー。そのアカウント、不潔な発言だらけじゃないですかぁー。こわいこわいーチョベリバー」
「その棒読みも何とかならねーのかよ…。見ろよプロイセン、コイツの隠しアカウントから送られた呟きだ」ぽいっ
「………」
「ツイッターは最近始めたと言うが、真っ赤な嘘だな。フォロワー以外にゃ非公開だから知らなかったんだろうが、ずっと前から始めてる」
「いやはや酷いですねー。『今日は恋人がいないから会えない?シャダイカフェ行かない?』とか『お願い!店内で食べるのは我慢するから!グッズ買いたいだけだから!』とかとか。少しばかり必死すぎでしょう。ま、行けることになったんでしょうね。絶対混み合っているでしょうね」
「しかし、フォロワーの名前がおかしいな…。綾波レイやら浅倉南やら、どこかで見たことがあるような…」
「ええ。全員私の嫁です」
「お前…まさかフォロワー全員分のツイートを…」
「想像で呟かせていただきました」にっこり
「ご苦労なこって…。おいプロイセン、ソイツら全員ロマーノの浮気相手だってよ。ま、向こうも旦那がいるみたいだから後腐れの無い関係ってことか」
「………」
「絶句か」
「九点絶句ですね」

「ね、ねぇ!」
「どうした」「何か?」
「ちょっと、二人とも酷すぎるよ!兄ちゃんなんて、すっかり意気消沈しちゃってるじゃん!」
「冤罪ってこうやって起きるんですね。勉強になりました」
「俺らが警官だったら終わりだな」
「もうやめてよ!ここまで追い詰めてほしいなんて言ってないのに!」
「お前がどう言おうと知らねーよ。俺はイタリアのためにやってるんじゃねぇ、俺のためにやってんだ」
「人の不幸は蜜の味。イギリスさんにとっては、あなたの不幸も蜜の味なんでしょう」
「そんなぁ…」
「俺はリア充が嫌いだからな。お前みたいにキラキラヘラヘラしてるヤツなんて特に大っ嫌いだ!」
「僻み根性爆発してますね」
「日本!日本はこれでいいの!?これで付き合えたって、後味悪すぎでしょ!?」
「私は何とも。終わりよければ全て良しですよ。ほら、今がチャンスです。どうぞプロイセン君を慰めになってください」
「な…何で…」
「恋愛成就のためには、どんな手段だって正当化される。そう言ったのは、どなたでしたっけ?」
「…!」
「これも一つの手段ですよ。あなたは、私とイギリスさんの力を借りてロマーノ君を陥れた。それでプロイセン君と結ばれることが出来るならば、それでいいでしょう?それだけ彼を愛しているのですから」
「でも…!」
「でも?でも、何ですか?そこまでは愛していない?そんなやり方卑怯だ?でも、好きだ、愛してる、付き合いたい。そうじゃないんですか?あなた、一体何がしたいんですか?」
「……」しょぼん
「これぞ見事な六点絶句!」いよぉーどどんっ
「口答えくらいさせてやれよな…」



・イタリアちゃん、怒る。


「はは…。そっか…そうだったんだな…。悪かったなロマーノ…やっぱお前、男の俺様より女の方が良かったんだ…」
「違う!違うんだよ…お前は騙されてる…。俺がそんなこと…するわけ…」
「でも、こんなの見せられちゃよ…」
「だからそれは…!俺のじゃねぇ…俺のじゃねーのにちくしょお…」

