気まぐれ猫と彼岸花

愛迷エレジーを聞きながら久しぶりの色鉛筆。

痛いと君は笑う

という歌詞が好き。

時々、時々やけど俺は坊が疎ましぃて仕方のないときがあるんや。多分やけど嫌いなんとは違うんやと思う。ただ、志摩。そう、志摩という名が、立場が原因なんや。
小さい時から、坊のため、勝呂のためにと育ってきた。兄たちは、まだいいほうだ、俺など歳が同じなため常に坊の側にいなければいけなかったのだから。下手に坊が怪我などすれば、酷く叱られ、危ないときでさえ真っ先に父は坊の身を案じた。
だが、俺が坊に抱いたのは恨みではなく、恋慕、そして畏怖だった。幼なじみとして、彼の側にいた。物心など突く前から。…だから、嫌というほど見てきた。他人にも自分にも厳しい、その姿を、幼いながらに必死に辛い道を進み傷ついた姿も、本当は顔に似合わずとても優しいことも。そんな彼だからこそ、俺は嫌いになったりはできなかったし、守りたいと思ったのだろう。
だが、ふとした瞬間に思うんや。（それは、俺や子猫さんがいるからやろ？）と。坊は、常に真っすぐやけど時に、本人は自覚などないのだが自分が行動する時に俺や子猫さんが一緒に行くのは当たり前だと思っている節があり。平気で行くぞと声をかけてくる。そんな姿を見ていると、ふと（一人で行ったりどうですのん、坊？）等と吐き捨ててやりたくなる。坊の言葉に従うのが嫌なわけじゃない。むしろ逆だ。坊に従うのは楽だ。それに彼の傍は心地がいい。だからこそ、あえて言ってみたいのだ。多分、その言葉を聞けば坊は信じられ無いものを見るように俺を見、なに、言ってるんや志摩…と、そう不安そうに言うのやろ。簡単に想像できてしまう自分が……

「……摩、しまっ！」

目を開ければ、そこにはムスっとした表情の坊がいた。

「なに、寝とんねん！早よぅ起きな置いてくで。」

どうやら、祓魔塾の放課後寝てしまったらしい。外はすでに暗くなり初めていた。

「なんで、待っとってくれたりしたんです？…叩き起こすなり、置いて帰るなりあったやろ」

自分でも、おかしいと思った。建前、笑顔、なぜかうまくできないのだ。俯き唇を噛んだときだ、頭に温かい感触を感じ思わず顔を上げれば、なんちゅー顔してんねや。とへたくそに微笑んだ彼に頭を撫でられた。筋張った指に撫でられている内に、まるで付き物が落ちたように、さっきまでの黒い感情が無くなれば不思議と、顔が緩んだ…

「坊、見苦しいとこすいませんでした。」

自然と出た謝罪に自分でもびっくりしながらも、久しぶりに思い出した、懐かしいあの日の感情に、心は救われた。

―朝特有の、柔らかくも乾いた空気と、暖かな日差しに浮上していく意識。
たゆたう体は、いまだそれを許してはいない。起き上がるのが気だるい。
時計を見れば現在…６時。

「さてと…」

一言。意味などない言の葉を落とせば、体を起こす。軽い貧血によるいつものめまい。
額にかかる髪をかき上げ、窓の外に視線を流す。まだ、目に新しい風景が広がっている。旅を・・・逃避行をしているのだから当たり前だが、時々ふと・・・全部が夢で、いつかのあの味気ない自分の部屋の景色に逆戻りしているのではと考える。

