けんちゃんは娘のことを『ムチコ』
と呼ぶ。
初めて娘を見たのが、彼女が中高生の時で、
足がムチムチだったから。
(今でこそ女子大生となってスリムになったが…)
『私が幸せだと、
ムチコに悪いことが起きるような気がする』
『なんでそんな悲しいこと言うんですか?
それとこれとは別の話です。
ねーさんの考えでいくと、僕たち別れなきゃならなくなりますよ(´・_・`)』
『それも、ちょっと考えた。』
『ねーさんが幸せじゃなきゃ、ムチコも幸せにはなりませんよ。
今回は一歩間違えたら大変なことになってたと思いますが、
無事でよかったじゃないですか。
ねーさんは母親として、ちゃんとムチコに言い聞かせるべきです。
ムチコは話せば分かる子ですよ。』
けんちゃんの方が、
ずっと娘をわかってる。
私の心情も理解してくれてる。
『ねーさんは幸せになっていいんです。
今日は冷静さを欠いてるのでネガティブなことを考えてしまうんですよ。
眠れなければ、目を閉じるだけでもいいから
今夜はもう休んでください(^^)』
けんちゃんは、
昨夜夜中の3時半まで私の相手をしてくれた。
娘の身の回りで問題が起きた。
今年に入って何度目だ?
自分がしっかりしていれば回避できたことだから、自己責任といえばそうだ。
やはり、あのドンくさい子を東京なんか行かせなきゃよかったとか、
私の育て方がマズかったのかとか、
都会の空の下、
ひとりぼっちで不安な気持ちで一夜を過ごしたんだろう。
離れていると、
叱るに叱れない。
助けたくても助けられない。
色んなことを考えてたら
吐き気がしてきて涙が止まらなかった。
考えた先、たどり着いたのは
私が幸せだと
娘を不運が襲うのか…ってこと。
誰かが言ってた。
人はそれぞれ 幸と不幸のバランスが取れてるって。
お金はあるけど 健康に問題があるとか、
ビンボーだけど 家族が健康で仲良しだとか、
容姿端麗で不自由なく生きてきたけど
男運だけがないとか。
大好きなけんちゃんに
大切にしてもらって、
いつもそばにいられて、
きっと人生で今が1番幸せだと思う。
でも、
こうも娘に色んなことが降りかかるのなら…
『けんちゃん、
私、幸せになっちゃいけない気がする…』