「ハハハ。最高の展開だな」
「些か楽勝すぎましたね。もっと難しい案件だったら宜しかったんですけど」
「例えば?」
「うーん。アメリカさんとハンバーガーさんの仲を引き裂くとか」
「無理だろ。アイツ、ハンバーガーと結婚する気だぞ」
「だから面白いんじゃないですか。包み紙にイギリスさんの顔を印刷したら食欲失せるんじゃありません?」
「いやいや、何も見ずに食ってるからな。俺はこの前、アメリカが包み紙を0.5秒で引き剥がしたのを見たぞ」
「ううむ…要検討ですね…」
「………」
「イタリア君、どうされたのですか?すかさずプロイセン君の傍に行かないと…」
「えいっ!」サッ
「あっ!カツラが!」
「そいやっ!」ズバッ
「ああっ!スカートが!」
「どりゃあっ!」
「あぁんっ!パン「やめろイタリアぁ!不快なモン見せつけてんじゃねぇ!」

「え…?」「お前…!」
「見てよ二人とも!この人、女装した日本だよ!」ぷんすか
「「えぇえぇえええええええ!?」」

「って、ことは…」
「まさか…」
「ふぅ…バレてしまっては仕方ありませんね。そうです、私は…」
「イギリスと日本って付き合ってたのか!?」がびーんby普
「ちげーわボケェ!誰がこんな性悪狸じじぃと!」
「イギリスさんと付き合うくらいだったら味付け海苔さんと付き合いますよ。まぁ…実際に付き合うとしたら台湾ちゃんですけどね…ふひひ…」
「おい!何だよソレ!つまり、二人して俺をハメようとしたのかちくしょーが!」
「ロマーノ君をハメるくらいなら天河さんをハメますよ。まぁ…実際に「嵌めるっつーよりドッキリを決行したまでだ」
「ドッキリ?」
「ああ、お前らの愛を確かめる為にな。相手に浮気疑惑がふっかけられても、恋人を信じられるのか試してみたくてよ」
「はぁあ!?あんなツイッターのアカウントまで作られちゃ勝ち目ねーだろーが!」
「プロイセン君はすこぶる優しいお方ですから、少しハンデを付けさせていただいたのです。そしてイタリアちゃんは仕掛け人の一人。と言っても、ドッキリのネタばらしをしてもらう役割で来られたんですけど。ね、イタリア君?」
「……二人とも、よくそこまで口が回「ねー?」
「ヘラヘラしながら頷けよコラ」
「……うん、そうだよ。でも、俺はもうコリゴリだよ」
「仕掛けに凝りすぎたからか」
「私達、全然懲りてませんけどね」
「ううー…この二人に頼むんじゃなかった…」



・イタリアちゃん、羨ましがる。


「どうも怪しいぞこのやろー」じろっ
「こっちみんなカス」ぎろっ
「……ごめんなさい、イギリス様」
「に、兄ちゃん!謝る必要無いんだからね!謝るのは寧ろ向こうなんだから!」
「あん?ああ、悪かった。とても反省している。これでいいか?」
「何でもするから許して下さい、とイギリスさんが申しております」
「お前がやれ!」

「な、なぁ日本…。ってことは、ロマーノの浮気ってのは…」
「私、男ですよ?脱がせてたらすぐに気付くじゃないですか」
「そっか…そうだよな…。ロマーノお前、無実だったんだな…!」
「たりめーだろこのやろー!お前がいるのに他に目移りするはず…ねーだろぉ…」ぐすっ
「おいおい、泣くなよ。何もなくて良かったんだから」
「だって…ひぐっ、みんな信じてくんねーし、プロイセンまで…俺を、そんな、目で……」
「……ごめん」ぎゅっ
「プロイセン…愛してんぞちくしょぉ…」ぎゅうぅううう
「俺も愛してるぜ。これからは、何があってもお前を信じてやるよ。俺様は、いつでもお前の味方だ」
「ぶろいぜぇえん……キスぅ…キスしたってぇ…」ぼろぼろ
「ははは。男前が台無しだな。泣きやめよ」チュッ
「もっとぉ…」うえぇえぇえええん
「はいはい」ちゅっちゅー



