話題:ひとりごと

今年もたくさんのアニメやドラマ、映画を観て、本を読んだ。そのなかでも印象に残ったものは数えるほど。何度も観たくなる作品に出会えるのは毎年あるともかぎらない。今年はそんな作品がいくつもあり、充実していた。その感想を熱量に任せて紡いでみる。


「魔法使いの嫁」というアニメを観た。放送当時はやっていたことすら知らないくらいに感心すら持てていなかったアニメなのに、突然と目が合った気がして、導かれるように観てしまった。2クールもあるし、しばらくはたのしめるなんて思っていたのに2日くらいで観終えてしまうくらいにのめり込んでいた。おもしろい作品はあっという間に観終えてしまうらしい。携帯もいじらず、作品とだけ向き合う。こんなに集中して観られるなんてしあわせだなと思った。始めから終わりまでひたすらに泣いていた。わるいひとはわるく、いいひとはよく、鮮明に色分ける。愛することの純粋さがバシバシと伝わってくる。自然と涙がぼろぼろとこぼれて、ぐいぐい引き込まれていく。やさしくて生々しくて、愛にあふれていた。不器用な主人公たちを見守るようやさしい隣人たちはだれひとり欠けてはいけない大切な存在。自分の痛みをやわらげるためなら他者を傷つけてもいい、他者のために自分を犠牲にするのは一緒だよという言葉の重さ。言葉は、わかり合うためにあるのではなく、話し合うためにあるとチセとエリアルは知った。互いを縛るのではなく、尊重しあうことを。

「恋は雨上がりのように」は、アニメがすきで実写はどうなんだろうと思っていたけれど、不安など吹き飛ばすほどにすてきな作品だった。夢を追いかけることに遅いなんてない。いくつになっても追いかけていいし、立ち止まってもいい。片想いしたり、両想いになったりしながら夢と寄り添う。冴えない店長はアニメ同様、すてきでした。

村田沙耶香の「マウス」は、読んだ瞬間に恋をした。2時間くらいで読んでしまうくらいに夢中になっていた。たまにある、この本がすきという感覚が心地よい余韻のように包み込む。スクールカーストを気にしすぎて本来の自分を見失っている律の前に現れた瀬里奈という存在。脆く、細く、周りのことなど気にすることなく泣く。自分の灰色な世界を持っていた瀬里奈に律はくるみ割り人形の本を出会わせた。律は助けるためにしたのではない、その灰色な世界をこわしたかったから。それは予想を越えて、瀬里奈の仮面となり、社会にも溶け込めるつよい暗示のようになった。大学生となっての再会からのテンポ感、喧嘩、仮面を外し息がしやすくなったふたり。瀬里奈の芯の固さに痺れる。ああ、とてもすき。

この他にも書きたいものがあるけれど、きょうはここまで。長文失礼しました。