話題:わからない

GPSをインストールした彼の携帯が家に置いてきぼりにされながら、ニートの彼は9時間以上どこかを彷徨っていた。なんの意味をなさなくなった携帯を眺めながら、なぜだか画面のトップにはソープのサイト。ああ、そうか、行ってるのか。きっと、実家に帰っていたときもあたしが仕事で留守にしてるときも彼はソープに行っていた。月に3回くらいの頻度で、うそをついて。性病になっても懲りないし、親にお金を借りても借金しても行くことをやめることはできない。バレても開き直り、おまえがいるから行くんだとわけのわからない言い訳を並べる。あたしがいなかったらなおさら行きやすくなるだけなのに、なにを変なことを口走っているのだろう。彼の借金は100万近くある。精神病を治すプログラムというローンを組んで治療するものにも入会して、一体いくらかかるのやら。それもこれも未来のじぶんに支払わせる。その場しのぎの先送りは、未来のじぶんを首締める。ますます、彼とそんなことをする気も起こらず、もはや、実家にもどろうかなと考える。もう彼は変わらない。彼の家族とかに協力して、風俗依存を治療するしか方法はないのだとおもう。彼はじぶんの親にバレることをとても恐れていて、言ったら絶対に別れるとこどものようなことを言う。

微かにも信じようとしていたのに。実家に帰っていたときも携帯を置いて、ソープへ行っていたんだなと理解した。それか電源を入れないとか。結局はどんなことをしても本人に改める気がなければ変わらない。あたしがいくらなにをしても、彼がわるいとおもわないかぎりは変わらない。本人の意思の問題。あたしの父親も借金がすごく、住宅ローンを合わせれば数千万円もあった。そして、アルコール依存症でもあり、借金は積み重なり、仕事を辞めさせられ、自暴自棄の末の離婚からの半年後、お酒の飲みすぎで蓄積された肝臓の病気により亡くなった。あたしたち家族が消えて、お酒の美味しくなさに気づいたとか祖母が言っていたがいなくならないとわからないのだから救えない。いっしょにいる間はあまえがあるからだめなのだ。そして、本人がわるいとおもっていなかったし、よわいからなにかあるとアルコールに逃げていたし、借金は親に返してもらっていたし、ほんといまの彼と状況が似ている。いつかは母のように決断しないといけない。いまは、呆れと怒りと悲しみでいっぱいだし、あしたはたのしい誕生日だし、なにも考えずにいようとおもう。