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断絶の壁

話題:ふと思うこと。

自分の時間を優先することは、だれかと生きることを選択した時点でうしなわれていることに気づく。仕事と家事以外にしたいことはたくさんあるし、むしろそっちがメインで生きているからこそ仕事や家事をがんばっている。自分の時間のたいせつさを知っているからこそ、確保するためにこなしているのに、その時間を奪われるのが、だれかと生きるということ。

彼が借金返済のために始めたダブルワークを2日目で辞めたいと言いだした。そんな気配のするライン、帰宅してからの文句を聞きながら、辞めたいんだろうなと察する。案の定辞めると言い、責めてもないのに逆ギレをされ、寝るまえの読書時間をうばわれる。けど、ここで話を聞かないとだめなんだ。なんどもおなじ過ちを繰り返し、ようやく理解したことを実行する。ああ、人間関係ってめんどくさい。生ものだからこそ簡単じゃない。大事にしないとすぐこわれる。そんな繊細なものをあたしたちは何十年も構築している。

人間関係の失敗といえば、父親の死。あたしはいつまでも後悔をし、たのしかったことと苦しかったことが綯い交ぜになった記憶を抱えながらなにができたのか、いけなかったのかを考える。あたしが恋人と別れないのは、父親にできなかったことをちゃんと成し遂げたいだけなのか、妙な意地を張っているのだろうかと思うくらい、根深くあたしのなかに植えつけられている。あたしたちはなにを間違えたのだろう。父はなにを望み、死の間際になにを思い浮かべたのだろう。あたしたちはかなしむことすら許されない気がした。別れることを選んだら、そこで無理やり縁は断絶される。別れとはとてとつよい破壊。巻き戻せない時間を、あたしたちは尊く生きていかないとならない。重い十字架を背負いながら、きえない罪の意識とともに。

恋の種をポケットに

話題:プレゼント

12月になった途端、冬がやってきた。降ってきたような寒さにつつまれながら、この冷たさを待っていた自分に気づく。冬すきなわたしの季節が幕を開けたと独りごちた。

彼の誕生日にほしいものをプレゼントした。ふだんは簡単にしか作らない夕飯をすこしがんばって作りながら、わたしはこのひとの誕生日を自分の誕生日のように祝福しているんだなと知る。わたしのなかに、彼はまだいる。そう実感しながら喜ばれたプレゼントにセンスいいでしょうと冗談を投げかけ、だいじにするということばに満足しながら洗い物をする。用意したケーキは半分だけ食べ、残りはあしたと誕生日がすこしだけ持ち越されたようなうれしさがあった。わたしにとって誕生日は特別で、家族間で毎年の恒例行事となっているプレゼント交換に彼も含まれていることに、わたしたちの関係も恋人の枠を越え、家族へと向かっているような気がした。あたらしい出会いを期待しなくもないけれど、それは韓国ドラマを観たあとにあんなすてきなひとと出会いたかったという夢であり、非現実でフィクションになってしまっていることに気づく。わたしのなかにもう恋なんてはじまらない。枯れてしまった恋の種をポケットにしまいながら、時おり眺めて満足する。もう恋なんてはじまらない。言い聞かせているのか、断言してるのか、わたしたちの関係がこの先もつづく保証も自信もないのに、わたしはどうしてこんなにも悠長に身構えているのだろう。

ことしもあっという間におわりそだ。そして、来週には30歳になっていて、大厄に怯えているのだろう。
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