職場のお姉さんと執事喫茶に行ってきたわ。
池袋の有名なお店だけど、まさか私が執事喫茶に行くことになるとは思ってなかったわ…、なんでって私ったらずっとメイド喫茶に行きたがってたのよ。なんで急に執事喫茶?
まぁ職場のお姉さんと折角仲良くなれそうだし、当たっても外れても面白そうだから予約も取ったんだけど、制約が長くてお硬めのお店なのはそれだけでよく伝わってきたわ。
場所は私御用達のK本薄い本館の真下。
いつも何かあるなぁとは思ってたけど、まさか歴史ある執事喫茶だとはあんまり思ってなかったわよね……。人がいる気配を感じなかったんだもの……お嬢様って気配を消せるのね……。
階段を下って曲がった先にはドアマンの方が。
ドアマン「お帰りなさいませ、ご予約のお名前をお伺いして宜しいでしょうか」
私「〇〇です」
曲がったら不意打ちで眼鏡の燕尾服が居たからときめいちゃったわ。
まだ中に入ってないのに私の心臓ったら気が早いわね!
ドアマン「それではご帰宅のお時間です。そちらのドアの前にお立ち下さい」
お姉さん「はい」
私もお姉さんもドアの先に待つ未知の世界にドキドキ。
曇りガラスの向こうに執事の方のシルエット、ドアを開けてくれたのは🌹執事🌹だわ!!!!と思わず頷いてしまうような叔父様。
叔父様にコートと傘を預けて紹介されたのがフットマンの方。
フットマン「お嬢様のお世話をさせて頂きます〇〇と申します」
私「(眼鏡……)」
燕尾服が似合って居て眼鏡が素敵な好印象の若い男性だったわ^^眼鏡が好きだったから顔は二の次だけど多分イケメンだったんじゃないかしら…。
もぉ〜〜〜〜〜〜いやねぇ〜〜〜〜〜!!!!ほんと私人の名前覚えないのよ!!!!!2、3回言われたけどもう昨日のことだから忘れたわ!!!!!!脳味噌詰まってなくてごめんなさいね!!!
荷物をフットマンの〇〇さんにお預けして席まで案内されたわ。
〇〇さん「こちらが本日のお席になります」
うわっシャンデリアまぶしっ!!!!!!
とにかくシャンデリアがでかくてその下の席だったわ。
椅子を引いて貰って膝にナプキンを敷いて貰って、おしぼりを手に乗せて貰って、そこまでしなくても良いわよと言いたくなるのは私が庶民だからね。仕方ないわ。
フットマンに館内の説明を受ける私とお姉さん。
〇〇さん「私共のことは道具のように扱って下さって結構です」
お姉さん「いえいえそんな…」
〇〇さん「使って頂かないと、私共使用人は不使用人になってしまいますので」
気さくなフットマンで良かったわ。
女性みたいな綺麗な方や「あれは絶対ドS」みたいな使用人さんもいらっしゃったけど、初めてで使用人にドS対応されたら多分戸惑っちゃうわね。
メニューが来るまで何をどうしたらいいのかまっったく分からなくて
お姉さん「メニュー持ってきて貰うんですかね?」
私「えっ、ベル鳴らします?」
って二人で最高にキョロキョロしてたわ。
使ったおしぼりをテーブルに直置きしていいのか分からなくて二人でおしぼりを握りながらキョロキョロしたのが今思うと最高にギャグよ。
暫くして持ってこられたメニューを見ながらフットマンにメニューの説明を受けたわ。
ページを捲るのにもたついても待っててくれるし、凄く丁寧に説明してくれるから私みたいな年中サイゼ単品女にはハイレベルなサービスよ。お値段もハイレベルだけど🌹
ベルを鳴らして(これもドキドキしちゃうわ💕)フットマンを呼びつけ私とお姉さんでヴィクトリア(なんか優雅なお茶会に出て来る皿が重なってるやつと、季節のデザートのメニュー)を注文。
下段をキッシュとサンドウィッチから選べるんだけど、キッシュってよく聞くけど実態がわからないからサンドウィッチにしたわ。
スコーンはダージリン、プリザーブの意味が分からなくてずっと「プリザーブドフラワーと関係があるのかしら…」って思ってたんだけど、実物が出てきてやっと分かったわ。つけるクリーム的なヤツね。
名前だけで適当にクロテッドクリームとストロベリーにしたけど、ストロベリージャムのことだったのね。
安物のジャムしか知らないからジャムが美味しすぎてビビったわよ!