・・・馬鹿みたい

ただ、刺激を求めたあの頃はこんな日々が来るなんて考えもしなかった。
いつか聞いた《もうひとつ》を、遠く感じ・・・おとぎ話くらいにしか考えていなかった。

「麗！！朝ごはんだって！！！」

能天気なあの声の持ち主があたしの《もうひとつ》

「麗、いやな夢でも見たの？」



ふわりと近づいてくる・・・

満ちていく・・・・・・

果てしない、極彩の色


「ううん。夢なんて見なかったわ・・・・だけど、今きれいな世界なら見てるわ。」

あたしが笑えば、同じように返してくれる。

「変なの、けど・・・良かった」

「燕兎、ご飯・・・行きましょう」

あえて返事は、返さない・・・だってそうでしょう




　　　　《もうひとつ》




なんだから。

夜雨の湿気を含んだ空気を肌に感じながらあえて明かりを付けず、ベッドに座りちょうど横に位置している窓から、深い闇を見つめる。同じく部屋にいる薄は明かりについてなにも言ってこない。ただ隣のベッドに仰向けに転がっている。寝ているのかとふと、窓から視線を外し薄を見やれば、どうやら寝ているわけではないらしい。

―視線がぶつかる。

薄の氷のように澄んだ瞳と俺の深い紅が交わる。

「…嫌い……」

最初に視線を外したのは薄の方だ。さして興味がないとでも言うようにさっと視線を反らしながら、まるで呼吸をするように脈絡のない事を言いだす。

「…あん？」

思わず、苛立ち荒々しく問い返せば

「あはは、やっぱり馬鹿だねジュンは……嫌い…って言ったんだよ？」

ベッドの上、仰向けのまま、無防備過ぎるくらいにニッコリ笑いかけてくる薄にやっと理解する。

―あぁ、甘えてるのか―

ストンと腑に落ちた答えに納得すると同時に自然と浮かぶ笑みを隠すため再び窓の外の闇と雫に顔を向ける。

「あのなぁ、意味わかんねぇよ。」

あえて、口でそう答えながらも再び窓の外の黒と水滴から視線を戻せば、相手の横たわるベッドに近づく。

「…ジュン」

切なげに俺の名を呼ぶ声に不意にわきあがってくる…疼き。これが何かは知らないが俺はとりあえず薄の頭の横に腕を立て、静かにその口を塞ぐ。

「なぁ、止まねぇな？」

一瞬の沈黙…地面を打つ、だけの水の不協和音の後、口を離し、そう呟けば薄は無表情のままに、俺の頬を何のためらいも無しに力の限り殴り付けてくる。痛みと口に広がる鉄の味。

