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魔王とその騎士の世界


君が王になったら 僕は君の為に戦おう






君が泣いていた日を憶えている
抑え込もうとする鳴き声は 漆黒の絵本に反響し
輝く粒は 君を傷付けた玩具を濡らし 枯れた


そんなに泣かないで
君に似合うリボンを見つけたんだ


その小さな背中に秘められた いつかはこの世界を統べるであろう焔

幼い顔つき
あどけない足取り


桜色の頬
いっそ この手で


嗚呼 真愛なる我等が王よ

獅子の玉座は 君が目覚めるその時まで
決して敗者は認めようとしない



飛び散る真紅?
そんなもの存はしない

残るは純白な灰
醜い雄叫び
君達は彼の足下にも及びはしない


もし存在すると云うなら、ねえ神様
どうして彼を創ってしまったの
僕がどんなに胸を広げようとも
僕がどんなに君を愛そうとも

神様、
あんたのお陰で
彼は一人ぼっちになってしまったよ.








王になりたくなかったと


彼は泣いた




















せめて もと.
僕は君の側に居れるように強さを求めて走って来たけど


君はこの世界を裏切りはしなかった

残酷な王と人は呼ぶけど
違う
君は本当は 誰よりも優しい王様なんだ


夜空を映したような髪
その眼に宿すは静かな焔

笑うようになったね、なんて
恥ずかしくて言える訳ないね

君は いつの間にか
僕より大きくなって
いつも額にキスしちゃうんだ

もしかしたら

君が僕と居てくれるだけで

僕は「幸せ」なのかもしれない



「魔王様」




世界でいちばん君がすき!







(だから今日もぎゅっとして
オツカレサマ、て キスしてくれるだろう?)

飛翔

こうして彼は 魔王となった











背に生えた黒い翼
希望も見えない黒の髪
汚れることを望んでいた

長い年月
忘れたメロディー
この目に映るは囚われた歴史


嗚呼
そう 私はもう 諦めているのだ


何人たりとも私に触れることは出来ない
隠した心
棄てた記憶



絡み付いては消えてゆく
誰も私を見てはいないから




どんなに永く時を超えても
どんなに力を手にしたとしても


私はもう亡くしてしまった

同じ時を過ごせぬ苦痛




神にでもなれたらいいのに





口付けを交わしても
それは約束ではないでしょう?



導くだけなら安いもの
貴女達は私の手によって踊っているのだ








自分でも解らない
不安になる
足元は何でこんなにも不安定なの





お願い殺して
耐えられない世界などいらない

最後はこの刃で息の根を止めてあげる





幾ら艶やかな声をあげたって
違うでしょう?
全部 全部 間違ってる








この足を踏み出してしまえば
嗚呼 刹那 こんなにも簡単なことなのに












守ることにも疲れたから

少しでいいから息をさせて

お願いだから力を消して

その腕で私を押さえつけて






















苦しい苦しいこの世界
私は今日も絶望する



どうして私が。
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