話題:本日の恋心模様

遅めの夏休みという有給を取り、いつもより長く実家に泊まった。仕事おわりにそのまま泊まりに行くあたしに彼は、明日から行っちゃうのかさみしいなと言った。いつもより甘えるように求めてくる彼に応えながら、寝不足気味に出社した金曜日。そのせいか、仕事中気持ちわるくなり吐いた。寝不足だとただでさえ、遠くて座ることのできない通勤電車のなか立っているだけで体調を崩すことを知っていながら、彼は自分の欲望だけを優先し、求める。これに応えなきゃ、風俗に行かれてしまうのかと思うと応えないわけにはいもかないと頭のどこかで思っている自分を情けなく思った。そこまでしないと彼は、自分の欲求を抑えられず風俗へ行ってしまう。それは、彼自身の問題であり、別れることになっても彼の罪になる。
実家に帰り、馴染みのある地元ゆえにやりたいことがたくさんあって、あれもこれもと予定を詰めてしまうから睡眠時間は短めに。母とお酒を飲んだり、姪っ子や祖母に会いに行ったり、家族や親戚と過ごす時間はとてもたのしくて、有意義だった。だからこそ、彼にもわかってほしい。あたしがどれだけ我慢をし、彼の地元に住んでいることを、彼と一緒にいるために住むことを選んだことを。
実家にいながらも仕事の愚痴は多く、挙げ句にはイライラし、当たってくる。仕事しながら家事をする時間がないことを嘆く彼に、仕事しながら家事をしているあたしはなんなんだろうと思ったり。口では、ゆっくり帰っておいでと言いながら、荒れた部屋や溜まった洗濯物やゴミを思うとのんびりもしていられない。彼は、彼女ではなく母親がほしかったのだろうか。家政婦でもよかったのだろう。家事をし、欲求を満たせればだれでも。

あたしのなかで、風俗に行く時点でアウトなのに、風俗に行く彼を許す理由を無理矢理に作っては、わすれようと努力する。そんな努力なんていらないのに。彼を風俗に行かせないようにするのも、行きたいと思わせないようにするのも無意味で、成人した大人にしてあげることではない。彼は、彼の意思で風俗に行くことを選んだ。あたしと付き合っていながら、他の女を抱くためにお金を払った。そこに、あたしの癒しが足りないとかやさしさがないとかは言い訳で、そう思うなら別れることを選べばいいだけで、あたしのせいで行きたくなるなら手放せばいいだけ。彼の思考回路はよくわからない。付き合いつづけるために捌けぐちが必要ならば、ストレスを与える要因を解消すればいいだけなのに。どんな理由をつけても、彼は他の女を抱きたいのだと思った。そんな彼と付き合いつづけるあたしもあたしだ。