「嫌い」

薄は、また呟き今度こそ、綺麗に微笑んでいた。そう、泣きそうな顔で…

「知ってる。」

口の端を伝った血は薄の頬を濡らした。

…まるで、……

【オリキャラ比較バトン】

フィル「オリキャラ？を比較しちゃおうというバトンらしいね？じゃあ俺が司会するね？」

燕兎「バトン？」

フィル「質問に答えるだけだよ。」

燕兎「ふーん」

フィル「じゃあ早速」

【年齢】
フィル「先ずは歳からね。俺は…27才ね。」

燕兎「へー、もっと若いのかと思ってた。あっ俺は18才」

麗「ちょっと、燕兎！司会を無視しない」

フィル「麗は、失礼じゃなければ聞いていいかな？」

麗「あぁ、気にしないで。あたしは17よ。」

フィル「じゃあ、最後は……ってリールダメだよ犬を食べようとしちゃ。じゃなくて大体12くらいだよ」

【精神年齢】

フィル→麗≒リール→燕兎
フィル「大体上の並び順だね。リールはけっこう精神的には大人だよ」


【感情】
燕兎「フィルは、いつも困ったように笑ってるよね。」

フィル「そうかな？でも燕兎はストレートだよね。」

燕兎「だって、隠す必要ないじゃん。麗は、心を開いた人間にはストレートだよね。」

フィル「リールはいつも無表情だけどね」


【思考】
フィル「思考…か、うーん、リールは合理的かつ気のむくままだよね。」

麗「あぁ、確かにリールはそうよね。…フィルは…理論的というか全てにおいて達観してるわね。見ようによっては冷たいかも。」

フィル「えっそうかな？」

麗「えぇ。でも優しいのはみんな知ってるから大丈夫よ。燕兎は感情に流されやすいわよね？納得できることは納得できる無理なことは無理って感じよね」

燕兎「麗は現実的だよね？あまり理想論を語らないっていうかさ」

【身長】
フィル「身長か…俺は180くらいかな？で、リールは、130くらい」

麗「あたしは…そうねぇ、162くらいかしら」

燕兎「俺は、175くらいだと思う？」

【声】
フィル「声か…」

麗「フィルは、テノール系の落ち着いた声よね！リールは、年齢特有で高めだけど凛としてあたしは好きよ？燕兎は、あんまり特徴はないけど穏やかで優しい声よね。」

燕兎「…麗は……いつも寂しい感じだけど柔らかくて切ない感じだよね。」

麗「あはは、なにそれ」

【視力】
フィル「次は、と。俺は人並みかな。」

麗「私も人並みよ。でもフィルの方がいいんじゃないかしら？」

リール「………？」

フィル「あぁ、リールは暗闇でも、遠く離れた場所まで見通せるくらいには、目、いいよ。」

燕兎「俺は………？」

麗「あんたは、いい悪いの前に千里眼的な力があるため、測定不可能よ」

【聴力】
フィル「…普通に比べたらいい方かな。リールは、広い街の隅から隅までなら聞きとれるよ」

麗「私は普通よ」

燕兎「俺さ、最近良くなった気がする…」

【音感】
麗「フィルは、あまり歌わないけどかなりうまいわよね。」

フィル「ありがとう」

リール「……ナニソレ」

燕兎「麗はさぁ、歌ってるとなんか雰囲気があって、特別上手ってわけじゃないけど、不思議な魅力があるよねぇ」

麗「（ムッ）そういうあんたは、歌は好きだけど若干外れてるじゃない？」


【運動】
フィル「まぁ、それなりにはね、リールはもはや野生動物だよ」

麗「うーん？周りの子よりは得意よ」

燕兎「俺はあんまり…でも逃げんのは得意！」

麗「はぁ（ため息）」

【喧嘩or戦闘】
フィル「争い事は嫌いだよ…」

リール「…食べれればそれでいい」

麗「売られた喧嘩は買うわ。もちろん返品不可でね（にこ）」

燕兎「…暴力はダメ絶対」


【舌戦or口論】
フィル「俺は苦手…リールは口より手が出るから口論にはならないね(苦笑)」

麗「得意よ（クスリ）」

燕兎「怖いの嫌だ（しゅん）」

【平均睡眠時間】
フィル「早寝早起きは基本だよね」

リール「……寝る？」

麗「別に普通よ？」

燕兎「早起き苦手〜」

【人付合い】
フィル「まぁ、大人だからね」

リール「………」

麗「まぁ、愛想はいいと思うわよ。」

燕兎「えっ、人類皆兄弟だよね？」

【身辺】
フィル「俺達はリールの分もいれてもあまり持ち物がないし旅してるからね、散らかりようがないよ。」

麗「燕兎がちゃんと管理してくれるから平気よ」

燕兎「整理整頓は得意だからきれいだよ（ニコニコ）」

【料理】
フィル「作れなくもないけど、レパートリーは少ないよ」

リール「………」

麗「結構自信あったけど、やっぱ燕兎には適わないわ。(困ったように笑い)」

燕兎「楽しいよね。特にお菓子は得意だよ〜（えへへ）」

【暑さ】
フィル「俺は、生まれが寒いとこだったから、すぐ貧血になっちゃうんだ」

リール「……（ぐぅ）」

麗「汗かくとベタベタするから苦手よ」

燕兎「溶ける〜」


【寒さ】
フィル「俺は寒いのが普通だから快適だよ。」

麗「寒すぎもね…(苦笑)」

燕兎「無理…嫌だ、死ぬ！！」



お疲れ様でした。


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