サンドウィッチもめちゃくちゃ美味しかったわ!!!!
TDCの素うどん(最安値)やコンビニの塩おむすびばっかり食べてたからかしら…
「これが食事って言うのね……」
ってつい感動したわ。人間らしい生活って大切なのね………。
そういえば紅茶は11月のバースデーティーにしたわよ。
お姉さんの所に来たティーカップが薔薇があしらわれてる綺麗なティーカップで、お姉さんのイメージに合わせたんだろうなぁ💕って思ってたら、私の所に来たカップが「プリンセスブルー」で「オタサーの姫的な奴だと思われてるのかしら…」とちょっと戦慄を覚えたわ。
いつも安物しか飲まないから何も分からないけど美味しかった……フットマンに感想を尋ねられたけど「香りが良くて美味しいです」ってもうちょっとつっこんだ感想言えない自分が不甲斐ないわ〜〜〜〜!!!!やんなっちゃうわね!!!
そして館内では撮影はおろか電子機器の使用が禁止されてる現代っ子に優しくない仕様なのだけど、私いつも携帯を時計代わりにしていたし、お姉さんもそうだったから時間が把握できなくて詰んだわ。
フットマンに残り30分と告げられてからプレート1枚を急いで平らげるお嬢様であるはずの私とお姉さん。
時間の流れおかしいんじゃないの!?!?
〇〇さん「お嬢様にはいつまでもここに居て欲しいところではございますが、お嬢様はご多忙な方でいらっしゃいますから…」
私とお姉さん「(ご多忙…笑 って顔)」
お姉さんはともかく私は一日ご多忙じゃないからもっとゆっくりしたいわ。
季節のデザートはフレイアにしたけれど私柚子苦手だったのよ。柚子とオレンジのジュレがあるの忘れてたわ。
とりあえず出てきたデザートの綺麗さに感動。
バニラアイスが美味しすぎて変顔しちゃってお姉さんに爆笑されたわwwwwwwあらやだ恥ずかしいwww
ハーゲンのバニラ!?もしやそれ以上!?って思うほど美味しいバニラアイスだったのよ!!!!!!!
柚子とオレンジのジュレも私柚子苦手なのになによこれ〜〜〜〜!!!!!!!
夏蜜柑みたいな味で美味しい〜〜〜〜!!!!
天国じゃないのよ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
普段塩おむすび食べてる女だからかしらね、食でここまで幸せを感じたのは生まれてそう何回も無かった気がするわ。
時間になって多忙らしい私達はフットマンの〇〇さんとドアを開けてくれた叔父様執事さんと外で寒い中ずっと立ってるドアマンさん(で合ってるのか?)に見送られながら執事喫茶を後に。
叔父様執事さんがお見送りで
「あまり遅くなられますと皆心配致しますので、できるだけお早いご帰宅をお待ちしております」
って言った瞬間。
「あぁここは私のお屋敷なのね…」
私はあの執事達のお嬢様になったわ。
叔父様執事さんうますぎないかしら!!??
なんか本当に心配かけちゃう…みたいな雰囲気だったのよ!!!!
こわい!!!!!!執事怖いわ!!!!!!!!
帰宅の時に降りた階段を出発のために登る私達。
登った先の曇り空と目の前のK本にここが池袋だと言うことを思い出したわよ。
私達が優雅にお嬢様やってる時に、頭上ではオタク達が必死に薄い本を漁っていたと思うとなんだか感慨深いじゃないの。
まさかから始まった唐突な執事喫茶。
また帰宅したいわ……🌹
そういえば皿を取り替える時はフットマンを呼ぶのだけど、その説明の時に
〇〇さん「(皿を指しながら)紅茶…ではありませんね!お皿を取り替える際は私共で行いますのでお呼び下さい」
私とお姉さん「^^ 笑」
〇〇さん「失礼しました。今のはお忘れ下さい^^」
ってくだりがあって、「あ〜よかった同じ人間だわ」って安心したわ。