・イタリアちゃん、困る。


「よーし!俺達、デート行ってくる!」
「次に似たようなドッキリ仕掛けたら許さないからなこのやろー!」
「分かりました。別のドッキリ仕掛けます」
「やめろっての!…ドッキリにしろ今回はやりすぎだ。このことはヴェストに報告しとくかんな。覚悟しとけよ」
「分かりましたー。イタリア君に罪をなすりつけておきまーす」
「やめてってば!そんなことしたら、俺とうとうドイツに首輪付けられちゃうじゃん!プロイセン、俺じゃないからね!絶対絶対違うからねー!!……ううっ、行っちゃった…」

「しかし、アイツら絆がグッと深まったんじゃね?」
「ええ、非常に好都合ですよ」
「何でだよ」
「仲の良さがレベルアップしたということは、その分、仲を引き裂く難易度も上がったと言うことでしょう」
「あ、なるほど。やりがいがあるな」
「へ?」
「しかも、我々は『浮気』という最も使いやすいカードを失ったんです。となれば、次の計画の成功率は益々低くなります」
「だな…。腕が鳴るぜ…」
「ね、ねぇ?二人とも、何の話を…」
「今度こそお前にゃ関係無ェ。大体、イタリアのせいで失敗したんだぞ」
「ええ。今度はイタリア君抜きでやらせていただきます」
「は?ま、待ってよ。俺が頼んだから二人を別れさせようとしたんでしょ?俺がいなかったら意味無いじゃん」
「どうしましょう。ロマーノ君を嵌めると只の弱い者イジメになってしまうんですよね」
「そうだな。好感度が地に落ちるな」
「あなたの場合、元々地べたをはいずり回ってるからいいでしょう。それに引き換え、私は…」
「お前こそ全員実態を知ってんだろうが」
「あのさ、俺の話を…」
「分かりました。ターゲットを変えましょう」
「ふん、最初からそうすりゃ良かったんだよ。あっちのが断然メンタルがタフなんだから」
「ね、ねぇってば!」
「うるせぇ」げしっ
「うわっ!」べちゃ

「ですが、どうやって攻めたらいいんでしょう」
「やっぱ手っ取り早くヤっちまうのがいいだろ」
「誰がですか?」
「俺」
「いいんですか?」
「アイツならいい」
「へぇー珍しい…。しかし、そこで被害者面されたら…」
「ふふふ…俺には秘策があるからな。聞きたいか?特別に聞かせてやろう」
「はい、どうぞ」
「名付けて『パブロフの兎』作戦だ!俺が全力で調教してやる!」
「あーはいはい、よくあるやつですね。エロい条件付け頑張ってください」
「もっと反応しろよな馬鹿!」

「な…何でこうなるのぉ……」がっくし


‐‐‐

分かったこと

・朝菊(悪役ver.)=悪魔
・ロマーノは可哀相な役が似合うぞちくしょーが
・イタリアちゃんは調子に乗ってるとすぐ痛い目を見る
・ぷーたん空気


直し入れたら、結局これくらいの長さになった罠(笑/二倍くらいになってます…;)
恐らく、mainで書くときは全然違う話になります。kaiwaは朝菊の独壇場になりがちなので、こんな酷ブツが出来上がりましたけれども。


「はぁー…疲れたぁー…」
「おーロマーノ!今日はプロイセンとのデートやったんやろ?そんな顔してどうしたん?楽しくなかったん?」
「んなわけねーだろこのやろー…。デート前に、ひと悶着あったんだよ」
「何なに?ロマーノの幸せを邪魔するヤツは、親分が許さんで!」
「それがよぉ…イギリスの野郎が…」
「……なんやって?」ピクリ


まぁ、朝菊相手なら、強力な味方を手に入れないとねwもちろん、ハンバーガーの旦那さんも朝菊の敵ですぞ。
ではでは、リクありがとうございました!続編と言うより、t☆t設定の朝菊劇場になってしまいました。書いてる本人はすごく楽しいんだがね!ごめんごです。では!