話題:冷めた気持ち。

愚痴です。







何度目の喧嘩なのかわからないやりとりにため息がこぼれた。フルタイムで働いているのはおなじでも、職場環境のちがいから彼は帰りが遅い日がつづいていた。同棲する前に決めた家事の分担を彼は仕事が忙しいから時間がない、疲れた、休みは休みたいと言い訳をしてなにもしなくなった。せいぜい、お金にものを言わす感じで、外食に連れてってくれたり、お惣菜を買って、休みの日の夕飯作りはしているくらい。洗い物くるいはすると彼が言っていたので自分の食べたものくらいは遅くても洗ってほしいと主張するあたしに対し、夕飯の洗い物を夜やらなきゃいけないこともない、次の日の仕事から帰ってきてから時間のある方がやればいいと主張し、もっと労ってほしいと怒り、お前はおかしいともう無理だと家を飛び出した。実家だけには帰らないと言っていた彼は、結局実家に帰っていた。そこから、延々と出ていけとラインを送り、お前が出ていくまでは帰らない、いつまでも住みつづけるなら強制的に荷物をまとめさせるとか、話し合いたいから実家に行くと言えば迷惑防止なんちゃらで警察を呼ぶ、二度と俺の家族と関わるなと脅された。呆れながらもこんな形で出ていくのは府に落ちないゆえに、なにがそんなに嫌なのかもわからぬまま謝りつづけ、帰宅してきた彼にもさらに謝ったものの、やっぱり、府に落ちなかった。

人はだれしも生まれ育った環境があり、それが主軸や基盤になったりするもので、そういう習慣を身につけながら社会に出て、いろいろな人と出会い、さらに学んでいく。そのなかで、家事や生活というものは、自分がいた家庭をお手本としやっていくものだとあたしは思っている。ゆえに、あたしも押しつけていたところもあったのだろう。あたしの家はこうしていたと細かく言っていたのは悪かったから改善しようと思うものの、根本的な概念がちがう場合はもうどうしようもないのだと実感させられた。
どんなに仕事で忙しくても嫌々ながらでも家事をしてくれた母を見てきたから自然とめんどくさくても今日のことは今日のうちにが身についたあたしと相反するのが彼の家。仕事で忙しいからやらない、時間があってやれる方がやればいいスタイルゆえに、彼の実家の部家はゴミ屋敷でめんどくさいからとゴミも捨てず、掃除機は何年もかけず、部屋全体が大きなゴミ箱だった。家族が共有する部屋は休みの日に親がやっていて、彼曰く、親は家事が好きだからいいんだという理論であった。結局、彼は実家にいた頃から家事の一切をやらず、たまにごはんを作ったことを俺も家事をしていたと主張していただけだった。
こんなにも環境や価値観がちがえば、衝突することは増えてくばかり。どちらかは必ず、気に入らないがステータス。彼は自分の家のスタイルを世間一般の当たり前のように語り、あたしをおかしいとか細かいとか挙げ句には精神病と揶揄した。もっと、視野を広げろ、人と関わってこなかったから偏るんだ、よわいんだと洗脳するかのように言ってくるが、芯がなかなかブレないあたしは彼のことばを右から左へ聞き流し、内心は自分こそ自分の家のスタイルを信仰しすぎと呆れていた。

結局は、次、喧嘩したらあたしが出ていくと話しなにり、喧嘩しないようにがんばればいいと言われた。彼といると楽しさがない。出ていってもいいように思ったが、母がもう少し様子見してみたらと言うので、そうしてみようかなと思ったものの、彼と話しながら出ていってもいいなと納得した自分がいて、彼と離れても多少の寂しさがあったとしても未練や後悔はなく、清々しく地元に戻れそうだなと確信した。次、喧嘩したら別れる。彼だけに都合のいいそのフレーズに嫌気が差しながら大人になるってつまらない。もっと自由に息をしたい。